453話 選ぼうね
6人パーティは最初こそ順調に進んでいたが、下の行くに連れ魔物は強くなり、苦戦しながらも勝利して先に進む。やっとのことで地下15階層に着く。
「こいつら本当に手練れ? ワザと苦戦とかしてるの?」
「ワザと苦戦していたら、こいつらはかなりの演技力だな。本当に苦戦してるよ」
「下に行けば行くほど、移動する速度が落ちてますね・・・。正直イライラしてきます」
ヤバい。アリサの我慢の限界が近い・・・。
「もう殺していいですよね? いいですよね?」
「いやダメだよ。丁度ここの中間の主を殺せば休憩場だよ。我慢しないと」
「そうですか・・・。ならさっさと移動してほしいですね。もう3日も経ってますよ」
そう実は3日も経っていた。1日目は地下5階層に着いたところで6人パーティが、野営の準備をしてるから昼ご飯だと思って、時間を確認しようとスマホを出して電源を入れると、何と夜の22時だった。いつの間にか夜になっていた事には驚いたが、ほぼ1日を使って、手練れでもここまでしか行けない事にも驚いた。ただ野営中に俺達の事をずっと馬鹿にしていた。喋るネタがこれしかないのは、何とも言えなかったな。
「3日で地下15階層まで来たけど、こいつらこのまま扉まで行けるのか?」
「さぁ? 死ぬなら死ぬで、私は構わないけど」
「そうですね。助けるなんて全くないですが」
「そこは助けないのかよ・・・」
「ユウヒ君も助けようとしないでね。人を何度もバカにした奴を助ける必要はないよ」
「私たちは別に勇者でもなければ、義理や義務ないですからね」
「いやそうだけど。でも・・・」
「ユウヒ君、甘すぎるよ。その甘さはいつか最悪な事を招くよ。人を助ける時も、ちゃんと人を選ぼうね」
「・・・・・・何とも厳しい世界だな」
重みがある言葉を言われ、俺達は6人パーティについて行く。6人パーティは魔物と遭わないように移動して、時間をかけてようやく扉の所に着く。
「やっと着いたみたいだな」
「遅すぎですよ。3日もあればここのダンジョンは、何十週も出来ましたよ」
「それは2人だけだから」
「ユウヒ君も出来るでしょう」
「・・・・・・最短の道で行けば何とかなるか?」
「そうですね。それにしてもいつに入るのでしょうか? あんまり遅いと、こっちが先に行って突破して、休憩所で待機する方向になりますよ」
「それもいいかもね。もう先に行っちゃったけど」
「そうですか」
「これって開くようになるのって、かなり時間がかかるかもな」
「そうだね。暇だからその辺でも歩く?」
「歩いてもいいけど、ここって廃墟だろ。あまりいい景色じゃないんだよな・・・」
「景色の良い廃墟ってあるんですか?」
「ある場所はある。多分」
「多分なんだ。でも実際どうする? 扉が開くまで時間がかかるし、何かしないと暇でしょうがないよ」
「この階層に隠しがあるなら行くが、この階層に隠しはあるのか?」
「ん~っとね~・・・、ないね。隠しなんて1つもないね」
「そうなると本当にこの辺の散歩しかないぞ」
「なら散歩でもして時間でも潰しましょうか。交代交代で」
「えっ、何で交代するの?」
「ここで誰かが見張ってないと、すぐに中に入れないじゃないですか。あの6人パーティをバカにするには、早く行って早く突破する事です」
「なるほど。じゃあジャンケンだね」
アリアナとアリサがジャンケンをする。勝ったのはアリサだった。
「何で俺はジャンケンをしてはいけないんだ?」
「ユウヒさんを参加させても意味がないので」
「意味がない? あるだろ」
「いやないよ。だってユウヒ君が勝っても負けても、強制的に連れて行くから」
「・・・・・・あぁ確かにないな」
「じゃあ行きましょうか」
「一応聞くけど、迷ったりはしないよね?」
「しませよ。アリアナがそこにいる限りは、迷ったりはしませんし。私の頭の中で地図は作っているので」
「あっそう。じゃあ早く行って早く交代してね」
「じゃあ遅く行きましょうか」
「おい」
「出来るだけ早く帰ってくるよ」
俺とアリサは暇潰しに散歩に行く。




