12話 唾を付ける (蘇芳side2)
「蘇芳さんってもしかして外国人? その赤髪は地毛だったりするの?」
「アメリカ人の父と日本人の母とのハーフよ。髪は仕事上で染めているわ」
「へぇ、ハーフなんだ!」
「アメリカのどこに住んでたの?」
「ニューヨークよ」
「すっげ~ニューヨークだってよ。首都じゃん!」
「彼氏は? やっぱり有名人と付き合ったりしてるの?」
「そうね、ご想像にお任せするわ」
「きゃー! やっぱり海外は進んでるのね!」
教師が気を遣って授業が自習になってから、クラスメイトから怒涛の質問付をされていた。煩わしいし無視してもいいのだけれど、最初ぐらいは外面を良くしておいた方がいいわよね。
ああでも、やっぱり退屈だわ。
(逃げたわね、学生君)
私としては学生君と話をしたかったのだけれど、自習になった途端にどこかへ行ってしまった。
恐らくこの状況になることを読んで逃げたのね。本当、逃げ足だけは早いんだから。
「ねぇ、私の隣にいた彼はどんな人なのかしら?」
「えっ、佐藤のこと?」
「どんなって言われても……別に普通だよな?」
「うんうん、普通普通」
「へぇ……そうなの」
学生君のことが気になった私は、クラスメイトに彼のことを聞いてみる。すると、皆が“普通”だと答えたわ。
それと学生君の名前は佐藤太一というそうよ。やっと名前がわかったわね。
「佐藤がどうかしたの?」
「昨日彼にね、困っているところを助けてもらったのよ。私の勘違いでなければなんだけど」
「へぇ、そうだったんだ」
「あの佐藤がねぇ……ちょっと意外」
「蘇芳さんの勘違いなんじゃないの?」
誰も彼も、彼が人助けするような人間とは思っていないみたい。
厳密に言えば助けてもらったのではなく私が巻き込んだのだけれど、こうも違うと断言されると少し違和感を抱くわね。
繰り返される質問に飽き飽きしながらも答えていると、自習の時間が終わり、二時間目の授業が始まる。その時になってやっと学生君が、佐藤太一が教室に戻ってきた。
どれ、少し小突いてみようかしら。
「あら、今までどこに行っていたのかしら?」
「ちょっとトイレにね」
「へぇ、随分と長いトイレね。よっぽど大きかったのかしら」
「まあね。大変だったよ」
ほんの少し間があったけれど、彼はクールに答えた。異性から「長いトイレね」なんて言われたら多少は恥ずかしくなってもいいのだけれど、そんな素振りは一つも見せない。う~ん、やっぱり違和感があるわ。
「ねぇ、教科書見せてくれないかしら。転校してきたばかりだから、まだ教材を受け取っていないのよ」
「それじゃあ僕の教科書を貸すよ」
「それじゃあアナタが見られないじゃない」
「大丈夫、気にしないで」
「あ~、そう」
そんなに私と関わりたくないのかしら?
それはそれでムカつくわね。あと横の坊主頭、気が散るからウザったいアピールしないでくれるかしら。私は彼に集中したいのよ。
「なら、こうしましょう」
そう言って、ガンッと叩きつける強さで自分の席を彼の席にくっつけた。流石の彼もこれには驚いてるようだわ。うふふ、その顔よ、その顔が見たかったのよ。
気分が良くなった私は、畳み掛けるように口を開いた。
「これなら一緒に見られるわよね?」
「そ、そうだね」
それからも私は彼に、セクハラという名の小さなちょっかいをかけ続けた。
さり気なく足を当てたり、教科書をめくるようにして手を触れたり、肩を当ててみたりと、軽いボディタッチを仕掛けた。
普通の男の子なら、私が手でも触れれば顔が赤くもなるでしょう。
だけど彼は全く動じずに、石の如く無反応を貫いている。いえ違うわね、“反応してはいけない”という感じかしら?
