エピローグ☆大団円
「竜星君、ちょっといいかい?」
風花と竜星が風花の部屋でロボット談議に花を咲かせていたら、荒井さんが来て竜星を呼んだ。
「なんですか?」
「実はね、今から風花さんに正式にプロポーズしようと思ってるんだ」
「?!でも、風花は学生だからまだ決めたくないってこの前…」
「ご両親の許可もとってあるんだよ」
「………」
「しばらく君はここで待ってて。邪魔しないで」
パタン。
竜星は部屋の外に一人残された。
「僕は…」
自分の両足を見下ろしながら、竜星はちょっと考え込んでいた。
風花が荒井さんの物になってしまう?!そんなのは、いやだ。
「ちょっと待て!」
バタン!竜星は部屋の中へ飛び込んだ。
「どうしたの?竜星」
風花がきょとんとして聞いた。
「僕は風花が好きだ!家柄があわなくて不釣り合いかもしれないけれど、政略結婚の荒井さんより、僕の方が風花を何倍も思ってる!」
「へえー」
荒井さんがなんだかニヤニヤしている。まさか、はめられたんじゃ?
「政略結婚ってなんの話?そんなことしなくても荒井さんをうちの養子縁組する話が進んでるんだけど?」
「結婚は…?」
「しないの」
「そう」
「うん」
「………うがーっ!荒井!てめえ!」
「あはは。怒った怒った!」
珍しく本気で怒っている竜星に、荒井さんは、このくらい、したっていいじゃないか?俺は振られたんだからな、と思っていた。
「あとは二人で気のゆくまで話し合いたまえ」
ぷっ。くくくく。
人の悪い荒井さんは笑いの余韻を残して出ていった。
「竜星?」
「えーと…」
風花と二人きりにされて、竜星は胸がドキドキばくばくいっていた。
「聞いたわよ?」
「な、何を?」
「荒井さんから竜星が私の悪口ボロクソ言ってたって」
「ち、違う…」
「竜星〜!!!!」
「ちょっと待てぇ!!!」
今日も騒がしい一日だった。