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思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第二章 各々の方針が固まる二日目
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第七十九話 カフェスイノ 〜脱獄犯ドルネイン編〜


〜脱獄犯ドルネインの視点〜


――――街トルラ



 街トルラに無事に辿り着き、数時間程の時間を掛けて、街トルラの人達に魔族に対する偏見を解く為に尽力している最中のドルネイン達は、暫しの休息を取る事となった。


 「ふぃ〜、なぁ、ロスル。 もう大体の住民に話し掛けたんじゃねぇか? だから、そろそろ休憩にしねぇか?」


 「ふむ、確かにそうですね、ドルネインさん。 ふぅ……。 それでは、休憩を取る事に致しましょう……」


 ロスル達は一息ついて、休憩を取る場所を探す。


 「うぅ……。 さっきから、ずっと説明しっぱなしだったから、何だか喉が渇きましたよ……」


 アモンは、枯れ気味の声で喉を抑え始めた……。


 すると、そのアモンの様子を見たロスルが、とある提案を行った。


 「でしたら、直ぐ其処に『スイノ』と言う名の看板が掲げられてる『カフェ』が在りましたので、この私が奢りますので、何か飲み物を頼んで喉の乾きを潤しましょうかっ!」


 「わぁ〜っ! 気を遣って頂き、感謝申し上げますっ! それでは、早速そのカフェに向かいましょうっ!」


 「お、俺達の分の金も払ってくれるなんて、太っ腹だなぁ〜っ! へへっ、あんがとなロスル! うしっ、そうと決まれば早くカフェに行くぞアモン!」


 「わわっ、ちょっとドルネインさんっ! そんなに強く引っ張らないで下さいよ〜!」


 はしゃいだ様子のドルネインは、アモンの腕を強引に引っ張りながら『カフェスイノ』に来店して行く……。


 ロスルも、微笑みながらゆっくりと『カフェスイノ』に来店した。


 カラン、カラン〜♪


 入店時に鳴る、鈴の音が店内に心地良く響くと、ドルネインはキョロキョロと店内を見回した。


 「んあ? どうやら、客は俺達以外には居ねぇみてぇだな? まっ、別に良いけどよ?」


 すると、カフェに入るや否や、メイド服を着た可愛らしい店員が、ドルネイン達の来店を歓迎する。


 「わぁっ! いらっしゃいませーっ♪ 3名様ですね? それでは、御席にへと御案内致しますね〜っ♪」


 「えぇ、有り難う御座います店員さん。 所で、アモン君とドルネインさんは何を頼むんですか?」


 「ま、取り敢えず俺は『メニュー』を見てから決めるとすんぜ。 アモンは、どうだ?」


 「僕はミルクが飲みたいですねー。 あ、でもミルクティーとかイチゴオレとかカフェオレも捨て難いなぁ〜……」


 「へへっ、ミルクが好きなんて、まるで赤ちゃんみてぇだなッ!」


 「むっ! せめて子供みたいって言って下さいよっ!」


 「ふふっ。 『子供みたい』って言われる事には抵抗は無いのですね。 ふふふっ、では、店員さんが案内してくれる席に向かいましょうか」


 「えっ!? そ、そう捉えちゃいましたかロスルさん……っ!? まぁ、いっか……。 さっさと喉を潤そう……」


 そう言った風に呑気に談笑をしているドルネイン達は、カフェの店員から、小さなテーブルと小さな3つのイスがワンセットになっている一般席に案内された。


 「それでは、御注文が御決まり次第その『呼び鈴』を鳴らして私に知らせて下さいね〜っ♪ それでは、ごゆっくり〜っ♪」


 テーブルの上にメニューを置いたカフェの店員は、優しく微笑みながらカウンターへと戻って行った。


 「ほお、コレがこの店のメニューか。 おおっ、飲みもんだったら大体の物が揃ってんじゃねぇかよ〜っ! 中々に品揃えが良いなッ!」


 「うぅ〜、こんなにも選択肢が有ると迷っちゃうな〜……っ! すみませんロスルさん、僕は『4つ』飲み物を頼みたいんですけど……駄目ですかね?」


 アモンは、恐る恐るロスルに問い掛けると、ロスルは特に気にしない素振りで返答した。


 「いえ、別に大丈夫ですよ。 僕が支払うお金の事なら心配しないで大丈夫ですよ。 アモン君とドルネインさんは、僕の事なぞ気にする事なく、どうぞ御好きな物を頼んで下さいね」


