53話 一体何やらかしたんだ
「あの矢の攻撃は一体何?」
「矢の攻撃? あぁ空に矢を放って1本の矢から32本に増やして、そのまま敵に向かって攻撃する技だけど。あれを爆発矢とかにしたら、かなりの威力が出ると思うから。あまり使いたくない技だな」
「とんでもない技だね、私もやってみよう」
「頼むから止めてくれ。アリアナがやると多分地形が変わる」
「そんな事は無いと思うけどな~。私が聞きたい事はこれで終わり」
「え? これだけ?」
「うん、これだけ」
他に質問されると思ったけど、なかったようだ。
これからどうするか、今回攻めてきたゴブリンどもは、どうせ偵察部隊みたいなもんだろう。その偵察部隊が全滅、もしくは数体しか戻って来なかった場合、次は全戦力または全戦力の半分を、この町に攻めてくるだろう。そうなった場合、今以上に被害が出る。そうなる前にこっちから攻めるか、今朝討伐しに行った冒険者達を待つか。
「これは悩むだろうな。行も留まるのも地獄だな」
「悩むなら、今から殺しにばいいじゃん」
「そうだけど・・・。まぁこの場合は目立っても仕方がないか。依頼を達成をしていけば、ランクも上がり有名になる。これは仕方がない。スキルがバレなければ良いか」
そもそもメアリーさんから、貰ったものがバレなければ良いのだが。
「じゃあ夜にする?」
「夜か。あまり目立たないし終わった後、そのまま家に帰るのはいいな」
「ついでに魔石も手に入るかもよ」
「よし、夜に行こう」
「やった!」
そんなに嬉しい事なのか分からんが、笑顔で喜んでいる。
「このまま夜になるまで待つのはいいが、宿の部屋鍵を返さないと」
その場で立ち上がり、ギルドの中に少しは一般人がいないか周りを見渡す。
「ん~あの変態爺は何処に―――」
「誰が変態爺だ」
いきなり後ろから声をかけられ、後ろを振り向く。
「いきなり声をかけないでください。そのままショック死したらどうするんですか?」
「それくらいで死なないだろ、それより無事だったか」
「えぇ、無事でしたよ。それと宿の部屋鍵です」
上着の内ポケットから宿の部屋鍵を渡す。
「わざわざここで返すか」
「丁度いたので、今のうち返しておこうと思って」
「そうか、ワシは今から領主の館に移動するが。お前達はどうする?」
「私達はここに残りますよ、これでも冒険者なので」
「そうか、気を付けてな」
そう言って、変態爺はギルドの出入口に行くが。途中で立ち止まった。
「どうしたんだ、あの変態爺は」
「さぁ?」
何か驚くような事でもあったのか? と思ったら急に前かがみになった。
「本当にどうしたんだあの変態爺は」
「ギルドの出入口にいるのは―――ッチあの女か」
何かアリアナが怒っているような気がする。
「ユウヒ君、ちょっと椅子に座って。気配遮断を付与するから」
「お、おう」
断ったら何されるか分からないから。素直に椅子に座り、気配遮断を付与してもらう。
「これで良しっと、ごめんね急に気配遮断を付与させちゃって」
「別にいいが、一体何やらかしたんだ?」
「ちょっと森でね・・・」
何か目が鋭くなったような気がするが、もしかしてそっちが素ですか?




