プロローグ☆マイロボット
風祭風花は竹島竜星の家にいた。
地下のガレージで竜星は流行りのマイロボットを組み立てて、自己仕様にカスタムしていた。
「卵型でかわいい!」
風花が竜星のマイロボットを見ながらキャッキャ言っていると、竜星は集中しすぎてか風花の存在に今気づいた様子で、「あとちょっとでできるから」と言った。
起動。
ぱっちりお目々のロボットだ。
「やあ、調子はどうだい?」
「すごぶる快適です」
「そりゃ良かった」
「どちらが私のマスターですか?二人とも?」
「いんや。僕だよ」
竜星は強調した。
「風花にはちゃんと風花のマイロボットがいるもんな?」
「えへへ」
風花はここいら一帯で知らぬ者のいないお嬢様だった。専属のメカニックが風花のマイロボットをいつもメンテナンスしている。
「うちへ来ない?」
「こいつの試運転してもいい?」
「うん」
少年少女たちは出来たてのマイロボットの後部につかまって、地下室から地下の大通りで出るシャッターを開けた。
反重力装置でかすかに浮いている。
「スピードギアチェンジ」
ぶーん。
地下の大通りを走る。
「ライト」
マイロボットの両目が光って前方を照らす。
電気自動車が自動制御で避けて走り抜けていく。
「いい感じ!」
「オーケー」
二人を乗せた出来たてのマイロボットが街へデビューした記念日だった。