面白くなってきたわね。どうしてそこまで頑なに無反応でいるのかしら。
「蘇芳さん、お昼ご飯は持ってきた?」
「いえ、持ってきてないわ」
「じゃあ食堂に案内するよ。私達は学級委員で、先生から蘇芳さんのこと頼まれたんだ」
「そう、それはありがたいわね。なら彼も一緒に――」
って、どこにも居ないじゃない。
あいつめ、私が目を逸らした瞬間に消えやがったな。なんて抜け目のない男なのかしら。そうやって逃げようとすると、余計捕まえたくなるじゃない。
「どうかしたの?」
「何でもないわ。行きましょう」
私の世話係を頼まれた学級委員の男女二人と食堂へ向かう。
廊下を歩いても、食堂に行っても私は注目の的だった。それほど転校生が珍しいのかしら。それともこの赤髪が目立つのかしら。私が綺麗だからかしら。
まぁでも、こう露骨にジロジロ見られるのは鬱陶しいわね。パンダになった気分だわ。
それに、興味があった日本の学生食堂とやらも大して美味しくないわね。値段が安い割りに量が多いってことぐらいかしら。
「蘇芳さん、久々の日本はどう?」
「まぁまぁってところかしら」
「そうなのか? 元々は日本にいたんだろ?」
「小学生に上がった頃ぐらいまでね。それほど思い出もないし、忘れてしまったわ」
退屈ね。早く彼に会いたいわ。会って色々と探ってみたいわ。
「はは……じゃあご飯も食べたことだし、少しだけ学校を案内するね。いい?」
「そうね、お願いするわ」
私に気を遣ってくれたのか、女の子がそう意見してくる。私も食堂にいて見世物になるのも嫌だったし、彼女の意見に乗ってその場から離れた。
(あら、あらあらあら。いるじゃない)
体育館に案内されている途中、彼を見つけた。
中庭で一人佇んでいるところを発見した私は、羽根のように軽い足取りで彼に近付く。
「セーフ……みたいだね」
「何がセーフなの?」
「――っ!?」
「ふふ、いいわねぇその顔。そそられるわ」
背後から声をかけると、彼は驚いた顔を浮かべた。
大袈裟なリアクションは取らなかったけど、流石に表情は隠せなかったようね。
「ねぇ、私アナタと二人でお話したいと思っているのだけれど、どうかしら」
「奇遇だね。僕も君と話してみたいと思っていたんだ」
おや? おやおや?
てっきり無難な回答で逃げられると思っていたのだけれど、意外にも乗ってきたわね。そろそろ彼も、我慢の限界が来たということかしら。
うふふ、そうこなくっちゃ。やっぱりアナタは面白いわね。
「へぇ、“今度は逃げないのね”」
「逃げる? “何のことかな?”」
「「……」」
「二人して何の話してるんだ?」
ちっ、邪魔が入ってしまったわ。
そういえば彼等がいることをすっかり忘れてしまった。愉しくてついうっかりしていたわ。
「何でもないわ、取るに足らないことよ。そうよね?」
「そうだね」
「そうなのか……? まだ案内してない所があるから行こうぜ。昼休みの間にできるだけ回っておきたいしよ」
「それもそうね。じゃあ、“またね”」
その場は分かれて、午後の授業中に彼のノートにこう書いた。『放課後に屋上に来て』ってね。
のほほんとした教師から上手いこと言って屋上の鍵を手に入れ、一人屋上へと向かう。そこには既に彼の姿があって、私のことを待っていた。
「待った?」
「そうでもないよ」
あら残念。私はこの時が来るのをワクワクしていたのに。
「でも、どうして屋上に?」
「だってアナタ、私と二人で話しているところを他の人に見られたくないでしょ?」
そう言えば、彼は無言になった。
うふふ、これでも少しはアナタのことを知ったのよ。知った上で気を遣ってあげたのよ。私って優しいでしょ?
