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思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第一章 各々の思惑が始まる一日目
16/132

第十六話 魔王ベルファス 〜佐藤琴子編〜


〜佐藤琴子の視点〜


――――楽園の密林――――【現在時刻、12時27分】



 「へぇ〜、琴子さんには”彼氏さん”が居たのですね!」


 「うん。 『晋也』って言うんだけどね? 彼がまた、凄い”運の悪さ”でねぇ〜っ!」


 「ウンノ、ワルサ〜? ウガウガ!」


 「うん、そうなのよ〜っ! 例えばねぇ〜……」


 琴子は、嬉々として晋也についての”笑い話”を、長い時間を掛けて、じっくりとバルルーナ達に向かって語り出した。


 かなりの時間を消費して、やがて琴子の長話は終わりを告げた。


 「―――って事なのよ! どう、面白かった〜っ!?」


 「アハハハッ! メチャクチャ、オモロカッタゾ! ウガウガ!」


 〈うふふっ! 喜んでくれたみたいで良かったぁ〜っ!〉


 「どうやら、琴子さんにとって、本当に大事な御方の様ですね晋也さんと言う人は……!」


 「えへへ〜っ! そうなの、彼は私の大事な人なの……♡ きっと、彼も……”この世界”に来ていると思うんだけどね……」


 琴子は、不安げに空を見上げる。


 〈晋也……。 きっと、貴方も無事なんだよね……?〉


 〈私は、大丈夫だから、安心してね……晋也〉


 すると、晋也が異世界の何処かに居るかも知れないと言う情報を得たバルルーナ5世が、とある”提案”をする。


 「ふむふむ、晋也さんもこの世界に居らっしゃるのかも知れないんですね……? それならば、この私の”国王”としての権限を駆使して、晋也さんの事を捜索する事も出来ますが……如何イカガでしょうか?」


 すると、バルルーナ5世の口から”国王”と言う単語を聞いた琴子は、驚いた様な声を上げる。


 「へぇ〜っ! バルルーナさんって、国王様だったんですかぁ〜っ! まぁ名前と見た目からして、確かに王族っぽかったですけど……」


 琴子は興味深そうにバルルーナ5世の顔を、まじまじと見詰める。


 「えぇ、つい最近まで”王子”だったのですが、世代交代の波が押し寄せて来た影響から、父上が王位を退(シリゾき、そのまま僕が王位を受け継いだ形ですね……」


 「わぁ〜、凄いじゃないですかぁ〜っ! あれ、でも一体何で、そんな一国の王様が3人程度の護衛を引き連れながら、こんな”密林地帯”に居るんですか……?」


 「そ、それはですね……」


 ガサガサ……ッ!


