66話 そこの2人
強制的に修羅のダンジョンに、行くことになったので。ダンジョンの常識を知る必要がある。歩きながらアリアナに教えてもらおう。
「なぁアリアナ。ダンジョンの常識を知りたいんだが」
「ダンジョンの常識? 今回行くダンジョンは入ったらランダム構成になっているから、マッピングスキルは必須だね。それと魔物は解体しなくてもランダムで素材が落ちるね」
なるほど。ゲームをやっているからその部分は分かる、だが何で魔物は解体しなくても素材が手に入るんだ? ・・・考えても意味がないよな何せダンジョンだし。
「次は階層だけど、これはダンジョンによって違うね。最低階層は2階層で、最高階層は100階層だね」
「因みに俺達が行く、修羅のダンジョンは何階層だ?」
「100階層」
「最高階層じゃねぇか!」
初心者が絶対に行ってはいけない場所に、行かせようとしてるよこの人!
「大丈夫だよユウヒ君、私がサポートするから」
「本当に大丈夫かよ・・・」
もうこの先いつ死んでもおかしくない状況だよ。
「そうだ。ダンジョンって長期戦みたいなもんだろ、食料どうしよう」
「お腹空いたらダンジョン内で食料調達するか、一旦帰るかだね」
「そっか、俺達は転移魔法で帰ればいいのか」
これは他の冒険者と違って、俺には転移魔法があるから。危険になったら転移すればいいのか。
「後はっ―――魔物が来るよ」
見つけるの早いな、索敵魔法でも使っているのか? 俺の気配察知じゃ、限度あるから仕方がないけど。
「来るって言っても、戦える気がしないんだけど」
「私が強化魔法で強化するから、普通に戦えるよ」
アリアナは俺に強化魔法で強化してもらった。一体どれだけ強化されたのか分からないが、これなら戦える気がした。
「前から来るよ」
アリアナが言った通りに、前から魔物ホーンラビット5匹こっちに来た。氷魔法弓と矢を作り、狙いをつけて放つ。矢を3本放って、ホーンラビット3匹仕留めることが出来た。残りの2匹はそのまま俺に角を向けて突進してくるが、それを避けて氷の弓から氷の剣に変えて、後ろに行ったホーンラビット2匹の所に行って首を切る。
「何か余裕で勝てたけど。一体どれだけ強化したんだ?」
ホーンラビット達の死体を手に持って、アリアナに聞く。
「ユウヒ君の攻撃力から俊敏までを、30倍にして強化したけど?」
「30倍!?」
攻撃力から俊敏までを30倍強化って、普通無理だろ!?
「何か驚いてるね。大丈夫?」
「そりゃあ驚くだろ! 30倍強化って化物か!」
「化物はと酷な~、別に普通だと思うけどなぁ~」
普通じゃないどう考えても普通じゃない、ゲームでもそこまで強化出来ないぞ!
「こ、効果時間は? 効果時間はどれくらいなんだ?」
「大体3日くらいかな」
チート。迷うことなくチートだ。
「これだけ強化されて大体3日持つとか、もうチートだよ」
「これくらいユウヒ君だって出来るよ」
・・・それはちょっと期待していいのか?
「ホーンラビットの解体は、ダンジョン内の休憩場で解体をしようね」
俺は手に持っているホーンラビットの死体を、アリアナに渡す。アリナア受けった死体を空間の中にしまう。
「ダンジョンに休憩所があるんだ」
「大体ダンジョンの中間まで行くと、休憩所があるけど。今回行く修羅のダンジョンは、地下5階層に休憩所、地下10階層に休憩所などあるよ」
「そうなのか。ならその時に解体をするか」
移動を再開して修羅のダンジョンに向かう。
「そろそろ修羅のダンジョンの入口に着くよ」
「着くのかー。着いちゃうのかー・・・」
がっくりと肩を落とす。
「そこまで落ち込む?」
「そりゃあ落ち込むだろ。推奨レベル2000以上のダンジョンなのに、俺まだ400ちょいしかないんだよ」
こんな状況で戦えるか? 俺は戦えないね。
「それにここまで来るのに魔物が襲ってきたし、いいレベルアップにはなったでしょ? 400どころかもう500超えてるし」
「いつの間にか500超えていたのか」
襲ってきた魔物を殺したいたが。まさかレベルが500超えていたなんて、思ってもなかった。だがレベルが500超えたところで、まだ戦える気がしない。何せ修羅の森の中心に近づいてるから、魔物のレベルが上がってくる。ダンジョンに入ればそれ以上に強いだろう。
「その状態で修羅のダンジョ―――」
「そこの2人止まれ!!」
誰だ? 人が喋っている時に遮る奴は?
前を向くと少し遠くに、人らしきものが2人立っていた。
「なぁアリアナ、修羅のダンジョンって誰かが管理してるのか?」
「そんなことないけど」
「じゃあ何で門があって門番らしき人物がいるんだ?」
そもそも修羅のダンジョンって管理出来るものなのか?
「私が知らないうちに、他種族風情が勝手に占領したの?」
何かアリアナが急にブツブツ言いだした。
「アリアナ、殺すのは駄目だが話合うのはいいぞ」
「じゃ行ってくる」
はやっ! 目にも止まらぬ速さで門まで走ったぞ! って門まで行って2人の門番を気絶させてるぞ?
すると大きな音がする。
何か凄い音がしたぞ、一体何やってるのアリアナは? 何かを壊してないか?
更に大きな音がしたが、これは物を壊すような音じゃないかった。
「ユウヒく~ん、終わったよ~」
手を振りながら。いい笑顔でこっちに来るアリアナが見える。ここにいても、どうせダンジョンに行くことになるから。歩いてアリアナの方に行く。
「ふぅ~いい汗かいた!」
何かやり遂げた顔をしている。
「なぁ、さっきどう考えても可笑しい音があったのだが。何した?」
「え、建物を壊しただけだよ」
建物を壊しただけでグシャって音が出るものなの?
「それより行くよ」
「あぁ・・・」
先ずは門に行く。門の方に行くと門番していたであろう人物を見る。
「倒れている2人を見ると、2人とも種族が違うな」
片方は普通の人の顔に、犬耳と犬の尻尾が生えた男性で。もう1人は女性のエルフだった。
「こんな形で獣人族とエルフ族に会うとは」
すまん、君達は何も悪くない。ただアリアナの虫の居所が悪かったんだ。
門をくぐり中に入ると、悲惨な状態になっていた。建物は壊れ、色んな種族の人達が気絶していた。
「え、何この状況」
「勝手に私の遊び場を占領してたのが悪い」
アリアナは歩きながらそう言う。
って修羅のダンジョンは貴方の遊び場だったんですか!?
「遊び場だったんだ」
「そうだよ。暇なときは、いつもダンジョンに入って遊んでいたんだ~」
もはや苦笑いしかできない。ってか本の状態で?
「着いたよ。ここが入口だよ」
修羅のダンジョンの入口は普通だった。何か禍々しいものだと思っていたが、そうでもなかった。
「じゃあ行くよ!」
「生きて帰ってこれますように」
祈っても意味があるのか?




