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第二章☆荒井さん

「こんにちは。お邪魔してます」

竜星が挨拶した。

荒井さんは三十代のナイスガイで、女っけがない代わりにロボットにやたら詳しかった。

「君が造ったマイロボットかい?」

「はい」

「名前は?」

「まだ決めてません」

「卵型ロボットだからハードボイルドからとって『ボイル』はどうだい?」

「いいですねー」

ボイルは不思議そうに荒井さんと竜星を見ている。


風花はセバスチャンと嫌々ながら宿題をちゃちゃっとやっていた。

「私にかかれば宿題なんてこんなものよ!」

「恐れ入ります」

「決めたわ」

「何をでございますか?風花お嬢様」

「セバスチャンは風祭家の執事ロボット」

「さいでございますが?」

「私のマイロボットはこれから自分の手で造る!」

「なんと!」

セバスチャンはひっくり返ってしまった。


「荒井さん〜」

「なんですか?風花さん」

「竜星のマイロボットに最上級のオイル分けてあげて」

「わかりました。…セバスチャンに使ってるのと同じHG101を用意します」

「?ほんとにそれオイル?」

「なんでですか?」

「殺虫剤の名前みたい」

「これは俺としたことが!」

HO101の間違いだった。

セバスチャンは再起不能で転がったまま思考停止していた。

「セバスチャンのスペックアップも任せてください」

「頼むわ」

「風花さんのマイロボット用にスタンダードキットを発注しましょうか?」

「竜星のとおそろいにしたいの」

「わかりました」


「ボイル!いい名前ね」

「ありがとうございます」

「これから一緒にいろんなこと経験しようぜ!」

「はい。マスター」

また明日、学校で。

風花に別れを告げて竜星はボイルに乗って家に帰った。


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