 と、バルルーナ5世が、琴子の質問に答えようとした”その瞬間”だった。


 突如としてバルルーナ達の背後の”茂みの中”から、謎の物音が聴こえ始めた……。


 「ムムッ! ナニヤツ! ウガウガッ!」


 「バルルーナサマ、フガフガ、ウシロニ、サガッテ! ボルダホ!」


 「ガホーーッ! ホロロンガーーーーッッッ!!!」


 バルルーナ5世を護衛している3名が、物音が聴こえた茂みの方を睨み付けると、そのまま武器を身構えながら近寄った。


 〈な、何……? もしかして、”敵”みたいな人が居るの……?〉


 「お、落ち着きなさいナルル、バーバル、アドムンハ! そんな無闇に威嚇しなくても……!」


 「デ、デモォ……! ウガウガ!」


 「バルルーナサマハ、フガフガ、アマイゾ、ボルダホ!」


 などと、口論を繰り広げているバルルーナ5世達の真横で、”何か”に気が付いた様子の琴子が茂みの方に指を差し示しながら身体を震わせていた。


 「バ、バルルーナさん……。 茂みの中に……ひ、”人影”が見えたけど、大丈夫なのかなぁ……?」


 「何ですって……!?」


 琴子の発言を聞いたバルルーナ5世は、恐る恐る茂みに向かって声を発した……。


 「だ、誰か居るのなら、黙ってないで出て来てください……ッ! ぼ、僕達に”戦う意思”は御座いません! なので、出来る事ならば”話し合い”で解決しましょう……!」


 〈バルルーナさんも身体が震えてる……。 きっと、彼も怖いんだ……〉


 すると、そのバルルーナ5世の問い掛けが功を奏したのか、やがて茂みの中から”一人の男”が姿を現した……。


 〈ひっ!? だ、誰っ!?〉


 「……へへへっ、バレねぇ様に上手く姿を隠してた筈なんだが、お嬢ちゃん……! 良く俺が居ると分かったねぇ……! へへへっ、それよりもバルルーナ……! お前の首には相当な”懸賞金”が付いてるんだよ……!」


 「え、バルルーナさんに懸賞金……!?」


 謎の男の発言を聞いた琴子は、思わず動揺の顔を浮かべた。


 「おやおや、嬢ちゃんは知らねぇのかぁ〜? だったら、バルルーナ5世! てめぇの口から説明してやんなぁ!」


 すると、謎の男から話を振られたバルルーナ5世は、苦虫を噛み潰したような顔を浮かべながら、ボソッと呟いた……。


 「……僕が、懸賞金を掛けられた理由ですか? それは僕が、魔族と”同盟”を結んだから……。 ですよね?」


 〈え、魔族って……。 所謂、悪の象徴じゃないの……っ!?〉


 「おお〜! よ〜く解ってんじゃねぇかよぉ〜っ! 詰まり、てめぇは、危険な魔族と同盟を結んじゃいけないっつー素敵な決まりを定めて下さった、【魔族抹殺連盟】様方の意向を無視しやがったってこったぁッ!」


 すると、”魔族抹殺連盟”等と言う名の、まるで聞き慣れない様な単語を聞いた琴子は、慌てて男に聞き返す。


 「魔族抹殺連盟……!? な、何なんですか、そのヘンテコな感じの名の連盟は!?」


 すると、その琴子の言葉を聞いた謎の男は、途端に血相を変えると、そのまま琴子に言い寄った。


 「あぁ、んだてめぇッ!? 魔族抹殺連盟様方の素晴らしい”仕事っぷり”を忘れちまったんかぁ!?」


 「し、知らないわよ! 何よ、近づかないでよッ!」


 すると、謎の男は鼻息を荒くしながら琴子に向かって、魔族抹殺連盟についての説明を行った。


 「無知なテメェの為に説明しとくとなぁッ! 我等が魔族抹殺連盟様方はなぁ! この世に蔓延る危険な魔族達を抹殺する為に設立された”正義の連盟”さッ! ヘヘ、魔族抹殺連盟の御蔭で、この世界は平和になってくんだぜぇ〜ッ!」


 すると、その男の言葉を聞いたバルルーナ5世が不服そうな表情を浮かべながら声を荒らげて反論した。


 「これの何処が平和になってるんですかッッッ!!!」


 「んおっ!?」


 やたらと魔族抹殺連盟の事を力説する謎の男の話を黙って聞いていたバルルーナ5世は、ギロリと男の方を睨み付けながら声を震わせる……。


 「……魔族が”危険”だって? い、一体何の冗談ですか!? 彼等は何時(イツ)だって、他の種族と人間達の事を想っているって言うのに……。 そ、そんな心優しい種族の事を勝手に良く知りもしない癖に、勝手に”悪”だと決め付けて悪者扱いにしたのは貴方達、人間達の方でしょうッ!?」


 「……何だとぉ?」


 ピキッた様子の謎の男はバルルーナ5世に向かって、拳を向ける。


 然し、バルルーナ5世は怯む事無く、唇を噛み締めながら話を続ける。


 「魔族って言うのは、ただ単に見た目が怖くて、他の種族より魔力が体内に多く存在してるってだけの、”なんてことの無い種族”なんですよ……! 詰まり、魔族と言うのは貴方達人間が忌み嫌う程の存在では決して無いんですよ……ッ!」


