95話 ハンバーグ
「疲れた。戦うときより疲れた気がする」
トボトボと歩き、食堂に向かう。
「あの女、後で殺さないと・・・」
「殺さなくていい。せめてボコボコにするだけにしてくれ」
「・・・ユウヒ君。いくら何でも優しすぎるよ?」
「あのなぁー。ここで殺人を犯したら、騒ぎになるだろ。そうなるともう旅何て出来なくなるぞ」
「っう」
「分かったなら、殺さないようにな」
「はぁ~い」
あまり納得をしてないが、こうやって定期的に、くぎを刺しておかないといつか殺しそうだからな。
それにしても遠い。食堂が職員宿舎と同じ場所だから、時間がかかる。
「やっと着いた」
「本当に遠いね」
もう少し、近くに作って欲しかった。
「おぉ、ユウヒくんとアリアナくんじゃないか。これからご飯かね」
後ろから校長先生の声が聞こえた。
「あぁ、俺達もご飯ですよ。ところで、食堂のメニューで一番安いのは何ですか?」
「ハハハ、なに、食堂はタダじゃよ。無論、タダなのは職員だけじゃが」
「それ、生徒の前で言わない方がいいと思うが」
「そうじゃの。言ったら何て言わるか、考えただけでも恐ろしいのぅ。それより中に入ったらどうかね?」
「そうします」
食堂のドアを開け中に入る。
「あ~、周りは椅子とテーブル、そして左側は厨房か」
「ユウヒ君は食堂始めて?」
「俺が行っていた学校は、食堂何てないからな」
「ホウ、ユウヒくんもこういう学ぶところに、行かれていたのかね」
「そりゃあ、行ってましたよ。最も戦いを学ぶ場所じゃなかったけどね」
「なるほどなるほど」
何がなるほど何だろう。
厨房の方に行き、メニューを選ぶ。
「メニューは上に書いてるのか。何にしようかな」
と、言っているが。正直メニューを見ても分からない。これなら自分で作った方がいい。
「ユウヒ君。あれでいいんじゃない?」
アリアナが指を指したメニューを見る。
「なになに、自分で作る。そのまんまじゃないか!」
「でも、これならいいんじゃない?」
「そうだな、早速作るか」
「自分で作るのかね、ユウヒくん」
「あぁ、たまには自分で作らないと、腕が落ちるかな」
「そうかそうか。では、ワシは注文したものができる、までここまで待つとするかのぅ」
校長はその場で待つ、厨房の中に入れる場所はないか、探すと給食のおばさんがっと言えばいいのか、その人が左からは入れると教えてくれた。
厨房の左から入り、自分で作る。と、書いてあるスペースがあった。
「調理器具は大体揃ってるな、あ、調味料は全然だな」
やっぱり、中世みたいなところだから、調味料が少ないな。
「今日は何を作るか、調味料が少ないから、簡単なものしか作れないな」
食材も探してみたが、玉ねぎやニンジン、キャベツやジャガイモ、くらいしかない。自前はオークの肉しかないから、カツかハンバークだが。ハンバークって牛肉と豚肉を使った食べもだが、別に豚肉だけでもいいか。台所に調味料と調理器具を揃える。
「よし、アリアナ。オークの肉を出してくれ、腹の部分な」
アリアナは、オークの肉を出して俺に渡す。
先ずは、まな板の上にオークの肉を置いて、そこから使いたい大きさに切る。余ったものはアリアナに返す。
アリアナはオークの肉受け取って、空間にしまう。
一応浄化魔法で綺麗にする。そして包丁でミンチする。終わったらボウルに―――ボウルがない。なら氷魔法で作って、その中にミンチした肉を入れる。一度まな板と包丁を綺麗にして、玉ねぎをみじん切りにする。終わったらボウルに入れる。
これで、ボウルに肉と玉ねぎが入ってる状態になった。その中に塩コショウをお好みで入れて、卵1個いれて牛乳を木のスプーンで大体大さじ4杯入れる。―――あれ? 牛乳があるなら牛もいるよな? いいや、次はパン粉だが、パン粉自体がないから硬い黒パンを風魔法粉々にして、木のスプーンで大さじ4杯入れる。余ったものは氷で小瓶を作ってその中に入れるか。
氷魔法で小瓶を作り、制御魔法で温度などを固定する。出来たら小瓶に残ったパン粉をいれて、アリアナの空間に入れてもらう。手を綺麗にして、ボウルの中に入っているものを混ぜる
「・・・ユウヒ君。食べ物で遊んじゃいけないよ」
「別に遊んではないんだよ。こうやって、全体を混ぜてハンバーグのタネを作るんだ」
「はんばーぐ?」
「ここでは、ハンバーグはないのか」
良く混ざったら、4等分に分ける。ちょっと多いような気がするが、別に平気だろう。分けたら1つづつ、大体丸い形を作りながら空気を抜く。出来たら真ん中にくぼみを作り、バットに―――っバットがないから作って、その上に置く。これを3回やる。
