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昨夜も投稿しているのでそちらから

クラレンスの声だけが部屋の中に響いてよく聞こえる。

「500年前表向きは新しい時代、新国王のために、国名を変える約1000年の歴史を一旦幕引き、エレアルトード国からヴァーエレットとして、名残を残した状態で新しい国名の下が始まり、国民は歓喜に沸いた」

アレクシスとメアリーはそのことに頷いた。歴史を詳しく習っていない庶民でも、一般常識として、親から子へ教えられる。

深く知りたければ本を読む、ぐらいのことでしかない。

「旧王家と新王家の入れ替わりの際、問題生じたヴァーエレット家は存在した。それが今の レンフォード家だ」

己のレンフォード家の家名が挙げられるとは思っておらず、目を見開いた。

「お前が知っている通り、レンフォード家の歴史は約500年。それはそれで正しいんだ。当時の新王家の分家で、令状が一般民の騎士と婚姻した家の名前だった。勿論爵位は持っていなかった。ヴァーエレット家が王族として名乗る事になった際に当時持っていた爵位を譲った時にレンフォードという家名を与えた。まあ、貴族の血は流れていたから問題もなく、公爵家の社会のみを与えるだけだから最初は形見が狭かっただろうが今や名門貴族まで上り詰めた」

教わってきた歴史が正しいが、真に正しく無かったことに動揺を隠せないアレクシスはグッと紅茶を飲み干した。

「なるほど、いくら歴史を探ってもそこから先のレンフォード家歴史が曖昧だったりなかったりするのか」その空になったカップにクラレンスが慣れた手つきで注ぐ。

「そして、エレアルトード王家はエアルドレットと名乗り、伯爵家として生きていくことを決めた。貴族なのは元とはいえ罪を犯していないのだから庶民に落とすわけにもいかないし、ヴァーエレット家がそれを阻止したからだ」

「クラレンス、何故エレアルトード王家は王権を譲ったの?」

その質問にグッと眉を寄せた。メアリーは聞いてはいけなかったのかとオロオロと周りを見渡し唇に指を少し重ねた。

「王族の重圧に耐えられなくなったんだ。外国、貴族達との謁見やお茶会、様々なところで精神をすり減らし、限界に達した。それで長く使えてくれていたヴァーエレット家の子息を迎え入れた」

「大昔は王族のプライベートは全て家臣の目が届くところでしか無かった。会ってないもの。疲れ果てるのは無理はないよ」

「だから、現在のエアルドレット家はこの件がバレてしまうと旧王家は国民を見捨てたと言われかねないんだ」

初めは納得がいった。大昔の王族にはプライベートなどありはしないと書物で読んだ記憶があったメアリーは納得できた。おかげで紛争が起きずに今まで500年もこの国は過ごせている。感謝さえ覚える。そして、今もなお王族支え、国民を守る立場に身を置いてくれているエアルドレット伯爵家にだ。

最後のクラレンスの言葉に理不尽だとさえおぼえた。

「今も王族を守り国境近くを守ってもらっているのに、何故責任問題になるの?見捨ててないじゃない。内戦が起きないようにしてくれてたじゃない」

メアリーの率直な疑問に頷く。クラレンスも真実の話を受けたアレクシスも責任問題に今後する気も一族としてもいい思っていない。

ただ、そうは思わない家もある。

「今の王族の方がプライベートはしっかりしてるしお気楽とまではいかないけど自由を持っている。それらを持っていなかった旧王家を攻めようとは真実を知る一族は思いませんが知らぬものや知っていながらも旧王族を悪く思うものは責任問題にして、吊るしあげようとするでしょう」

「一番厄介で、その自体になった時一番嬉々として声を上げるのが、あの家だな」

「また、あの家?ほんと嫌になる。アイリス達はきちんとしてるじゃない。完全に国を捨てたわけじゃないのに」

完全に国を捨てたならことが大きくならないように政権交代などしない。そもそも貴族という立場さえ捨てるだろう。王族という重みが消え去ったのに重みを分けあたえられあ支える事はしない。

「あの家はこの事はかつて走っていましたが、今の前当主からエアルドレット伯爵家を秘密守るべき立場から裏切り、吊るしあげようとしているのだから」

グッと拳を握り親の仇のようにティーカップを睨む。

「なるほど、だからあの家…フィッツモーリス伯爵家は必要に狙うのか、旧王家が王族をやめたのは僕たちの先祖たる貴族達なのにね。エアルドレット伯爵家は悪くないし、今もよくやってくれてる」

エアルドレット伯爵家は宰相、騎士団長、など文武で様々な功績を挙げている優秀な家。

現王妃に限らず歴代の何人もの王妃達の生家である。

血を合わせることで万が一に備えているかもしれないが候補から降りずに止まり、王妃の座に着く。とてもではないが並大抵のことじゃない。

「本当にそう思う。騎士団に入ってくれている。それだけでどれだけ今の王族の支えになっているか」

「私は頭カチカチのバカだと思えばいいのね、そんな人がいれば」

「ええ、構いません。アレクシス、詳しくは公爵に聞いてくれよ」

「ああ、それとそんな奴らからアイリスを守ればいい?」

「頼んだよ」

グッと眉間にしわを寄せながらも、口元を緩めた彼は息をそっと吐いてたまに溜め込んだ重みから抜け出せた気分だった。

グダグダで、申し訳ありません

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