56話 多すぎないか?
俺達は洞窟の中に入る。
「洞窟の中ってやっぱり暗いな」
「じゃあ少し明るくするよ」
アリアナは光魔法で辺りを明るくする。
「あんまり明るくすると、ゴブリンに気付かれるから。私たちの周辺だけ明るくしたよ」
「これ、俺がやっても良かったよな?」
「ユウヒ君は魔力少ないでしょう。いざって時に戦えなくなるから、私がやった方がでしょ」
「そうだな。そもそも俺は戦闘経験が少ないから、少しでも戦わないとな」
「そうそうレベルが高くても、戦闘経験が低かったら意味がないからね」
明かりもついたし先に進む。
「ここがゴブリンどもの巣なのは分かったけど、これって確実にゴブリンの王とかいるだろ?」
「まぁ確実に上位ゴブリンはいるだろうね、少なくてもクイーンゴブリンはいると思うよ」
クイーンがいるのか。運が悪かったら両方いる事になるな。
「・・・通路は狭いけど一部の場所は広いから、もしかたらかなりいるかも」
「それはちょっと困るな。流石に100を超えるゴブリンは相手出来ないぞ」
「それは大丈夫でしょ」
何を根拠にそう言ってるんだ? それにしても長く洞窟の中を歩いているが、1体もゴブリンに遭遇してない。ここまで出てこないとなると、相当洞窟の中って長いのか?
「ユウヒ君ちょっと止まって、前から来る」
言われた通りにその場に止まる。
「数は?」
「4体だね。見張りの交代かもね」
「見張りの交代か。このまま行くとどっかで遭うな」
足音は聞こえないが、急いで移動している訳ではないだろう。
「このままスルーしても大丈夫じゃないか? 気配遮断をしているし」
「あまり長く使う必要がないから、もう効果切れたよ」
「・・・そう言う事はもっと早く言ってくれ」
「ごめんごめん」
今聞いたから良かったものの、知らずにゴブリンどもと遭ったら大変な事になるな。
「ここで大きな音はまずいよな」
「そうだね、いつも通りに地面に埋めよう」
移動するを止めて。アリアナは土魔法で、ゴブリンどもを地面に埋めているようだ。
まだ姿が見えてないのに、どうやって攻撃しているんだろう? まぁアリアナは、人間じゃあないから攻撃が出来るのだろう。
「もう埋まったし、先に進もうか」
移動を再開して先に進む。
「気になったけど、ゾンビっているのか? もしいるなら埋めた魔物って、ゾンビにならないのか?」
「確かにゾンビはいるけど。ならないと思うけど。何で気になったの?」
「いや、地面に埋めるのはいいけど浅かったら。ゾンビとして蘇って、地面から出てくるかなって」
「それは・・・、ないとは言い切れないね」
「次からはもっと深く埋めようか」
「うん」
家に帰った時に殺したゴブリンどもが、ゾンビとして蘇っていたら、また殺さないとな。
「分かれ道か、どっちに―――」
「そこ左ね。右は何もないよ」
「少しは迷えよ! そして何もないのかよ!」
「何もないのに何で迷わないといけないの? 時間の無駄でしょ。それよ早く殺さないと他の冒険者がここに来るよ」
「そうだけど! そうだけど!!」
こう言うのって道を間違えると、宝箱があったりするでしょ! 冒険するならそれくらいの事はしたいぞ俺は!
「それより早く行くよ。いつか宝箱をとか出てくるから」
左の道を進み少しずつ明るくなってくると同時に、笑い声が聞こえてきた。
「笑い声が聞こえてくるが、もしかいて戦前に宴でも開いてるのか?」
「そうなるとさっき森にいた、ゴブリンは別のゴブリン達かな?」
「それもあるが、宴があるから巣に戻ろうとしたが。丁度俺達が邪魔をした可能性もある。まぁ理由が分かったと所でどうでもいい。それよりゴブリンどもが、どれだけいるか確認するか」
広場前の出入口の岩陰からコッソリと覗く。
!? おいおいマジかよ・・・、いくら何でも多すぎないか?




