465話 雪女
家の裏に行くと、結界の外に見知らぬ女性達がいる。
「何だあの女性達は? こんな猛吹雪が吹いているのに、凄く楽しそうにしてるぞ」
「あぁあれは精霊だね。ユウヒ君がいた日本で例えると、妖怪の一種の雪女だね」
「雪女だと? こっちでは精霊になるのかよ・・・。この精霊達を追い払えば、この猛吹雪を止める事は出来るか?」
「いや無理だね。このくらいの吹雪になると、雪女を追い払っても何にも変わらないよ」
「じゃあこのまま放置か。こっちに攻撃をしてくるって事はないのか?」
「ないね。精霊はこっちから攻撃をしない限り、向こうは何もしてこないよ」
「そうなんだ。あの雪女の出現条件が分からないな」
「1つは今みたいな季節、2つは今みたいに吹雪が吹いていること。これだけで雪女は出てくるよ」
「じゃあ今猛吹雪が吹いている所は、雪女がいるって事だよな。っと言うより、精霊が現れる条件も違うんだな」
「それはそうだよ。皆同じ条件だったら、今頃精霊使いが増えてるよ」
「そうだよな」
すると1人の雪女がこっちを見る。雪女はこっちに来ようとするが、結界にぶつかる。雪女は結界を触って壊れないか色々試している。
「何かこっちに入ろうとしてないか?」
「してるね。こっちに入って来ると、冷気も一緒に来るから止めてほしいけど」
「そうだな。さてそろそろもう1人の精霊らしきものを見るか」
俺とアリアナは白金のリンゴの木を見る。そこには木の枝に1体の精霊がいる。
「明らかにウチにいる精霊と違う、完全に大人の女性だな。なぁアリアナは知っていたよな、前にこっちに来たよな。何でその時に教えてくれなかった?」
「あの時はユウヒ君とアリサは、目隠しをしていた方から。特に言う事じゃなかったしね」
「それでも言ってほしかったな・・・。何か拗ねてるって言うか怒っていると言うか、とにかくこっちを見ないな」
「まぁ前見たときに完全に無視したもんね。どうする、とりあえずあの木を切り倒す?」
アリアナがそう言うと、白金のリンゴの木の枝に座っていた精霊が、すぐにこっちに来て白金のリンゴを渡してくる。俺とアリアナはそれを受け取る。
「何か賄賂を受け取った気分だな・・・。白金のリンゴの木を切り倒す気はないよ。切り倒したら、メアリーさんに何て言われるか・・・」
「物凄い説教をされるだろうね。切り倒すのは嘘だから」
それを聞いた精霊はホッとする。するとリンゴの木にいる小さい精霊がこっちに来て、なにやら会話をしている。
「あれは会話をしているのか? 口が動いてるから会話をしてるんだよな」
「正直聞こえないから、どんな会話をしてるか分からないね」
すると大人の精霊がこっちを見る。そしてジェスチャーで何かを伝える。
「えぇっと・・・。雪女の首を斬れ? なに殺害の依頼を出してるんだよ!? 殺したいほど何か理由があるのか!?」
するとまたてジェスチャーをする。
「全く分からないな・・・。俺はそこまでジェスチャーを理解出来ないぞ」
「多分だけど。作物とかって気温が下がると育たないからじゃない? リンゴの場合はどうかは知らないけど」
大人の精霊はそう言いたかった、と言う顔をしている。
「あぁ確かに気温が下がると、作物が育たないって言うのもあるけど。気温が低くないと育たない、作物もあるから。あまりアイツらを責めるなよ」
そう言うと精霊達は落ち込む。
「ここにいれば特に影響は出ないんだから、外にいる雪女は気にするな」
「そうは言うけど。雪女の方はずっとこっちを見てるけど」
俺は雪女の方を見る。確かに雪女がこっちを見る数が増えている。結界の中にいる精霊達はそれを見て、嫌そうな顔をしている者もいれば、シャドーボクシングをしている精霊もいる。
「・・・これはもう猛吹雪が止むまで待つしかないな」
それを聞いた精霊はショックを受ける。俺とアリアナは白金のリンゴを空間の中に入れて、精霊達に別れを言って。家の中に入る。




