69話 のっぺらぼうだ!
遠くに人が立っているが。それが魔物なのか人族、あるいは違う種族なのか分からなかった。
「近づけば分かるかな?」
「・・・何か私が知っている魔物じゃないんだけど」
「そうかのか? 本来ここの魔物は何が出てくるんだ?」
「確かスライムエンペラーだったよ。あんな人型じゃなかったよ」
アリアナは見た事が無いと言う。詳しく聞きたいが、向こうは走ってこっちに来ようとしている。
「気のせいか? 向こうからこっちに来てないか?」
「気のせいじゃないよ。完全にこっちに来てるよ」
向こうから来てくれるのはいいが、あれが魔物だったら逃げ場がなくなる。ならこっちも歩いてそっちに行こう。
歩きながらどうにか相手のステイタスを、見ることができないか。鑑定を使いながら歩く。
「鑑定するにも、距離が関係するのか」
「鑑定のレベルが上がれば距離も伸びるよ。後は違う使い方をすると距離が延びるよ」
「気になるけど、話を聞いてる場合じゃないよな」
レベルを上げると鑑定の距離が増えたり、情報が増えたりするのだろうか? それにしても、かなり距離があるな。ここまで距離があると歩くのが嫌になる。車とかバイクがあれば楽に進めるだろうけど、そんなもの造れないし自転車も造れない。走れば着くだろうけど、今は前に魔物? がいるから走って近づこうとしたくない。
「アイツも大変だろうな」
「魔物だからどうでもいいと思うけど」
同情する気もないとか辛辣なことを言うな。
相手にずっと鑑定をしていたことで、ようやく相手のステイタスが見れた。
〈名前〉 アイスプリンセス
〈種族〉 魔物
〈年齢〉 ?
〈性別〉 雌
〈状態〉 普通
〈レベル〉5342
〈体力〉 5163/5163
〈魔力〉 7217/7217
〈攻撃力〉5517
〈防御力〉3548
〈魔攻〉 6238
〈魔坊〉 6197
〈俊敏〉 7324
〈運〉 30
〈スキル〉
氷耐性8/10 氷魔法7/10 魔力操作6/10 剣術6/10 体術4/10
〈特殊スキル〉
限界突破
〈固有スキル〉
なし
〈加護〉
なし
「デススライムより強いじゃん」
スキルレベルも高い。氷耐性に関してはレベル8までいってる。
「これ勝てるのか? 無理な気がしてきたのだが」
「勝てるでしょ。それにしてもやっぱりスライムエンペラーじゃないんだ・・・。何でかな?」
「弱いからクビにされたんじゃないのか?」
「多分そうかっ―――右に避けて!」
いきなり右に避けてって言われたので、すぐに右に避けると。前から氷柱が飛んできて、俺がいた場所に通り過ぎる。
「相手はもう射程距離内ってことか」
俺は右手に火魔法で剣を作り、構える。
アリアナはもうどっかに行ってるし、後戻りは出来ないだろう。
そう思っていたら。また前から氷柱が飛んできたが、氷柱を右手に持っている火の剣で撃ち落とす。
まだ遠くにいるから、攻撃出来ないな。
氷柱が飛んでくる。きっと向こうは氷柱しか、攻撃出来ないから他の攻撃が来ない。現に今も氷柱が飛んでくる。実は手加減されているのではないのか?
と思ったら。氷柱から氷の粒に変わり、一気に量が増える。だがやることは変わらず、飛んでくる氷の粒を撃ち落とすが。さばききれずに腕や足、顔に当たる。当たっても致命傷ではなく、かすりヒットみたいなものだ。
これじゃあ、服がボロボロになるだろ。
折角貰った服を、ボロボロにしたらメアリーさんに怒られる。そんなことを考えながら、氷の粒を撃ち落としていたら、急に氷の粒が飛んで来なくなった。殺しきれないと分かったのか、違う攻撃のしかたをすると思って構えていたら。
「ん? 急に暗く―――って違う! 上か!」
俺の上から両手に剣を持って、ばってんの形になるように剣を構えていて、そのまま俺に振り下ろす。
「なんの!」
俺は右手に持っている火の剣を横に構えて、アイスプリンセスの攻撃を受け止める。
「―――こいつ顔が!」
攻撃を受け止めまま、アイスプリンセスを後ろに吹き飛ばす。アイスプリンセスは、後ろに吹き飛ばされながらも、氷の粒で俺に攻撃をしてくる。氷の粒を撃ち落すと、アイスプリンセスは地面に着地して、武器を構える。
「のののの、のっぺらぼうだ!」
あのアイスプリンセスの顔のっぺらぼうじゃないか! こっわマジで怖い! ってそんなこと考えている暇はない、武器をかまっ―――!
アイスプリンセスが先に動き、一気に俺に所まで来て。両手に持っている剣で、連続で斬ってくる。
ギリギリで避けれるが、攻撃できる隙がない! くっそ、これが剣術スキルレベル6か!
う~ん、ユウヒ君にはちょっと分が悪いかな?
私は遠くで、鷹の目を使いがらユウヒ君を見る。
今まで戦った中でここまで強い人型の魔物って、戦ったことないから勝てるか心配だな~。死にそうになったら、すぐに助けに行くけどね。それにしても、アイスプリンセスって一体誰が、生み出したんだろう? 気が向いたら調べてみよっと。
アイスプリンセスは、長いから「アイス」に省略して後ろに下がった。それと同時に、ユウヒ君の上から大量の氷柱が落ちてきた。
だだだだ、大丈夫よね。死なないよね!? 助けた方がいいかな!?
ユウヒの危機的な状態を見て。慌てているアリアナであった。




