82話 魔殺事件
「ヒャハハハ! 久しぶりの若いおんっ―――」
何か言いそうだったけど。どう見ても盗賊なので氷の剣を作り、盗賊の首を刎ねる。
「てめぇ! よくもケリィさんをこっ―――」
横にいた盗賊も首を刎ねる。
「ハッ! 情けない男どもね! 死ねぇ!」
「お前がな」
同じように首を刎ねる。
「普通に女性もいるじゃないか。残りも始末しないと」
それにしても、人を殺しても思わないのか俺は? これで俺も人殺しの仲間入りだな。
「もう終わったよ~」
早い。仕事が早くないか?
「はい麻袋とスカーフ」
アリアナから、麻袋が7つと黒いスカーフが7枚を受け取る。
「何でスカーフも?」
「コイツら腕にスカーフを巻いていたから。何か意味があると思って」
受け取った黒いスカーフを見ると、赤い糸で鳥の絵が描かれていた。
「鳥? 何の鳥だ?」
「この絵は多分・・・フェニックスかな? 実際のフェニックスとは違うけど、多分フェニックスだよ」
「フェニックス? フェニックスって、存在するのか?」
「するよ。実際に見た事あるしね」
戦う事があったら、相手せずに逃げたいものだ。
残りの死体からも、金が入った麻袋と黒いスカーフを回収する。麻袋に入っている金を全部出して、銅貨と銀貨を分ける。
「銅貨が101枚と、銀貨が3枚。持っているな」
空間から別々に入ってる2つの麻袋を出して、それぞれ別々に袋に入れて空間にしまう。黒いスカーフは合計で10枚だった。その9枚を束ねて残った1枚で結べば、空間に入れたとき1束扱いになると思い。空間に入れてみたが、どうやら1束と認識しているようだ。
「後は死体だけだが」
「もう埋めたよ」
「早いな。深く埋めたか? 最悪ゾンビになって蘇るからな」
「ちゃんと深くまで埋めたよ」
「それなら平気だな。じゃあ先に進むか」
ヴェロニク帝国に向けて、移動を再開する。道沿いに行けばいつか着くだろう。
「そうだ不老不死って、腕とか足を斬られても再生するのか?」
「しないよ。斬られた部分が残っているなら、くっつけて回復魔法で治すか。斬られた部分がないなら、上級か特級またはエリクサーを飲むか、かけるしかないね」
なるほど再生はしないのか。本とかはでは再生するって書いあったりするが、実際存在してないから分からないよな。
「それに斬ったところから再生しちゃうと。斬り落としたところからも再生しちゃうからね」
「再生が欲しかったら、スキルの書を手に入れるしかないな」
「そうだね」
歩いていると門が見えてきたが、辺りは夕暮れ時になっていた。
「やっと着いたか、時間がかかったな」
「いや大分早く着いた方だよ。馬車でも2日くらいはかかるからね」
2日か。修羅の森の橋より長いのか。
「それって、馬が普通に歩いてか?」
「そうだよ」
つまり普通に歩いている馬より早いのかよ。いやそれは普通なのか? 絶対に違うよな。
門に近づき門番に住民票か冒険者ギルドカードか商人ギルドカードを、見せてほしいと言われた。素直に冒険者ギルドカードを見せると。何故か「水晶に触れてくれ」と言われた。別に犯罪は犯してないような気がするが―――、盗賊を殺したから、捕まるな。素直に水晶に触れよう。
「―――2人とも問題なしっと。すまね、冒険者ギルドカードを見せてもらったのに。犯罪がないか調べさせちゃって」
あれ盗賊を殺したけど、それは犯罪にならないんですか?
「いえ別に構いませんが。何かあったのですか?」
「あぁここ最近帝国で連続魔殺事件が起きてな。高ランクの冒険者も何人も殺されているんだ」
魔殺事件って何? 初めて聞く言葉なんだけど。
「すみません。その、今まで森で暮らしていたので、魔殺事件って言うのは何ですか?」
「魔殺事件っつぅのは、魔法による殺害方法だぜ嬢ちゃん」
もう1人の門番に教えてくれたが。誰が嬢ちゃんだ。
「それと。その冒険者ギルドカードは、早めに交換した方がいいぜ」
「え、最近作ったばっかりのですが。何か変わったのですか?」
「冒険者ギルドと商人ギルドの方で、特殊な魔道具が導入してな。これを機にギルドカードも新しくされたんだ」
ギルドカードを作って、まだ1カ月も立ってないのに。新しいカードにしないといけないのか。あ、そうだちょっと聞きたいことがあったんだ。
「1つ聞きたいのですが、この黒いスカーフを知っていますか?」
俺は空間から1束になっているスカーフを、門番に渡す。
「解いてもいいか?」
「どうぞ」
門番は束になっているスカーフを解くと、顔色を変えて驚いている。
「・・・おいこれ」
「間違いねぇ『不死鳥の盗賊団』じゃないか!」
「何ですか? その不死鳥の盗賊団って言うのは?」
「知らないのかよ! いや、森で暮らしていたから知らないのか」
有名な盗賊団なのか?
「不死鳥の盗賊団っつぅのは、昔からある盗賊団なのだが。その盗賊団は潰しても潰しても、不死鳥のごとく蘇る盗賊団だ」
それは面倒だな、下手すると貴族とかと繋がっている場合もあるな。
「10枚のスカーフだけか?」
「そうですが」
「死体とかはどうした?」
「彼女が埋めてくれました」
「そうか。できれば今度見つけたら捕まえて欲しい」
「善処します」
あらかた話が終わり中に入れてもらえた。
「すっげー賑わってる。ラストタウンより賑わってるな」
「そりゃあ人族の中でも、一番でかい都市だからね」
「あの大きな建物が城だな。何で真ん中何だ?」
「場所が場所だから、真ん中に建てるしかなかったんじゃない?」
「そんなものなのか? とりあえず宿探すか」
「そうだね」