 「おお、そうか。 んじゃ、遠慮なく……『コーラ』と『メロンソーダ』と『生ビール』に『お茶』と『カフェオレ』を注文するぜッ!」


 ドルネインは、躊躇する事無く、様々な飲み物を容赦なく頼んだ……。


 そして、アモンもミルク関連の飲み物を4つ、最後にロスルは『バナナオレ』を一つだけ頼む事に決めて、店員を呼ぶ為に呼び鈴を鳴らした。


 リーン、リーン♪


 「はーいっ♪ 御注文が御決まりになりましたか〜?」


 「へへっ、店員さんッ! 俺は、コーラとメロンソーダと生ビールとお茶とカフェオレを頼むぜッ!」


 「僕は、ミルクとミルクティーとイチゴオレとカフェオレを頼みます……っ!」


 「あ、私はバナナオレを一つだけ頼みたいと思います。 えっと、注文する量が多いですが大丈夫ですかね?」


 「ふふっ、勿論大丈夫ですよっ♪ それでは張り切って『作っちゃいます』ね〜っ♪ ではでは〜っ♪」


 そして、注文を聞き終えた店員は急ぎながら厨房の方へ入って行った……。


 すると、先程の店員が言い放った言葉が気に掛かったドルネインは、思わず疑問を声に出した……。


 「あ? 作るって何だ? この店が提供する飲み物は『ドリンクバー』とかじゃ無いのか? いちいち最初の原液から作んのかよ? 一体どうやって?」


 すると、ドルネインの疑問を聞いたロスルが自身の見解を示した。


 「ドルネインさん。 私が思うに、多分あの人は『スキル持ち』ですよ。 恐らく、『飲み物を1から生成する』タイプの能力でしょうね。 実は、先程渡されたメニューに書かれていた飲み物の値段だけが極端に安かったので不思議に思っていましたが、あの店員さんが原価ゼロで飲み物を生成出来るのなら、この破格の値段も納得出来ますね」


 「はぁ〜、なっるほどなぁ。 って事は、今まさにあの厨房で女の店員がジュースを生成してんのかよ。 まぁ、悪い気はしねぇな!」


 「ドルネインさん……。 なんで鼻の下が伸びてるんですかね?」


 アモンは、ニヤニヤしながらドルネインに問い掛ける。


 「うっせぇなアモン! そもそも、お前等は何とも思わねぇのかよッ!? あの可愛い女の店員が、必死に生成してくれた飲み物を、これから俺達が飲むってんだぞッ! こりゃあ、興奮するシチュエーションじゃねぇかよッ!」


 「まぁ、確かにあの店員さんはとても可愛かったですけど……。 うぅ……」


 すると、アモンがモジモジした様子でそう言ったと同時に、厨房から女性の店員がコーラとミルクとバナナオレを運び出すと、直ぐ様アモン達の席のテーブルに一つずつ丁寧に置いていく。


 「皆様、お待たせ致しました〜っ♪ 先ずは、それぞれ注文して下さった飲み物を一品だけ御持ち致しました〜っ♪ 残りは時間を掛けて、じっくりと作らせて頂きますね〜っ♪」


 するとドルネインは、店員さんが息を切らしている状態で何やら汗ばんでいる事に気が付いた……。


 「おい、何かアンタ……疲れてねぇか? 顔色も悪そうだしよぉ……?」


 「いえいえ、御客様が御気になさる必要は御座いませんよ〜っ♪ 何故なら、この私のスキル【飲み物生成】の効果で、このスキルを使った後は何時も『脱水症状手前』になっちゃってるだけですから〜っ♪」


 「えっ! なんで飲み物を生成しただけで、脱水症状手前になっちゃうんですかっ!?」


 「ふふっ♪ その理由は、実は私の『体内の水分』を犠牲にして新たに飲み物を生成してるからなんですよね〜っ♪ でも、気味悪がる必要は無いですよっ♪ だって、ちゃんと綺麗に濾過(ロカ)した状態で御提供致しますからねっ♪」


 すると、店員からその様な事実を聞いたドルネインは、少しばかり嬉しそうに動揺し始めた……!


