480話 雪がない
アリサがスケートで遊んでいる間に、俺は雪を溶かしていく。あんまりアリサから離れると色々言われそうなので、あまり離れずに雪を溶かしていく。溶かし終わったら次は氷の部分を溶かそうとする。
「―――氷を溶かすんですか?」
「どうしよっかな・・・。溶かしてもいいけど、割った方が早いか・・・?」
「とりあえず割っちゃいましょうか」
アリサは真下に向けて拳で叩く。すると氷にひびが入りそのまま氷が割れる。俺は下に落ちながら、風魔法で体に風を纏って空を飛ぶ。
「お前俺が飛んでから割れよ! 危うく海に落ちるところだったぞ!」
「――――――ッチ、人工呼吸をする機会が失われました・・・」
「ワザとやったのかよ・・・。それにしてもかなり深くまで凍っていたのか。柱の方は大丈夫か?」
俺は柱の方を見ると無事な所と、そうじゃない所がある。
「・・・これは雪の重みでつぶれた事にしよう。これだけ分厚く凍っていたら、溶けるのにどれだけの時間がかかるのやら」
「少なくても20年以上はかかると思いますよ。もう少し細かくしてから、他の所も割って行きますよ」
アリサに細かく氷を割って先に行く。俺はアリサについて行って、雪を溶かした後氷を割っていく。獣人族の領土付近まで来たら、気配遮断を使って。ドワーフ達にバレないようにする。
「本当にドワーフ達が橋を直してるな。でも直すのにどれだけの時間がかかるんだ?」
「さぁ知りませんね。少なくても5年で直せるとは思ってませんよ。橋を渡り切るのに1日かかるのでその橋を作るには、それなりの時間をかけないと出来る気がしませんね」
「ドワーフにとってはいい仕事だろうな。こっちが終わったら他の所もやるんだろうな」
「その前に場所を確保しないと、作業が出来ませんがね」
俺はすぐに雪を溶かしていく。溶かし終わったら、アリサが氷を割っていく。獣人族の方が終わったっら、次はエルフ族の方に行く。
「あれ、何かエルフ族の領土に積もっている雪がない。何があった?」
「本当ですね。他の誰かが雪を溶かしたのでしょうか?」
「リゼットさんがやった、って事はないよな。やっていたら魔族の方も雪がなくなってるしな」
「アリアナがやった・・・、はないですね。アリアナがそんな事をする理由がないですね」
「そうだな。じゃあ一体誰がやったんだろうか。思い当たる人がいないな」
「そんなのどうもでいいじゃないですか? 早くこの辺も終わらせますよ」
雪を溶かして氷を割っていく。
「次は魔族の方か。何かあっちも少しづつ溶けてないか?」
「そうですね。もしかしてこのまま全部溶かしていくのでは?」
「俺とアリアナがやっていた事は、全て無駄だったのか・・・」
「まぁ無駄と言えば無駄ですね。ここが終わったら、一度あのリリスに聞きに行きますよ」
「そうだな。リゼットさんなら何か知ってそうだな」
魔族の方に着いたら、雪を溶かして氷を割っていく。それが終わったら、一度リゼットさんの集落の方に行く。
「まだ誰もいないな。まだ人を呼び集めているのか」
「あるいは急に雪が溶けている原因を、掴もうとしてるかもしれませんね」
「そうかもな。それにしてもまだ少し雪が残っているな。この辺も溶かすか」
「―――その必要はないわ。この辺は私たちがやるわ」
リゼットさんが仲間を連れ戻して戻ってきた。リゼットさんは仲間に指示を出して、家などを作っていく。
「あぁ戻ってきたんだ。早速で悪いけど、各地で急に雪が溶けている原因を知りたいんだが」
「あれねぇ・・・。ユウヒたちは知っているか分からないけど、エメって人物って知ってる?」
「知ってる。その人の名前が出てきただけで、もう分った。エメさんが雪を溶かしてるんだな」
「そうよ。彼女が持っている魔力で、全ての雪を溶かしていくみたいよ」
「マジかよ・・・。多分他の人から褒められるだろうけど、どうせまた、普通だよ普通って言うんだろうな~。俺が言うのは駄目だろうが、どう考えても普通じゃねぇよ・・・」
「私も人の事を言えないけど。あれは可笑しいわ・・・」