 すると、そのバルルーナ5世の必死の訴えを聞いた謎の男は、先程迄の乱暴な口調とは打って変わり、呆れた様子でバルルーナ5世に話しかける……。


 「はぁ〜……。 やれやれ……。 貴方は、本当に……馬鹿で正直者で、世の中の”本質”を良く見てらっしゃる……」


 〈あれ……? 謎の人の”雰囲気”が変わった……?〉


 「え、急になんですか……?」


 謎の男の急な変貌ぷりに驚いたバルルーナは、唖然とした様子でその場に無言で立ち尽くす。


 すると、謎の男は笑顔でバルルーナ5世に向かって、手を差し伸べた。


 「ふふっ、バルルーナ国王。 私は、本当に貴方と”同盟”を結べて良かったと思いますよ……?」


 「えぇっ!? あ、貴方と同盟を結べて良かっただって……? ハッ! もしや”貴方”は……!」


 何かに勘付いたバルルーナ5世の表情は、先程迄の警戒した様な顔付きとは対照的に、段々と晴れやかな顔付きになってゆく。


 そして、謎の男は溜め息を吐くと、そのまま力を込めて自身の”変装”を解こうとする。


 「全く、貴方は他人を”疑う”と言う事を全く知らないのですね……。 今の、この私の姿は愚かな人間に変装してるだけですよっ……と!」


 すると、そう言い放った男の周りに、有り得ない程の膨大な魔力が瞬時に発生し始める……!


 〈うぅ……っ! ま、眩しい……っ!〉


 琴子は慌てて目を両手で押さえる。


 やがて、謎の”黒い光”が男の身体を覆い尽くすと、次第に変装を解いた男の”真の姿”が現れ始めた……!


 「や、矢張り……! あ、貴方は……!」


 「全く、同盟を結んだ本人の変装すら見破れないなんて、先が思いやられますよ……」


 変装を解いたその男は、大物感溢れる仰々しい程の圧倒的な出で立ちをしていた……。


 〈え、めっちゃイケメンなんだけど……。 黒服の貴族みたいな格好に、切れ長の目付きと長い白髪に深紅の瞳……〉


 すると、この変装を解いた謎の男が一体”どう言った人物”なのかを詳しく知りたい琴子は、そっと小声でバルルーナ5世に話し掛ける……。


 「あ、あの〜……すみません。 お取り込み中の所で、すみませんが……バルルーナさん? このイケメンの御方とお知り合いの様子ですが、一体この方は誰なのでしょうか……?」


 すると、その琴子の質問にバルルーナ5世が答えるよりも先に、その謎の男の方から琴子に向かって自分の正体を明かした……。


 「ふむ、貴女は私が茂みに隠れている事に気が付いたお嬢さんではないですか……。 あ、すみません申し遅れましたね。 私の名は、『魔王ベルファス』と申します」


 「……え!? えッ!? ま、魔王……様ッ!?」


 「えぇ。 如何にも、私が”この世界の魔王”で御座います。 ……それが何か?」


 「え!? いやいや何でその魔王様が此処に……!?」


 唐突に目の前に現れた魔王の姿を見た琴子は、脚をガクガクと震わせながら愕然とした。


 「……実は、数日前にバルルーナ王国が人間達に”襲撃”される事件が起こりましてね……? あ、因みに何故、突如として人間達がバルルーナ王国を襲撃したのかと申しますと―――」


 と、魔王ベルファスが言い掛けた所で、咄嗟にバルルーナ5世が制止した。


 「ベルファスさん。 その”続きの説明”は僕の口から話させて下さい……!」


 「……! えぇ、確かにその方が宜しいですね」


 何かを察した魔王ベルファスが後ろに下がると、バルルーナ5世は、琴子に向かって静かに語り出した……。


 「琴子さん。 僕が、魔族である魔王ベルファスさんと同盟を結んだと言う事は、知って頂けましたよね?」


 「え、えぇ……。 その辺の話は、さっき聞きましたから……」


 〈バルルーナさん……。 何だか、哀しそうな顔を浮かべている……〉


 「……実は、その密かに行われた同盟の話が、何故だが”魔族抹殺連盟”の下にまで届いて仕舞い、その所為で魔族抹殺連盟が送り出した”刺客達”によって、僕達の王国が襲われる事となってしまったのです……」