 そして、隣に居るアモンも途端に顔を赤らめる……。


 然し、冷静なロスルは、そのドルネイン達とは対象的に、脱水症状手前の彼女の体調を気に掛けていた……。


 「脱水症状手前ですって……!? それは危ないですよっ! 本当に、しっかりと水分補給を怠らないで下さいね! 私達は何時でも待てるので、ごゆっくりと残りを御作り下さいね……ッ!」


 「ふふっ、どうも御親切に有難う御座いますぅ〜っ♪ 分かりました。 これからは、ゆっくりと水分補給をしながら飲み物を生成しますねっ♪」


 店員はキャピキャピした態度でそう言うと、スキップをしながら厨房の中へと入って行った。


 すると、ロスルはその店員の姿を見て、何だか懐かしい気持ちになった……。


 「ふふっ、あの店員の事を見ていると、なんだか妹の『ムニル』の事を思い出すな……。 あの子も今頃は、誰かの為に奔走している最中なんだろうなぁ……」


 「おいおい、それよりも聞いたかお前等ッ!? この俺達の目の前に有るこの飲みもんは、あの可愛い店員さんの体液から作られたもんなんだぞッ!? これでも、お前らは興奮しねぇってのかよッ!?」


 「うぅ……っ。 実はですね、ドルネインさん……。 流石の僕でも、ちょっとだけドキドキしてます……。 まさか、運ばれて来たこのミルクが、元々は店員さんの水分の物とは……」


 悶々としているドルネインとアモンを横目に、ロスルはストローを咥えながら、ドルネインとアモンに促し始める。


 「どうしたんですか? 喉を潤す為にも早く飲みましょうよ。 折角、店員さんが私達の為に丹精込めて作ってくれたのですから、遠慮する事無くグイッと飲んじゃいましょうよ」


 「ロスル……。 お前は純粋な奴だなぁ。 俺とアモンとは大違いだぜ……」


 ドルネインは、若干自己嫌悪に陥ったものの、目の前に置かれたコーラを一気飲みすると、途端に機嫌を直した……。


 「プハーッ! おいおい、最っ高だなぁッ!? どんな御褒美だってんだよッ!? 味も美味ぇし、何か興奮もするし、その上値段も安いって、こりゃあ完っ璧なカフェじゃねぇかよッ!」


 「ふふっ、本当に美味しいですね〜っ! イガイガしていた僕の喉も、やっと潤せましたよぉ〜っ♪」


 「さてと、それでは暫しの間、此処のカフェで羽根を伸ばす事に致しましょう……!」


 かくして、テーブルに置かれたコーラとミルクを飲み終えたドルネインとアモンは、満足した様子で次に運ばれて来る飲み物を待つのであった……。



【現在位置】

【街トルラ、カフェスイノ】


【現在の日時】

【4月8日 13時9分 春】



【脱獄犯ドルネイン】

【状態】:満足

【装備】:黒と黄色のシマシマ模様の囚人服

【道具】:無し

【スキル】︰渾身の鉄拳

1:疲れた身体に染みるぜ〜ッ!

2:やっぱ、コーラは最強だなぁッ!

3:早く生ビールも飲みたいぜ〜ッ!

【基本方針】:飲み物を待つ。魔族は良い奴だと言う事を世間に広める。アモンを護る。



【魔王アモン】

【状態】:極楽

【装備】:人間の変装服

【道具】:拘束紐

【スキル】︰願いの犠牲

1:はぁ〜、美味しいなぁ〜……。

2:ミルクが渇いた喉を潤してくれる〜……。

3:嫌な事も忘れさせてくれる……。

【基本方針】:飲み物を待つ。魔王ベルファスの意思を継ぐ。



【ロスル・ル・ナータ】

【状態】:心配

【装備】:英傑旅団の団員服 英傑の剣と盾 大きな袋

【道具】:金貨50枚 銀貨50枚 銅貨50枚 ハンカチ

【スキル】︰晴れ渡る天空

1︰店員さん本当に大丈夫なのでしょうか……?

2︰途中で倒れたりしませんよね?

3︰んー、心配だなぁ……。

【基本方針】:カフェ店員の事を気に掛ける。魔族の安全性を世間に広める。アモンを護る。魔族抹殺連盟に警戒する。



【カフェ店員兼店長スイノ】

【状態】:疲れ

【装備】:水色のメイド服 水分補給用のお茶

【道具】:空のジョッキ

【スキル】飲み物生成【効果】:自身の体内の水分を犠牲にして、新たに様々な飲み物を生成する事が出来る。こまめに水分補給をしないと脱水症状で倒れる危険性が有る。

1:ゴクゴク……ッ! ふぅ……。

2:水分補給もした事だし、御客様の為に頑張って作りましょう……!

3:それでは早速、生ビールを生成しましょう!

【基本方針】:御客様から注文された飲み物を頑張って生成して提供する。


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