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ブックマークや評価ありがとうございます。


以前誤字脱字の報告をしてくださった方ありがとうございました


これからもよろしくお願いします。

蝶のように変身したアイリスは再びアレクシス達が待つ部屋の前へとやってきた。

侍女に扉を開けられ入ってきたアイリスに、デザインを知らない、三人は息を飲んだ。一番固まっているのはやはり婚約者であるアレクシスだろう。

動くたびひらひらと動く裾とベルラインのフワッとした揺れが、蝶が飛んでいるように思わせる。ゆったりと歩いていたアイリスを儚く繊細な淑女へと思わせるような今回の一番の華、話題を呼ぶとは本人は思っていないだろうがデザインした二人からしてみればしてやったりであろう。

「アイリス、とっても綺麗だよ。顔色も良くなったみたいで良かった」

優しい手つきでアイリスの頬を撫で甘く微笑んだアレクシスは綺麗に軽くオールバックが整えられ少し爽やかさが増して近寄りがたい先ほどの彼と違う雰囲気に視線を泳がせながら薄っすらと微笑みを返した。

「お化粧でごまかしているだけですわ……アレクシス様もお着替えなさったのですね……」

男である、アレクシスとクラレンスは特に着飾ることもなく夜会用の衣装に替え、髪を整えるだけだ。

メアリーにはあれから大急ぎで、準備をした為、少し疲れているように見える。

「ああ、まあ、男はすぐ終わるけど、彼女は今さっき終わったばかりで疲れてるみたいだけどね」

アレクシスの視線を受けた先にメアリーが居て、クラレンスが寄り添うっている姿があった。

メアリーは、口元と腰あたりに手を置いている。

慣れないコルセットの締め付けに気分を悪くしているのだろうとアイリスは苦笑いを浮かべた。

元々メアリーはよく食べる。その為さらに苦しいのかもしれない。

「メアリーさん、夜会前とかはあまり食べない方が良いですよ」

「だって、お腹空くじゃないの」

「そうなんですけれど……コルセット付けると固くなりますからね。少々我慢ですよ。家に帰ってこっそりと、食べましょう?」

「えー?あーお腹なりそう……」

困り顔のアイリスはこればかりは慣れが必要だと首をすくめてみせた。そんなアイリスに、男性陣2人は手につけ掛けていた焼き菓子から手を離した。

チラリとクラレンスを見てアイリスはほくそ笑む。

「きっとフィッツロイ様が何か帰りの馬車で用意していらっしゃると思いますがどうでしょう?」

にこやかに微笑んだアイリスにクラレンスは背中に汗を流す。

「も、もちろんです。用意、してありますよ」

少しぎこちなく返答したクラレンスにメアリーは嬉しそうに笑った。

「本当!?じゃあ、夜会頑張るわね!」

内心クラレンスは穏やかではなかった。用意していなかったのだ。

初めて貴族の夜会に参加する彼女に気遣いが出来ないなんて一生の恥というような心情で床に膝立をつきたいとさえ思えた。

クラレンスからチラリと視線を受けたアレクシスは心得たとわずかに頷く。

自分もアイリスに何かお腹が満ちるものを用意しようかとアイリスを見た時、あるものがまだ渡せてないことに気がついた。

「アイリス、少しこっちに」

ゆっくりとした、動作でドレスの裾をなしながらやって来たアイリスのまえで、白い箱を開けた。

中には黄色い宝石。黄色は幸せをもたらせてくれる色でもある。

「イエローダイヤモンド……」

雫の形のイエローダイヤモンドがカッティングされておりそれダイヤモンドが囲うように作られてた首飾り。

「よく分かったね。そう、イエローダイヤモンド。宝石言葉は、永遠の愛でもあるし君にっておもってね」

「この宝石、希少価値が非常に高いものだと記憶して……」

「そうだね。でも、君にと思って…付けてくれるよね?」

「勿論です……ありがとうございます」

甘く笑ったアレクシスはアイリスに顔を近づけ、首飾りを付けた。

「あの、私……アレクシス様のネクタイピン……」

「ああ、それなら出来てるよ。バスケットに図案が入っていたから。一緒に作ってもらったんだ。これね」

内ポケットから出した先程の白い箱より小さい物をアイリスの手のひらに乗せた。

重さにしてそこまで重くなく、重さを感じないほどの軽さだった。

恐る恐る開けてみれば、アイリスが書いた図案通りのネクタイピンが鎮座していた。

シルバーを基調にした小さななルビーがワンポイントとなっているものだ。

「私にも付けてくれるかい?」

「ええ……勿論喜んで…」

アイリスは少し震える手で箱からネクタイピンを取り出しネクタイがずれてしまわないようにネクタイピンで留める。

これで2人が婚約しているという示しがついた。

首飾りとネクタイピンは既婚者か婚約者がいるものしかつけることができない。

この国では貴族の間ではお互いに婚約した後にその二つを送り合う風習があり、これらを付けているものはもうお相手がいるという目印になるのだ。

その風習に装着できるのは送られた婚約時など、送ららたものだけかという他国から誤解されることかある。

だが決して、そいうことはない。ドレスに合わせ他の装飾品とともに購入やデザインを依頼する。そのものが既婚者かはお得意様の貴族からもたらされるので誤って未婚の人々に販売はあまり聞かないのだ。

「貴族の風習はってそういうものなのね。私たちは指輪だから」

「勿論用意しているよ。この前一緒に見に行ったでしょう?」

「それはそうなのだけれどね。まだ実感沸かなくて…」

「まあ、そうだろうさ。さて、僕たちはこっちだ」

そう言ってアクセサリーボックスを開き、キラリと白銀にきらめいた細めのシンプルな指輪をメアリーの左薬指にスルリと嵌めた。

その様子にメアリーから嬉しさ満載という雰囲気というマイナスイオンが放出され見ていたアイリスも嬉しくなった。

そして、となりに鎮座していた同じシンプルなデザインのメアリーとは真逆の太めの指輪をメアリーが嵌めた。

左手の薬指に指輪も首飾りやネクタイピンも、単に他者からの目印というだけだ。他国だと未婚の者は左薬指に指輪をはめないのと同じだ。

「今回はこれで我慢してくれ、メアリー、来週首飾りを贈る。今日は主役があるからね?」

「あら、私はこれだけで十分よ」

クラレンスはアイリス達をちらりと見ながら言うがメアリーは嵌められたシルバーの指輪に嬉しそうに眺めていた。

「メアリー、それは貴女方(いっぱんみん)の風習で、私達(きぞく)の風習もあるから……」

どうやら、メアリーは結婚するクラレンスの身分をすぐ忘れるようだ、

「そうだった。今私ネックレスしてないんだったわ……」

首元に手をやったメアリーは首に何も付けていないことに気がつきクラレンスを見やった。

ずっと傍観しているアレクシスはプルプル震えていて笑いを抑えきれていなかった。

「わはっ!我慢できない!君たち見てて飽きないよ!」

「お前に言われたくないわ!ボケ!」

瞬時にアレクシスの間を詰めたクラレンスは頭を叩く。

男性陣のやりとりに女性陣は笑いを堪えるため普段使わない腹筋を使い呼吸とお腹が苦しくなるのだった。

今日9/22の昼間に誤字報告65件ありがとうございました一度に大量報告ありがとうございます!

あの……クラレンスはどの爵位の家か忘れちゃいました。というより書いたかな………?

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