460話 娯楽
「そろそろいいと思います」
俺はマルティナ様の肩を叩くのを止める。エリス様はマルティナ様の肩を触る。
「ドラゴンの鱗からスライム並みに柔らかくなったわね。それに気持ちよさそうに寝てるわ」
「流石にスライム並みに柔らかくなったら、マルティナ様の肩が大変な事になってますよ」
「物の例えよ、物の例え。それにしても叩かれている間は、痛くなかったのかしら?」
「力加減さえ間違えなければ、痛くないと思いますよ。もしかしたら痛くて気持ちいいって人もいるかもしれませんね」
「それはただの変態じゃない? それにしても本当に気持ちよさそうに寝てるわね・・・」
「もしかしたら、今年で一番の寝心地がいいかもしれません。少なくても私はこんないい顔を見た事がありません」
「そう。・・・そう言えば最近揉んでなかったわね」
そう言って、エリス様は後ろからマルティナ様の胸を揉む。
「・・・何してるんですか?」
「何って、マルティナの胸を揉んでいるのよ。お母様、マルティナ、アレクシス、ユニス。そしてワタシの中で一番胸が大きいのはマルティナよ。それを揉まないでどうするのよ」
「普通は揉みませんよ。そんな事をしたら起きた時に面倒な事になりますよ」
「ならないわよ。それよりユウヒもマルティナの胸を揉む?」
「遠慮しますよ。私は興味ないので」
「アナタ本当に男? 普通なら顔を赤くして、呂律が回らなくなると思うのだけど。もうその年で色々枯れてるのかしら?」
「そう言われましても・・・。ただ過去に色々あったんですよ」
「ふ~ん。ユウヒの方から手を出さないって事ね。そうなると夜な夜なアリアナやアリサに、襲われてるの?」
「そんな事をすれば二度と口を聞きませんよ」
「それだけは何としても避けたいね。今だけよくても先の事を考えると、やっぱり性的に手を出すのはダメだね」
「その代り風呂は一緒に入ってますね。ただ流石に3人一緒に入れませんし、ユウヒさんは体をタオルで隠してますね」
「可笑しくない? 風呂はよくて手を出すのは駄目って・・・。何かあと一歩のところでお預けされている気分になるわね」
「まぁそうしないと、この2人が見境なくやりそうなので・・・。ところで、いつまでその状態ですか?」
「ん? マルティナの胸の事? ワタシが飽きるまでやるつもりだけど」
それって飽きる時が来るのか?
「それは困るので、早く起こしてくれませんかね? マルティナの肩が軽くなったか知りたいので。それと、後ろにいるアレクシスさんとユニスさんの目線が痛いんです・・・」
「2人とも? ユウヒにちょっかいを出すと、アリアナとアリサに殺されるわよ」
「「はい・・・」」
多分あの2人は創造神様こと、メアリーさんの情報が欲しいのだろう。あわよくばエフサークルに連れて行って、祭り騒ぎでもするのだろうか? いやきっとそれだけでは済まない気がする・・・。
「ほら起きなさい。アナタだけ気持ちよく寝て何もしないのは、ちょっとズルいわよ」
エリサ様はマルティナ様の体を揺らして起こす。
「――――――ん・・・。な、何だ・・・? もう終わったのか?」
「終わりましたよ。貴方様が寝ている間に終わりましたよ。肩の調子はどうですか?」
エリサ様はマルティナ様から離れて、マルティナ様は両腕を動かしたり肩を触ったりする。
「軽い、軽いぞ! 今までずっと両肩に重い物を強制的に乗せられていたが、今はその重い物は何処かに吹き飛んでいったぞ!」
「それは良かったです。ずっと貴方様の肩を叩いた甲斐がありますよ」
「礼を言うぞユウヒ。これだけ軽いなら戦いも楽になるだろう! が、今の余は半年の外出禁止が出ている・・・」
「それはまぁ自業自得だと思いますが」
「そうだな・・・」
「では私達は帰りますね。もうやる事はないと思うので」
「待て、そんなに慌てて帰る理由はないだろ。もう少しゆっくりしていけ」
「いつものマルティナに戻ったわね。でもユウヒたちを引き留めてどうするのよ? 実際に暇を潰す物なんてないでしょ」
確かにそうだ。日本にいた時はテレビ、パソコン、スマホ、ゲーム機があったから暇を潰せたからいいが。こっちではそんなものは存在しない。俺はこっちの娯楽の事なんてほぼ知らないから、どうやって暇を潰したものか。
「気になったんですか。娯楽の方は何かないでしょうか?」
「娯楽、娯楽か・・・。前々から持っているチェスくらいしかないな」
「ならそのチェスで暇を潰せばいいのでは?」
「チェスには飽きた。余は他の遊びがいい」
「そう言われましても。私達には遊びと言う遊びはないですよ。あるとしたら、前に言った氷の玉でキャッチをする遊びですよ」
「それだ。余はそれをやってみたい」
「別にいいですが。やるなら何処か広い場所でやりません? ここでやると部屋の中が大変な事になりますよ」
「なら中庭があるわ。あそこなら広いし少し暴れても平気よ」
「ならそこに行きましょう。案内の方をお願いします」
「先に行ってくれ。余は着替えてから行く」
「では私が案内をします」
俺達はアレクシスさんについて行って、中庭に移動する。




