488話 旅行
4月中旬。人族の領土の東港に行って、魚を買いに行く。
「船が動いてるから、エメさんは凍っている海も溶かしたのか」
「あれ溶かすのってかなり魔力を使うと思うけど、2体のドラゴンが手伝ってくれたのかな?」
「そうじゃないですか? 流石に1人で氷を溶かすだけの魔力は、ないと思いますよ」
「でもエメさんってレベルが上がると、物凄くパラーメタが上がるだろ。魔力の方も増えていると思うが」
「・・・あれはちょっと規格外だよね。まだ弱くていいけど、このままレベルが上がっていったら。ユウヒ君より強くなるかも・・・」
「まぁ別にそれはいいんだよ。ただその強くなった状態で喧嘩売って来たら、こっちは困るのだが」
「その時は私とアリアナで相手するので、ユウヒさんは違う人と相手をした方がいいですね」
「その時はそうさせてもらうよ」
俺達は市場に行って魚が売ってないかを確認する。
「売っているけど数が少ないな。それに全体的に値段が高いな・・・」
「しょうがないよね。今まで海が凍っていたから、魚を獲りに行けなかったからね。それに魚の数も少ないだろうから、獲れる量も少ないよね」
「買ってもいいけど。これはここに住んでいる人達に優先するか」
「当分魚もダンジョンで獲るしかないですね」
「そうだな。いつになったら日常が戻るのやら・・・」
「―――こらこらお三方、おはようさん」
右横から聞き覚えのある声が聞こえた。俺達は右を見ると紅葉さんがいた。
「おはようございます、紅葉さん。今日は依頼とかをやらないんですが?」
「依頼は休みや。今日は故郷にいの思てます。今まで呪いのお陰でいぬへんかったさかい、これ機に故郷帰って少しゆっくりしよう思う」
「へぇ~故郷に帰るんだ。でも船って島まで行くこと出来るの? 今まで海が凍っていたから、島まで行くのは無理があると思うのだけど」
「船は普通に動いてますよ。きんの聞おいやしたら行けると、言うてやはったよ」
「なら平気だな。じゃあ当分故郷で暮らすんですか?」
「そないなってますね。ユウヒはん達も来ます?」
「いや私達が来たら駄目だと思いますよ。そちらに迷惑をかけると思いますよ」
「かまへんかまへん。今人手不足でちびっとやて人がおくれやすんや。お暇ならどうえ?」
「確かに暇だけど・・・。俺は行ってもいいけど、2人はどうなんだ?」
「私は行ってもいいよ。その島に興味があるし」
「私もいいですよ。行ったことがないので、これを機に行ってみたいです」
「なら決まりだな。2人も行きたい事なので、紅葉さんの故郷に行きますよ」
「ほんまおおきに。ほな早速行きますぇ」
紅葉さんについて行って、船の券販売に行く。紅葉さんの故郷に行く船の券買って、指定されている船乗り場に行く。着いたら券を出して一部切り取って一部返され船に乗る。因みに券の代金は1人金貨100枚もかかった。
「け、券を1枚買うのに金貨100枚・・・。妥当と言えば妥当なんだろうけど。そう何度もいけないな」
「そうですね。それより船で何処かの島に行くの初めてですね。前は海賊退治で船に乗りましたけど、今回は旅行ですね」
「旅行ねぇ・・・。一度沖縄に行きたかったな・・・」
「アリサ? なに思い出させてはいけないものを、思い出させてるの?」
「全く持ってそんなつもりはなかったですよ!」
「そうだよ、アリサはそんなつもりでは言ってないよ」
「・・・なんん話か知りまへんが、とりあえずうちがおいやした島に着くんは、5日後や」
「5日か・・・。まぁそれまでのんびり待つか」
待っていると船は動き出し、紅葉さんがいた島に向かって行く。
「これって晩御飯ってどうなるんですか?」
「晩御飯か・・・。火事にならないように料理をするか、魚でも釣って生で食べるかだな」
「「生で食べる・・・?」」
流石に魚を生で食べるって習慣はあまりないか。