 すると、その話を聞いた琴子は、ギョッとする……。


 「そ、そんな……!? ひ、酷いッ! まさか、その話をバラした”スパイ”が仲間内に居たって事なの!?」


 「僕も、とても信じたくありませんが、可能性としては”その線”しか有り得ませんよね……」


 すると、そのバルルーナ5世の話を聞いた琴子は、途端に怒りを(アラワにする。


 「ほんっと、仲間を裏切るなんてサイッテーな行為よねっ! まぁ、そもそも悪いのは”勝手な偏見”で魔族と、その魔族達と協力してる人を襲っている、他の種族達の方なんだけどねっ!」


 然し、その琴子の言葉を聞いたバルルーナ5世は、涙ぐみながら反論する。


 「で、でも琴子さんッ! これだけは分かって欲しいんだ……ッ! こ、今回の騒動は魔族も、人間達も、決して誰も悪くないんだ……ッ!」


 「ど、どう言う事……?」


 琴子は、首を傾げながら聞き返した。


 「先程も申した通り、人間達と他の種族は、魔族に対する”認識が間違ってる”だけだから、その認識さえ正してしまえば、もう争い事なんて無くなる筈なんですよ……ッ!」


 「魔族に対する認識の……間違い……?」


 「えぇ、そうなんですよッ! だから、きっと皆分かってくれる筈なんです……ッ! 話しさえ……話しさえ出来れば……必ず……ッ!!」


 バルルーナ5世は、琴子に向かいながら必死に叫ぶと、今にも泣き出しそうになっている……。


 〈バルルーナさん……。 確かに、話し合いで解決出来るならそれで良いんだけど……〉


 すると、その悲痛な叫びを上げているバルルーナ5世の事を、悔しそうな表情で眺めていた魔王ベルファスは、琴子に向かって話を続ける……。


 「……因みに言って置きますけど、この同盟は、”お互いの種族の総意”で決断した事なのです……」


 「お互いの種族の総意……」


 「そうです。 なので、バルルーナ王国の方々は、自分達の王国が襲われる”リスク”を承知の上で、他の種族等に対して魔族が悪い種族では無いと……。 そして自分達バルルーナ族も、他の種族達に対して”敵意は無い”と言う事を必死に訴え掛けているのですよ……」


 そして、そのベルファスの言葉を聞いたバルルーナ5世は、更に涙を瞳に滲ませる。


 「グスッ……。 本当は、最後まで……。 僕が王国に残って……。 うぅ……っ直接、魔族抹殺連盟に向かって”説得”したかったんですけどね……」


 「バルルーナ、サマァ……。 ナカナイデ……。 ウガウガ……」


 「有難うバーバル……。 だけど、王様である僕に向かって、数人の護衛を引き連れてこの王国から今直ぐにでも”逃げろ”と、父上から直接言われて仕舞いましたからね……」


 「ウゥ……。 ”ヨンセイサマ”ノ、イウコトハ、サカラエナイカラナ……。 ウガウガ……」


 すると、今まさにバルルーナ王国が襲撃を受けている事実を知った琴子は、慌てて聞き返した。


 「え、ちょっと待って! ……と言う事は、バルルーナさんのお父さん……”4世さん”は、今まさに襲われている王国に残っているの……っ!?」


 「えぇ、そうなんです……。 父上だけじゃなく、他の民達も無事だと良いのですが……」


 バルルーナ5世が心配そうな顔を浮かべていると、魔王ベルファスが話を続けた。


 「然し、4世様の咄嗟の判断は”正解”だったと思いますよ。 御蔭で、一旦ほとぼりが冷めるまでの間、現国王と数名の護衛をこの場に避難させる事が出来ましたからね。 どさくさに紛れて、現国王であるバルルーナ5世様が殺されて仕舞ったら、この異種族間での同盟が”大失敗”に終わって仕舞いますからね……」