「何をしているのかな?」
「何って、外に出るのよ。こんなせまっ苦しいところで話したくないでしょう?」
担任から手に入れた屋上の鍵を差し込んでドアを開けた。
あたたかい風が舞い込んでくるのを感じながら、屋上の外に出る。私に続いて彼も出てきた。
「風が気持ち良いわね。やっぱり外に出て正解でしょう?」
「そうだね。先生にバレたら反省文を書かれるだろうけど」
「バレなきゃいいのよ」
担任から正式に鍵を預かっているから、バレても叱られることはないけどね。でも彼は、私が不正に鍵を入手したと思っているみたい。
嫌ね、そんな悪い女だと思われているのかしら。まぁ、間違ってはいないのだけれど。
「それにしても、日本の学校って制服を着なくちゃならないのが面倒よね。アメリカでは私服だったから、堅っ苦しくて仕方ないわ」
「へぇ、そうなんだ」
「でも、このスカートは可愛いわよね。それに、ちょっとエッチでしょ?」
そう言って、私はスカートを捲し上げる。
けれど彼は動揺せず、目を逸らすこともしなかった。可愛げはないけれど、面白くはないけれど、アナタならそうだろうとは思っていたわ。
これは軽いジャブ、ほんのお遊びよ。本番はこれからだわ。
「私から質問してもいいかしら」
「どうぞ」
「何故、昨日私から逃げたのかしら?」
今度はジャブではなく、真正面からのストレート。
さぁ、アナタはどう返すのかしら?
「それは誤解だよ。あの時は用事があって急いでいただけなんだ」
「ふ~ん、そうなの。まぁ、本人がそう言うなら“それでもいいわ”」
回答の早さからして、事前に考えてきたわね。
私がそういう質問をしてくるだろうって。嬉しいわ、今日一日それだけ私のことを考えてくれていたのかしら。
「……逆に聞かせてもらうけど、蘇芳さんはどうして僕に友達のフリをさせたのかな」
「あぁ、その事ね。昨日はこの学校の下見に来ていたのだけれど、知っての通り面倒なナンパ野郎に捕まってね。無視しても諦めないから段々腹が立ってきのだけれど、丁度その時目の前を通りがかったあなたが目に留まったの。
私が困っているのに助けようともしないなんて……とさらに腹が立って、アナタになすりつけようとしたのよ」
これは本当。
あの時はナンパ野郎のしつこさに苛々していたのよね。
「それはいくらなんでも酷いね。とばっちりじゃないか」
「そうね、だから昨日のことは謝るわ。でもね、これでも私驚いたのよ」
「驚いたって……何が?」
「どう見ても陰キャのアナタが、ナンパ野郎の手を軽く捻り上げて退治しちゃったじゃない? ギャップというか、あれには私もクるものがあったのよ。今風に言うと、キュンとしたって感じかしら」
これは嘘。
アナタがどんな反応を見せてくれるか楽しんでいたの。それくらいで心がトキメクほど私の心は乙女じゃないわ。けれど、カッコいいと思ったのは本心よ。
「だからね、少しお話してみたいと思ったのよ。お礼にコーヒーでもご馳走してあげるわよって。でもアナタ、私が誘う前に逃げてしまったんですもの」
「……」
「折角の面白い出会いなのに残念だわ~って思っていたのだけれど、運命とは面白いものね。まさか転校した学校のクラスに、アナタがいたんだもの」
巡り合わせってあるものね。
もう二度と会わないと思っていたアナタに再び会えたのだから。まぁアナタからしたら私に会いたくなかっただろうけど。
「私ね、本当は日本に来たくなんかなかったのよ。だって日本人ってつまらないじゃない? 根が陰キャだし、ノリが合わないし、面白いことなんて一つもないわ」
「……」
「でもね、アナタを見つけた時にピンと来たのよ。退屈でつまらない日本の学生生活も、少しは楽しめそうだってね」
