475話 火炎放射器
3日後。死んだ魚の目をしながらアリサが帰って来た。
「どうした、肉が全然手に入らなかったのか? それともダンジョン自体入れなかったのか?」
「いえダンジョンに入ることは出来ましたけど、人が多かったんですよ・・・」
「あぁ今必死に食料を確保をしてるから、人が多いのはしょうがないよね。で、肉はどうだったの?」
「肉は確保出来ましたよ。それでも1ヶ月持つかちょっと分かりませんけど」
「それだけしか手に入らなかったんだ。そんなに沢山の人がいたの?」
「いましたよ。おかげで肉の確保に時間がかかわる、知らない人からパーティの勧誘してくるわ。散々な結果っとまでは言いませんが、あまりいい結果にはなりませんでしたよ」
「それでも3週間よくて1ヶ月くらいの、肉は確保したんだろ。十分だよ」
「じゃあアリサはサッサと除雪作業をしてね。私は違う所に行って除雪作業をするから」
「私今帰って来たんですよ! 休憩くらいさせてくださいよ!!」
「必要ないでしょう。どうせ後2ヶ月くらいは平気で動けるんだから。ここで休むより早く除雪した方がいいよ。じゃないとメアリー様に怒られるよ」
「――――――さて除雪作業に行きますか」
休憩するよりも、メアリーさんに怒られる方が嫌なのか。
俺達は家から出てアリアナは違う所に行く。俺とアリサはリンゴの木がある方に行く。
「いつの間にかここも除雪していたんですね。上の方はまだですが」
「精霊達が目で訴えてくるんだよ・・・。早く雪を何とかしろって」
「まぁ果物の木に憑いているので、寒さは天敵みたいなもんですから」
「今でもジェスチャーで伝えてくるんだよ。上の雪をどうにかしろって」
「あぁしてますね。どうします? 上の方は私がやりましょうか?」
「そうしてくれ。多分上の雪を溶かしていると、他の場所で雪崩が起きると思うから。雪を平等に溶かしていけよ」
「大丈夫ですよ。アリアナがいるところだけは、絶対に雪崩を起こさせるので」
「お前な・・・。それは止めてくれよ」
アリサは浮遊魔法で空を飛び、上の方の雪を溶かす。それを見た精霊達は顔が笑顔になる。俺は結界から出て、両手の平から火を出して。雪を溶かしながら先に進む。
何か火炎放射器が欲しいな・・・。魔法があるから必要ないけど、一度は使って雪を溶かしてみたい。ミヤさんに言えば作ってくれるだろうけど、燃料をどうするかだよな。別に燃料じゃなく魔法で火を出せばいいんだけど。問題は形だよな。絶対にこの世界に火炎放射器は存在してないだろ。・・・いやミヤさんなら、かなり昔に作っていた物を改造した物がある。何て言っても可笑しくない。この辺が終わったらちょっと行ってみるか。
俺は周りの雪を溶かしていく。魔木が出てきたらそれを回収していく。大体進んだら、一旦止めてミヤさんの家の方に行く。
・・・・・・ミヤさんが持っている物は何だ? どう見ても火炎放射器だな。しかも形がかっこいい・・・。
「おやキミかい。見たまえこの兵器! これは―――」
「あぁいいよ。説明はいらないよ。どう見ても火炎放射器だろ」
「おや知っていたのかい。これがあれば魔力が少ないわたしでも、楽に雪が溶かせる」
「魔力で動いてるんじゃないのか。一体どんなもので動いてるんだ?」
「魔石だよ。魔力の代わりに魔石を使っているのさ。まぁ今は魔石自体あまり持ってないがね」
「一体どう言う原理で動いてるかは知らないが。とりあえず魔石があれば動くんだな」
「そうだ。キミはわたしに魔石でもくれるのかね?」
「渡すよ。そうすればミヤさんも除雪作業が出来るだろ」
俺は空間から魔石を10個出す。ミヤさんは他の人を呼んで、俺はその人に魔石を渡す。
「10個渡したけど。足りなかったらまた渡す」
「出来れば中くらいの大きさをくれると助かるよ。あまり大き過ぎると加工に時間がかかるし、小さい過ぎると使えないからね」
「魔石を加工して使っているのか。分かった中くらいの魔石だな。今出したくらいの魔石か?」
「そうだな。あれくらいの大きさで頼むよ」
俺はミヤさんと別れて、元いた場所に戻って除雪作業を再開する。