 バルルーナ5世が、何故人目の付かない様な密林地帯に居たのかの理由を知った琴子は、俯きながら言葉を漏らす。


 「そうだったんですね……。 だから、国王であるバルルーナさんが、こんな密林地帯に身を潜めていたんだ……」


 〈そうか、”そう言う事”だったんだ……〉


 琴子は、バルルーナ5世達との”初遭遇”での出来事を改めて思い返していた……。


 〈もし、あの時、私がバルルーナさん達の下から逃げ切っちゃってたら、あのまま私は、誰かしらに助けを求めちゃってたと思う……〉


 〈でも、そんな事をしたら余計にバルルーナさん達の悪評が世界中に広まって、バルルーナさん達が悪い人達だと世界に認識されちゃう……〉


 〈だから、そんな”最悪なケース”を阻止する為に、バルルーナさん達は、逃げ出そうとする私に対して必死に追いかけて来てたんだ……!〉


 と、腑に落ちた様子の琴子は納得したと同時に、バルルーナ5世達の事を更に信頼して上げようと思った。


 〈うん。 私が、この異世界で出来る事は限られてるかも知れないけど……〉


 〈それでも、私が、この異世界にやって来た事の意味は、何か”絶対に有る”筈なのよ……!〉


 〈そうよ……っ! 私は、この世界から魔族に対する偏見を無くす為に、この世界にやって来たのかも知れない……っ!〉


 〈いえ、もし、仮にそうじゃなかったとしても、そんなの関係無い……っ!〉


 〈私は、このバルルーナさん達に、精一杯協力するって、心に決めたからね……!〉


 琴子は、そう心の中で強く決意すると、バルルーナ5世とベルファスに向かって話し出す。


 「私が、この世界に来るまでに……そんな大変な事が起きてたんですね……。 えっと、あのっ! わ、私……是非とも”貴方達の力”になりたいです……っ!」


 「琴子さん……! その御言葉本当ですか……っ!?」


 「オオ、コトコ! メッチャ、イイヒト! ウガウガ!」


 すると、その琴子の気持ちの籠った言葉を聞いた魔王ベルファスは、思わず感銘を受けた。


 「ふふっ、その、貴女の”本心の言葉”……。 私の胸に深く刻み込まれましたよ……。 貴女の力を借りれば、魔族と人間達の間に入っている”亀裂”を……ゆくゆくは埋める事が出来るのかも知れませんね……!」


 「……! で、出来るのかな……っ!? 私にも……この”世界を変える”事が……っ!」


 「えぇ……! 勿論出来ますとも……! 私達が共に協力し合う事によって、この世界を争いの無い素晴らしい世界に変えていきましょう……!」


 晴れやかな表情を浮かべている、バルルーナ5世と魔王ベルファスと琴子の三人は、互いに輪になりながら、両手で強く硬い握手を交わす……。


 すると魔王ベルファスは、チラリと琴子の服装を眺めながら考え込む……。


 「え〜っと、貴女の名は確か琴子さん……でしたよね? えっと、どうやら貴女は”その服装”を見るからに、此処とは違う世界から来られた方……ですよね?」


 「あ、はいっ! わ、私は地球の日本と言う名の国からやって来ました……! フ、フルネームは、”佐藤琴子”と申します……っ! ま、魔王様……! わ、私も精一杯頑張りますからね……っ!」


 「えぇ……! 宜しく頼みますよ琴子さん……! 違う世界から来たとは言え、この世界の人間達と同じ姿をしている貴女は、私達にとって”とても心強い助っ人”ですよ……!」


 「お、お褒めに預かり有り難う御座います……魔王さまっ!」


 魔王ベルファスから褒められた琴子は、ペコペコとしながら口元を緩める。


 〈きゃぁ~っ! イケメン魔王様から褒められちゃったぁ〜っ♡〉


 「ふふっ、それに魔王ではなく”ベルファス”と、気軽に呼んで頂いても構いませんからね?」


 「は、はいッ! ベルファス様っ!」


 かくして、琴子は人間族と魔族とバルルーナ族を結ぶ、唯一の存在になったのだった……。



【現在位置】

【楽園の密林】


【現在の日時】

【4月7日 14時19分 春】



【佐藤琴子】

【状態】:緊張

【装備】:眼鏡 学校の制服

【道具】:無し

【スキル】:無し

【思考】

1:ま、ベルファス様……カッコイイ〜!

