456話 捕まえてね
ユウヒ君がやっと家の裏に来れた。
「なぁアリアナ。今ここってどの辺なんだ?」
「今家の裏に来ているよ」
「やっと家の裏に来れたのか。視界が見えないだけで、ここまで時間がかかるのか・・・」
「何も見えないのって不便だよね~、見えすぎるのもどうかと思うけど」
「えっ、アリアナって普段凄く周りがよく見えてるのか?」
「そんな事ないよ。ただ神の中でそう言う人がいたからね」
「そうなのか。ところでアリサは? さっきから声が聞こえないが」
「アリサなら。ユウヒ君と同じように目隠しをして、周辺察知を使えるように練習してるけど」
「アリサはそのスキルを持ってなかったのか。ならどっかでぶつかりそうだな」
「そうだね」
ユウヒ君は家の壁を触りながら少しづつ移動する。すると反対からアリサが来る。
「ユウヒ君。反対からアリサが来たよ」
「ちょ! 何でそんなこと言うんですか!?」
「だってそのまま行くと、ユウヒ君とぶつかるじゃん。ぶつかってそのまま抱き着くでしょ」
「――――――そんな事ないですよ」
「嘘だね。アリサは一旦こっちに来てもらうよ」
私はアリサの所に行って、アリサを捕まえて家の壁から離れる。
「放してください! 折角の機会が失ってしまいます!!」
「そんなもの失っちゃえばいいんだよ。ユウヒ君が家の裏から表の方に戻るまで、ここで待機」
「そんなぁぁぁぁぁぁ・・・」
「・・・俺はそのまま行っていいのか?」
「いいよ、そのまま行って」
俺は家の壁を触りながら移動する。
「・・・私このままですか?」
「このままだよ。放すと気配察知を使って、ユウヒ君の所に行くでしょ」
「行きますよ。この状態なら抱き着いても、怒られないと思うので」
「怒ったりしないと思うけど。まぁ怒んないって言ったいたけど、結局添い寝しかしてないからね。普通にユウヒ君の背中にくっついていたメアリー様が、ちょっと羨ましい・・・」
「そんな事を言ったら、前にアリアナの肩にもたれてましたよね? 私なんて精々顔を触られるぐらいですよ」
「それもそれで羨ましいだけど。その首折ってもいい?」
「折ってもどうせ生き返りますよ、私」
「それもそうだけど、鬱憤晴らしには丁度良いよ」
「あのさぁー、さっきから何怖い事を言ってるんだよ!? サラッとアリサを殺そうとするなよ!!」
「あれ、聞こえてた?」
「聞こえてるよ!」
「意外と地獄耳だね」
「だからどうでもいい事も聞こえてるんですね」
「じゃあそろそろ放そうか。ユウヒ君の所に行ったら、分かるよね?」
「ハイハイ分かってますよ」
私はアリサをユウヒ君とは別の所に移動して、家の壁を触らせてアリサから放す。
「じゃあ行きますね」
アリサは壁を触りながら右に行く。
時間をかけてようやく家の周りを1周をする。
「お疲れ様。疲れてる?」
「いや、そんなに疲れてないな」
「そうですね。思いっきり走ったりしてないので、特に疲れているって事はないですね」
「じゃあ次に進めてもいい?」
「いいよ」
「いいですよ」
「じゃあ次は、気配察知を使って私の事を捕まえようか。結界から出ないし家に入らないけど、私は常に歩いてるから頑張って捕まえてね」
「いきなり難易度上がってないか!?」
「流石に無理ですよ!!」
「いいからいいから。先に言っておくけど、2人が私を捕まえる事が出来なかったら、一生終わらないからね」
「「そんな無茶なっ!?」」
「じゃあ始めるよ」
そう言ってアリアナが違うところに、移動する音が聞こえる。
「早く捕まえないと晩御飯どころか、明日のご飯も食べられないじゃないですか!?」
「あぁやっぱりご飯の心配か・・・」
「とりあえず、先ずは気配察知でアリアナを見つけて、そこまで移動しますよ」
「アリアナは・・・、後ろ!?」
俺はすぐに後ろを向いて、アリアナがいると思われる所に、左手で触ろうとする。
「ハイ残念。そう簡単には捕まらないよ」
「なら・・・・・・!」
「下手くそだね」
「なっ!?」
誰かが地面に倒れる音がした。多分アリサだろう。
「ありゃりゃ、アリサが倒れた」
「凄くムカつきます・・・」
「これは・・・、かなり時間がかかりそうだな・・・」




