469話 底が見えない
椅子に座り野菜や調味料の話をする。
「で、野菜とか塩は提供できるって言っていたけど。本当に出来るわけ? 今ここでうそだって言っても、怒らないわよ」
「嘘じゃないよ。とりあえず今から出すから、必要な野菜とかがあったら言ってくれ」
俺は空間からニンジンが入った袋を出す。
「? その袋の中に入っているのね。一体何が入っているのかしら」
リゼットさんは袋を持って、袋に手を入れてニンジンを取り出す。それをテーブルに置いて、また袋からニンジンを取り出してテーブルに置いていく。
「ちょっと! これいくつあるの!? 全く底が見えないわよ!」
「だから提供できる数はあるって言っただろ。他にも色々あるから、好きな物を持っていけよ」
「こ、これなら確かに提供する事が出来るわ・・・。じゃあ他の野菜も貰うわ」
ニンジン以外に、ジャガイモ、玉ねぎ、キャベツなどを提供する。調味料は塩と胡椒、そして油脂を提供する。
「・・・かなりの量ね。今思ったのだけど、食べても平気よね?」
「心配なら鑑定をしたらどうだ?」
俺がそう言うとリゼットさんニンジンを持って、それを鑑定をする。
「ナニコレ? 何で魔力が回復するのよ?」
「普通の栽培と違うから、魔力が少し回復することになっているのだろ。特に食べても死ぬような事はないから大丈夫だろ」
「そうかもしれないけど。野菜を鑑定をして、この効果がバレたら大変な事になるわよ」
「じゃあリゼットさんが釘を刺してくださいよ。そうすれば向こうも俺達を探そうとはしないだろ」
「そうだけど・・・。まぁ言っておくわ。で、野菜や調味料をタダでくれる訳ないわよね? 何か欲しい物あったりする?」
「特に欲しい物ないけど。代わりに他の国にも野菜などを渡してほしい」
「別にそれはいいけど、それだけでいいの?」
「別にそれでいいんだ。こっちからしたら早く国の復旧と、産業とかの再開を早くしてほしいからな。その為にはまず国民を飢えさせない事が大事だろ」
「私は構わないけど、ユウヒたちは大丈夫なの? 吹雪の影響を受けているのは、人族、エルフ族、魔族。この3国家相手に食料を提供し続けたら、絶対にユウヒ達の食料がなくなると思うけど」
「そこは大丈夫だ。で、やってくれるか?」
「やるわ。期間はとりあえず1年くらいでいいわ。それでも復旧しなかったら、延長するわ」
「分かった。・・・これは勝手に俺達が決めていいのか?」
「良いのよ。今回は誰も損しないし、飢え死による死者を抑える事が出来るわ。一応契約書でも書いておく?」
「リゼットさんが俺達が裏切らない限り、俺達はリゼットさんを裏切らないが」
「ならいらないわね。とういうより、アンタら3人を裏切る度胸はないわ・・・」
「裏切ったら即殺しに行くからな・・・。とりあえず2国家分の野菜とかの準備をするか」
「あ、今思い出した。エポロ街も結界が張ってあるから、そこに提供する必要があるわ」
「あそこもか。それに王国の方も必要だったな。あの国の存在を忘れていた・・・」
俺は野菜と調味料をリゼットさんに渡す。それが終わったら一緒に家から出る。
「何度もここに来るのね・・・。転移石の数が足りなさそうね・・・」
「少なくなったら言えよ。あげるから」
「どうも。何かそのうち解呪水とかも出してきそうね」
「流石にそれは持ってないよ。話は聞いてるけど、あれって作るのに時間がかかるんだろ」
「そうよ。それでも全ての呪いが解呪出来ないのは残念・・・。じゃあまたね」
リゼットさんは空間から転移石を出して、何処かに転移をする。
「帰った?」
アリアナとアリアがこっちに来る。
「あぁ帰ったよ。俺はしばらく除雪作業が出来なくなる。野菜を栽培しないといけなくなった」
「そうですか。じゃあ除雪作業は私たちがやっておくので、栽培の方に専念してください
」
「そうするよ。栽培が落ち着いてきたら、除雪作業を再開するよ」
俺は家の裏に行って野菜を栽培をする。