「そう思ってもらえるのはとても光栄なことだけど、蘇芳さんは勘違いしているよ。僕は君が言う陰キャでノリが合わない、面白いことなんて一つもない普通の男子高校生だよ。とても蘇芳さんを楽しませることなんて出来ないと思うけど」
「そうかしら? 私はてっきり、“敢えてそういう風に振る舞っているように見えるのだけれど”」
「――っ!?」
「ねぇ、佐藤太一君?」
うふふ、驚いてる驚いてる。
どうしてわかった? と慌てているのかしら。平静を装っているけど、顔に書いてあるわよ。他の人が見れば分からないだろうけど、私も人の顔を見るのは得意なのよ。アナタと同じでね。
いいわ、その顔。最っ高よ。
「私ね、クラスの皆にアナタのことを聞いたのよ。皆、口々に言っていたわ。“佐藤は普通”だって」
「……」
「だからね、今日一日アナタのことを観察してみたの。それで分かったことは、成績は中、運動能力も中、つるんでいる友達は三軍。どこからどう見ても普通よね」
ごめんなさい、佐藤太一君。
私ね、ずっとアナタのことを見ていたの。アナタがどんな人間なのか知ろうと観察していたの。
成績は普通らしいわね。運動も普通らしいわね。私を含めて、女子と話そうとしなかったわね。体育では陰キャの二人と一緒に体育館の端で、他の生徒がバレーをしているのを見ていたわね。アナタが見ているから、私もつい張り切ってしまったわ。
クラスメイトが言っていたように、佐藤太一は“普通”の男子。
でもね、その普通が少しわざとらしく感じてしまったの。それが私が抱いた違和感だったのよ。
「けれど、そこかしこに気がかりなこともある。一限目の自習で一人逃げたのもそうだし、私を避けようとする行動。いえ、私だけでなく女子全般を避けているのかしら?」
「男の子なら積極的に私と関わりたいと思うのが普通でしょ? 隣でわざとらしくアピールしてきた、坊主頭の彼のようにね」
「でも不思議なことに、アナタはそうしなかった。関わろうとするどころか私を避け、私から遠ざかろうとした。さて、いったい何故かしら?」
「答えは簡単に出たわ。アナタ、目立ちたくないのよね?」
そう言うと、彼は表情を変えた。
いえ、変えたのではなく元に戻ったと言っていいのかしら。
ナンパ野郎に向けていた時のような、“ゴミでも見るような眼差し”で私を見ている。冷徹で、無感情な顔。
けど私ね、アナタのその顔も結構好みなのよ。
「目立ちたくないから能力を隠し、制限している。目立ちたくないから私や他の女子を避ける。目立ちたくないから三軍の友達を選んでつるんでいる。目立ちたくないから普通であろうとしている。“普通を演じている”」
「……」
「どう? 私の考えは当たっているかしら?」
さて、アナタは次になんて言うのかしら。
ここまで言われてもまだ誤魔化すのかしら。それとも冷たく突き放してくるのかしら。どう返してくるかすっごく楽しみだわ
「君の言う通りだ。僕は確かに普通を演じている」
「あら、意外だわ。そこは素直に認めるのね」
「これ以上誤魔化したって無意味だからね」
ふ~ん、まだ冷静でいられるのね。それはそれで面白いのだけれど。
「それもそうね。でも私がまだ分かっていないのは、アナタが普通を演じようとする理由なのよね。そんな事して何か意味はあるかしら? 疲れるだけだし、つまらなくないかしら」
これが一番聞きたかった内容。
私には全く理解できない。能力があるのに、何故彼はそれを隠して凡人を装おうとするのかしら。
恐らくそこに、“佐藤太一の本質”が隠れていると思うのよね。
「出る杭は打たれるという日本の言葉は知っているかな?」
「聞いたことはあるわね。要するにあれでしょ、調子に乗ってる奴は憎まれる、みたいなものだったわよね」
