70話 これはちょっと
上から落ちてくる氷柱を全部避ける。アイスプリンセスの攻撃は止まる。
強い。ステイタスだけで見ると、俺の方が強いが戦闘経験不足が目立つ。相手はステイタスが低いが、俺よりも戦闘経験がある。
「よく見たらあの武器レイピアか、通りで連続攻撃が出来るわけだ」
っと。言っていたらアイスプリンセスが、右手に持っているレイピアを地面刺す。するとレイピアを刺したところから氷が出てきて、その氷が俺に襲う。
「そんな使い方アリかよ!」
俺は左手を前に出して手の平から火を出し、氷と火がぶつかる。最初は互角だったが、ステイタスの部分に関係があったのか、少しづつ火が押していく。
「このまま、一気に燃やしてやるっ!」
魔力を流し火の威力と速度を上げて、アイスプリンセスに火をぶつける。アイスプリンセスは火に完全に当たり、燃えていく。完全に燃えたか分からないが、俺は左手を下ろす。
「!?」
いつの間にか距離を詰められ、アイスプリンセスは2本のレイピアを構える。攻撃の態勢に入ったと思ったら、両肩から腕が生えた。両肩から生えた腕で、俺の首を絞めようとする。
「うあぁ! 急に綺麗な腕が生えた!」
こんな状態で何言ってるんだ、俺は!? ってあれ?
その言葉を聞いたのか。急にアイスプリンセスの動きが、ピタリと止まる。
何で止まってるんだ!? でも、好機!
「褒められて、動きを止めるな!」
右手に持っている火に剣で、アイスプリンセスの首を刎ねる。刎ねられた、アイスプリンセスはそのまま消滅し、宝箱が出てくる。
「つ、疲れた~」
俺はそのまま後ろに座り込む。
強かった。あのまま動きが止まっていなかったら、確実に死んでいたな。
さて切り替えていこう。目の前に先ほど殺した、アイスプリンセスが落とした宝箱がある。鑑定して、罠がないか確かめる。結果特に罠はなかった。宝箱を開けて手を入れて、物を掴んで引き出してみる。
えっとこれはちょっと・・・。先ずは鑑定だ。
≪空色のヴェール≫
まるで結婚式とかで使うようなヴェール。男子も装着できるが壊滅的に似合わない。
効果は魔力自動回復。
魔力自動回復が付いているだと。これを着けていれば、魔力切れを起こさずに済むのか。でもこれはなぁ・・・。魔力自動回復は魅力的だが、これを装着する度胸はない。あ、宝箱が沈んでる。しかしこれショートよりも短いのか? それにカチューシャみたいに簡単に装着できるな。
「お~い、ユウヒく~ん」
前からアリアナが来た。
「先ずはおめでとうユウヒ君。初の階層主を殺した感想は?」
「死ぬかと思った。あれは俺が戦っていいような相手じゃない」
「本来はそうだね。それが宝箱に入っていたもの?」
手に持っているヴェールを、アリアナに渡す。
「へぇ~ヴェールねぇ。・・・ユウヒ君ちょっと後ろ向いて」
嫌な予感がするが、言われて通りに後ろを向く。
「大体ここかな、・・・よしこっち向いて」
俺はアリアナの方に向く。
「・・・よし! ユウヒ君結婚しよ!」
「丁重にお断りします」
アリアナの顔が、ガーンッって顔をしている。
「ヴェールの位置は、大体耳のところか。布の部分は大体首辺りか」
「後はドレスとティアラがあれば・・・」
「いやドレスとか絶対に着たくないけど」
「なんで!? きっと似合うよ!」
「手に入れても絶対に着ない。そんなの着たらもう男性じゃないだろ。そもそも男性がドレスを着ることは出来ないだろう」
「そうだけど。・・・こうなったら創るしかないね」
「創るな。創っても着ないし、着た所で気持ち悪いだろ。それより早く移動したいのだが」
俺がそう言うとアリアナは落ち込む。落ち込むアリアナを無視て先に進んだら、アリアナはすぐに俺の横に来る。そのまま前に進む。
「ここか? 階段はないけどここでいいのか?」
「ここでいいんだよ。入ったらすぐに休憩所だよ」
開いている扉をくぐり中に入る。
「中は明るいな、それに真ん中の台座にクリスタル? が置いてある」
「それに触れるとね、すぐにダンジョンから出れるよ」
触れるとすぐに出れるのか。まぁ俺達は転移魔法があるから、それで帰れるけど。
「先ずは休憩するか。流石に疲れた・・・」
「りょ~かい」