残りの3個のタネを作り、バットに上に置く。
後は焼くだけだな。
手を綺麗にし、コンロの上にフライパンを乗せてっと。あ、これも魔道具かなら魔力を流して。良しついた。フライパンに油を入れて熱くなるまで待つ。
その間、キャベツでも切ろうかなっと思ったが、パチンっと音が鳴った。
熱くなったら、一度弱火にしてハンバーグをそっと並べる。少しつめて3個しか入らないか。ならこのまま2つで焼くか。片面が焼けるまで待つ。片面が焼けるまで、2人分の千切りキャベツを作る。
ハンバーグの片面がいい感じに焦げていたら、ひっくり返す。薄いヘラがないので作って、ひっくり返す。その後は蓋をするだが、蓋がないので蓋も作る。蓋をしてそのまま待つ。
何かスープが欲しいけど、周りに何かないかな。お、オニオンスープがあるじゃん。これを貰っていこう。後は皿だが、大きな皿とスープを入れる皿もあった。大きな皿を持って、台所に戻る。
「そろそろ、いいかな」
蓋を開けると、ハンバーグは全体的に焼きていた。ちゃんと焼けているか、氷の針作りハンバーグに刺す。すると、ハンバーグから肉汁が出てきた。
2つとも、問題なく出来てるな。出来たハンバーグを大きい皿に移して、千切りにしたキャベツも置く。そして起こりのハンバークも焼く。
全ての調理が終わり、トレーの上に皿を乗っける。使ったものは浄化魔法で綺麗にして、元の場所に戻す。
「スプーンは持った、後は箸はないよな。仕方が後でない作るか」
「ユウヒ君。早くいこ~」
「そうだな」
トレーを持って、厨房から出て開いている席に座る。アリアナは俺の左側に座る。
「箸を作って。いただきます」
「いただきま~す」
自分で作ったハンバーグを食べる。
「美味しいけど、なーんかもの足りないな。やっぱり牛肉もないと駄目だな」
「そう? 普通に美味しいけど」
「お前の場合、俺が作ったものなら何でも、美味しいと言うだろ。不味く作っても美味しいって言いそうだな」
「流石に言わないよ」
だといいがな。それにしても、米じゃなくパンだと何かあれだな。丸パンがあったら、ハンバーガーにしていたが。肝心のトマトケチャップがない。
「―――――随分と珍しい食べ物を食べていますね」
「うぐっ!」
急に後ろから声をかけられて、食べていたものが喉に詰まる。急いでコップを取り、水を一気に飲み干して、後ろを振り向く。
「―――プハッ! 気配を消していきなり声をかけるな!」
「それは失礼しました。何分癖になっているので、ついつい発動させてしまうのです」
死ぬかと思った。いや、死なないけど。
「隣、よろしいでしょうか?」
「・・・どうぞ」
「失礼します」
アレクシスさんは、俺の右側の席に座る。
「その、ユウヒ様が使っているのは何ですか?」
座って、いきなり質問ですか。
「これは箸って言って、こうやってものを掴むものだ」
箸でハンバーグを切って、切り分けたものを箸で掴み、それを自分の口に運び食べる。
「変わった食器ですね」
「そうか? 俺はそうは思わないが」
この人何故、必要以上に接してくるんだろう。まさか、俺が持っている加護を知りたいのか!?
「ところで、今日の訓練はどうでした?」
「あー、まぁ生徒が想像以上に弱かった。ただそれだけだな。多分レベルは100ぐらいだろ。それじゃあ駄目だな、帝国から出たら、自分以上に強い魔物なんてゴロゴロいる。あのまま、依頼を受けてそのまま帰らぬ人になりそうだ」
「つまり、もっとレベルを上げる必要があると」
「それも必要だが、戦闘経験が大切だ。あいつらには戦闘経験が足りてない。一度他の冒険者と話し合った方がいいんじゃないのか?」
「なるほど」
なーんて言っているが、俺も全然戦闘経験が足りてないんだよな! 何で偉そうに言っているんだよ俺は!!
「一度他の冒険者と話し合うのは、いいかもしれません。貴重な意見ありがとうございます」
「ごく普通の意見だけどな」
どうやら俺の加護を、調べているわけじゃないようだな。疑ってすみません。
「ユウヒ様。この紙を渡しておきます。5-Aの時間割表です」
アレクシスさんは、俺に紙を渡す。
「こういうのは、早く欲しかったぜ」
「申し訳ありません。渡すのが遅くなりまして」
時間割表は後で見るか。
その後は他愛ない話をして、ご飯が食べを終わりトレーを持って、返却の所に置く。
「次からは端っこの席に座らないと」
「アリアナ。それをやっても、正面席にアレクシスさんが座るだけだぞ」
トレーを返却した後、宿舎に戻る。




