第三章☆展示されたセバスチャン
「マイロボットコンテストに出場しよう!」
竜星と風花はそれを合言葉に自分のマイロボットを改良に改良を重ねていた。
「セバスチャン!セバスチャン!」
知りたいことがあったので、風花はセバスチャンを呼んだ。しかし返事がない。
「風花さん」
荒井さんがやってきて、真面目くさって右手に握ったものを風花に手渡した。
「セバスチャンの『コア』だよ」
「えっ」
「マイロボットコンテストの初代チャンピオンだからね、名誉ある機体として展示されることになったんだ」
「うそ…」
風花は蒼白になった。
「お守り代わりに大事に持っておいで」
「ハナ。あなたの先輩よ」
展示場に新しいマイロボットを連れて風花はやってきた。
「センパイ?」
「そう…」
ポロリ。
風花の両目から涙が溢れ出した。それはどうやってもあとからあとから溢れ出て止まらなかった。
「セバスチャン!なんで私、あなたに優しくしてあげれなかったんだろう!?」
「風花。泣かないで」
マイロボットのハナが慰めてくれた。
「あれ?風花さん。どうしたんだい?」
偶然来ていた荒井さんが気づいて声をかけた。
「なんだ。大丈夫。コンテストが終わったら戻ってくるから。だからコアをなくさないでくださいね」
「セバスチャン〜。泣いて損した!!!」
風花はさっさとハナを連れてその場をあとにした。