2:い、いけない……いけない! 私には晋也がいるんだから……!

3:あーでも、ベルファス様……カッコイイなぁ〜。

【基本方針】:晋也を見付ける。この世界での魔族の偏見を正す。世界を平和に変える。

※魔族とバルルーナ族に対する警戒を解きました。

※この世界に魔族抹殺連盟が存在している事を認識しました。



【バルルーナ5世】

【状態】:決心

【装備】:英雄のマント 英雄の王冠 英雄の槍

【道具】:様々な効果の回復アイテム

【スキル】:バルルーナ王族の魂

【思考】

1:僕達が、この世界を争いの無い世界に変えて見せる……!

2:バルルーナ国民の皆さん……! 僕達が帰るまで、どうか……ご無事で!

3:この世界に、もし居らっしゃるのなら晋也さんも……どうかご無事で!

【基本方針】:争いの無い世界を創る。晋也を探す。

※琴子の彼氏である晋也の存在を認識しました。



【ナルル】

【状態】:不安

【装備】:騎士団長の帽子と服 断罪の槍

【道具】:様々な戦闘能力を上げるアイテム

【スキル】:騎士団長の誇り

【思考】

1:ホントニ、フガフガ、ダイジョウブナノカ……? ボルダホ……。

2:ニンゲン、フガフガ、ココロヒラクノカ? ボルダホ……。

3:マゾクモ、フガフガ、ジンジテイイノカ? ボルダホ……。

【基本方針】:仲間を死んでも守り抜く。魔族と人間に対して警戒する。琴子の事は信じたい。晋也を見付ける。

※琴子の彼氏である晋也の存在を認識しました。



【バーバル】

【状態】:安心

【装備】:応援団長のハチマキと服 白い軍手

【道具】:ホイッスル 様々な状態異常を付与するアイテム

【スキル】:大応援

【思考】

1:マオウサマガ、キテクレタカラ、モウアンシンダ!

2:ヨカッタ、ヨカッタ……!

3:ウガウガ!

【基本方針】:死なない様にする。琴子の為に晋也を探す。

※琴子の彼氏である晋也の存在を認識しました。



【アドムンハ】

【状態】:冷静

【装備】:特殊機密部隊隊長の戦闘服 サイレンサー銃

【道具】:弾薬1000発分 細い針1000本 太い針500本

【スキル】:絶対冷静

【思考】

1:まぁ、魔族に悪い奴は居ないと言う事は本当だし、それに魔王様が仲間になってくれるなら、此方の戦力は大幅に上がるな。

2:と、それより気になるのは、晋也と言う名の男の事だ。

3:それに、俺は琴子と言う人間の女は信じられねぇからな……。

【基本方針】:バルルーナ5世を守る。琴子を含めた人間の事を警戒する。

※琴子の彼氏である晋也の存在を認識しました。



【魔王ベルファス】

【状態】:安堵

【装備】:魔王の貴族服 

【道具】:自身の壮大な魔力で大体の物を”無”から生み出せる

【スキル】願いの犠牲【効果】:膨大な魔力が手に入る引き換えに、自身が死亡したその瞬間に、このスキルを”誰かに受け継がせる”か、自身を殺した相手の”願いを叶えるか”の何方かを選ばなくてはならない。

【思考】

1:矢張り、バルルーナ王……! 貴方の事は信じられる……!

2:琴子と言う名の、異世界から来た人間も、とても素晴らしい……!

3:早く人間達と仲良くなりたいものだな……!

【基本方針】:人間達と仲良くしたい。魔族と人間とその他の種族、全員が共存出来る世界を創る。

※バルルーナ5世と琴子の事を信頼しました。


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