「それで合っているよ。勉強に限らず、スポーツや芸能。何かしらの才能に秀でた者はね、周りから恨まれたり妬まれたりしてしまうんだ。そうなってしまったら、必要以上に目立ってしまったら、もう突き抜けるか底に落ちるしかない」
「アナタはそれが嫌だっていうのかしら?」
「そうだね。誰かに嫉妬されたり、憎まれたり、嫌われたくない。蘇芳さん僕はね、可もなく不可もない平穏平凡な学生生活を送りたいんだよ」
「なるほど、だから目立ちたくない、目立つような真似はしないという訳かしら。本気を出さず、能力も制限して」
「そうだね。目立たない為に、普通で、どこにでも居そうで特徴がないモブのような存在を演じているんだ」
「モブ、ねぇ……それがアナタの流儀ということかしら。ふ~ん、分からなかったことが分かってスッキリしたわ」
スッキリはしたけど、少しばかり残念ね。もっと面白い理由だと思っていたのだけど、興醒めだわ。そんな“くだらない理由”だとは思ってなかった。
日本人の性質なのかもしれないわね。
アメリカ人は出世欲が高いし、上に上にと上昇志向があるけれど、日本人は面倒臭がって出世に興味がないって聞いたことがあるわ。
きっと彼もその口なのね。
「それは良かった。ところで蘇芳さんにお願いがあるんだけど」
「何かしら」
「もう僕に関わらないでくれるかな」
おや、おやおや?
アナタにしては随分と直接的な物言いね。また少し興味が湧いてきたわ。
「何故? 理由を聞かせてちょうだい」
「言わなくても君なら既に分かっているはずだ。君みたいな人と関わっていれば、僕は普通ではいられない。モブではいられない。周囲から関心を抱かれ、嫉妬を買うことになってしまう」
「そうかもしれないわね」
そんなに睨まないでよ、ゾクゾクするじゃない。
じゃあ、例えばこう言ったらアナタはなんて答えるかしら。
「もし仮に、私が嫌だったと言ったら?」
「分からないな。僕なんかよりも、八神と関わった方が君にとっても面白いと思うよ」
「八神? 誰よそれ」
聞き覚えのない名前ね。
でも恐らく彼は、その八神という人に私をなすりつけようとしたのね。私がナンパ野郎をなすりつけようとしたみたいに。
「まぁいいわ。私も悪魔ではないもの、アナタがそこまで嫌だと言うなら今後は必要以上に関わらないであげる」
「ありがとう。助かるよ」
馬鹿ね、そんなの嘘に決まってるじゃない。
知らなかった? 悪い女はね、平気で嘘を吐くものなのよ。私がアナタを簡単に手放すと思ったのかしら?
例えそうであってもね、もう戻れないわよ。
だから私は、彼に教えてあげるの。
「でもアナタ、“もうモブではいられないと思うわよ”」
「っ……!?」
私は彼にキスをした。頬にではなく、唇にね。
うふふ、こういう不意打ちには慣れていないのかしら。流石に慌てているわね。
アナタの慌てる顔、もっともっと見てみたいわ。
「……どういうつもりかな?」
「別に、キスくらい大したことないわよ。アメリカじゃ皆普通にやっているしね。ごめんなさい、もしかして初めてだったかしら?」
初めてよね。
だってアナタ、恋愛なんかしなさそうにないもの。
どうかしら、私の唇の感触は。初めてのキスの感覚は。アナタの頭と心に、私という存在を刻み込んであげたわ。
「“唾を付ける”という日本の言葉はご存知かしら?」
「……」
「まぁ、要するにそういう事よ。あとその鍵、返しておいてね」
そう言って、私は彼から去って行った。
さて、アナタはこれからどうするのかしらね。
少しの間は私も大人しくしておいてあげる。
でもね、油断しているとまた不意打ちをするから気をつけておきなさい。
「退屈でつまらないと思っていた日本の学生生活も、思っていたより楽しめそうね」
ねぇ、佐藤太一君。




