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第八章☆マイロボットバイク

「ちゃっちゃかちゃっちゃっちゃーん!」

「ボイルバイク仕様!」

スパナ片手にオイルほっぺたにくっつけて、竜星は満足げにうなずいた。

「竜星。ひとっ走りしますか?」

ボイルもなんだか嬉しそう。

「もっちろん〜」

自宅の地下ガレージから地下の大通りに乗り出す。

ゔいいいいいいいいいん。

いい感じで走行。

バイクキットを装着しただけでこんなにごきげんな仕様になるのかと、竜星はドキドキわくわくしていた。


「ずいぶん走ったから、家へ帰ろう」

しゅーんんん。

「ボイル?」

「燃料が不足しています」

ちこーんちこーん。レッドランプが点滅している。

「えらいこっちゃ!ここでガス欠かよ!?」

移動式の燃料の自動販売装置がめざとくこちらへやってきた。

「ガソリン、お安くしときまっせ!」

「ガソリンぢゃないんだ」

「高級燃料でっか?」

「HO101」

「このくらいの金額になりまっせ!」

表示を見て、竜星は目の玉が飛び出るかと思った。

「お客はん、安物の燃料混ぜれば動きましょうが、再びもとのグレードの燃料は使えなくなりまっせ」

「えー」

風花に連絡するか?でも今ケンカ中でバツが悪い。あの高飛車な女の子!顔も見たくない。

「押して帰るからいいよ」

「ほなさいなら」

販売機はさっさと去っていった。

トボトボと竜星はボイルを押して家路についた。

「お前、こんなに重かったんだな」

天を仰ぐ竜星。

ピルルルルルル…。

「はいもしもし?」

腕時計型携帯電話が鳴った。オンにすると、風花の立体映像が現れた。

「風花?」

「竜星いまどこ?座標を送って」

「なんで…」

「ボイルの燃料切れそうなんでしょ?セバスチャンを向かわせるからそこで待ってて」

「でも、僕…」

「さっきはごめんね。もう気にしてないから」

「…」

なんで風花が先に謝るんだよ!竜星は顔をくしゃくしゃにした。


数分でセバスチャンが燃料を持って駆けつけた。

「風花は?」

「お嬢様は旦那様と取引先に挨拶に回っておられます」

「なんで燃料切れそうってわかったんだ?」

「荒井さんが念の為連絡が来るようにボイルのコアに書き込みされてまして…」

「!?」

「いけませんでしたでしょうか?」

「…いや、いいよ。ごめん。ありがとう」

ピコーン。風花に電話連絡。

「はい。うまく会えたみたいね。良かったわ」

「風花!」

「何?」

「僕は恥ずかしい。君になんて言ったらいいのか…」

「早く大人になってね」

「!!」

「今忙しいの。また後でね」

プツン。電話が切れた。

「早く大人に?」

竜星は、風花のことで胸が一杯になった。

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