472話 かまくら
「除雪作業は進んでいるかね?」
「進んでいますよマスター。ユウヒ様たちが手伝ってくれてるので、玄関の雪は片付きました」
「そうか。ところで床が水浸しになっているが、ユウヒたちは雪を溶かしながら進んでいるのかね?」
「そうですよ。そっちの方が早く終わると言っていたので、雪を溶かしながら除雪作業を行ってますよ。そのおかげで服はびしょ濡れになってましたが」
「なに? 服がびしょ濡れに・・・? よし今すぐ見に行こう」
わたしはすぐに玄関から出て、ユウヒたちの所に行く。
「あ、ミヤさん来てたのか。・・・何でそんなに息が荒いんだ?」
「キ、キミたちの服がびしょ濡れと聞いて。は、走って来たのだが・・・。びしょ濡れじゃ無かった・・・」
「さっきまでびしょ濡れだったけど、誰かがこっちに来るからすぐに乾かした」
「・・・まさか他の2人も乾かしているのかい?」
「あぁ乾かしてるな。残念だったな、2人のびしょ濡れ姿が見れなくて」
「くっ・・・! 何も言わずに行けば見れていたか・・・!」
「いや話し声は聞こえなかったから。仮に何も言わずにこっちに来ても、俺達は気配察知があるから、大体分かるからな。それより服がびしょ濡れを見る以外で、何しに来たんだ?」
「除雪作業の進み具合を見に来たんだ。想像していたよりもかなり進んでいて、わたしは驚いてるよ」
「溶かしながら先に進んでいるからな。だけど上の方はあまり進んでないだろ」
「確かに進んではないな。まぁ溶かしながら進んでいるんだ、あんまり上の方をやっていると雪崩が起きて生き埋めになろだろう」
「実は何かも雪崩が起きてるんだが・・・」
「えっ? キミたちよく無事だったね、流石のわたしも心配になる」
「雪崩で生き埋めになっても火で溶かすから、特に問題はないんだよな」
「わたしは研究では異常だが、キミたちはステイタスが異常だな・・・。それよりこの除雪作業はいつまで続くんだい?」
「正直言って分からない。俺の家の前で1ヶ月以上やってはいるが、終わる気配が一向に来ない。終わるのに1年以上かかると思ってもいいかもな」
「そこまでか・・・。何か除雪作業する魔道具を創った方がいいか・・・」
「創るのはいいが、雪を違う所に置く魔道具を創られるも困るからな。せめて雪を一気に溶かせる魔道具を創ってくれ」
「それならキミたちの火魔法をもっと強くして、雪を溶かしていけばいいだろ」
「そうなると加減を忘れて、大変な事になってもいいならやるが」
「―――わたしが悪かった。ところでユウヒは一体何処に向かって、雪を溶かしながら進んでいるんだ?」
「とりあえず俺の家まで行こうと思って、雪を溶かしながら進んでいるが」
「キミたちの家にかい? 興味があるな。ついて行っても?」
「別にいいけど、物凄く暇だぞ。基本的にずっと雪を溶かしながら進むだけだぞ」
「なに、キミの服がびしょ濡れになる姿を見ながら進むさ」
「服は乾かしながら行くから、服がびしょ濡れになる事はないぞ」
「チッ・・・、意外としっかりしている・・・」
「聞こえてるぞー」
俺は両手の平から火を出す。そのまま積もっている雪に火を当てて、溶かしながら先に進む。後ろからミヤさんが付いてくる。
「・・・今思ったのだが、溶けた水がわたしの方にかかってくるのではないのかね?」
「あぁそうだな。でもミヤさんも火魔法が使えるから、濡れても大丈夫だろ。濡れるのが嫌なら除雪が終わってる所に行け」
「構わん。濡れるくらいで文句は言わん」
「あっそう。でも雪崩が起きたら即逃げろよ」
俺は溶かしながら先に進む。
・・・何かかまくらをしたくなってきたな。東京じゃあ雪って中々降らないし、降ってもかまくらを作れる雪は積もらないし。今目の前に雪が沢山積もっているから、かまくらが出来るな。だが餅がないし七輪もない。砂糖醤油なら作れるが、流石に餅は作れないからな。・・・そう言えば紅葉さんの故郷は餅とかあるのか? 今度会ったら聞いてみよ。




