452話 馬鹿に
10月上旬。俺達は魔王城の近くにある、3つのダンジョンの内2つ目のダンジョンに潜る。
「廃墟か。という事はアンデット系か」
「出来たら浄化で終わりますね」
「じゃあ進むよ」
アリアナが前に出て先に行く。俺とアリサはアリアナの後について行く。
「近くに魔物気配がないけど、人の気配はするな」
「私たちより先に潜った冒険者パーティでは?」
「そうかもね。動きからしてかなりの手練れかな。魔物に遭わないように移動してるし」
「なら気配察知を持っているのか。無駄な戦闘を避けるために、集中してるのだろうけど。それはそれで疲れると思うけど」
「まぁ戦い方何てパーティそれぞれだから、パーティに合った戦い方をすればいいしね。私たちは最短の道で行って、そこで魔物に遭ったら戦う。隠しがあったらそっちに行く、だね」
「何かゆるいよな」
「そうかな? 戦いが始まればユウヒ君は・・・」
「アリアナ、それ以上言ってはいけませんよ」
「俺が何? ねぇ俺は戦いが始まると何が起きてるんだよ!?」
「あぁ~、本人は分からないよね~。前にも言ったような気がするけど」
「気付いてないならいいじゃないですか? 世の中知らない方がいいって事もありますよ」
「そうだね~」
「凄く気になるんだけど! 今すぐ教えてほしいのだが!」
「大丈夫だよ、いつか気付くから」
「そうですよ~」
「――――――ッチ。何だアイツら、ガキの遠足かよ・・・」
「どーみてもガキの遠足だよ。イラつくよね。なーんであんな奴らがダンジョンに潜ってるのかしら」
「アイツらここで死ぬな」
「「ご愁傷様ー」」
「来世で頑張れよ」
前にいた冒険者パーティが俺達を見て、馬鹿にしながら先に進んで行った。
「「・・・・・・・殺す」」
「待て、本当に待て。ここで冒険者を殺してはいけない。殺せば俺達は犯罪者だ」
「ユウヒ君。ダンジョンの中で冒険者を殺しても、バレなければ良いんだよ」
「時間さえ経てば死体は勝手に消えるので、その間にどっか隠しておけばバレませんよ」
「完全犯罪を成立させる気か!? いいから落ち着けって、このぐらいで怒らなくていいから」
「いーや、今回は無理だね。どんな酷い目に遭わせようか・・・」
「物理的にやるなら、1人づつ攫って殺していく。あるいは魔法で一気に殺すか、ですね」
「物騒すぎるな!? 穏やかに出来ないのか! 例えば、アイツが時間をかけて殺した中ボスを、一瞬で殺して休憩所に入って、アイツらを馬鹿にするとかさぁ!」
「「それでいこうっ!」」
良いんだこれで!?
「とりあえず気配遮断で、アイツらにバレないようにしないとね。一応ユウヒ君にも付与しとくね」
俺はアリアナに気配遮断を付与される。
「よし行こう。アイツらを尾行して、あわよくば後ろから殺そう」
「だから殺しちゃ駄目だろ!」
「いいから行きますよ。じゃないと見失いますよ」
俺達は馬鹿にした奴らの後を追う。そしたら地下2階層に着く。
「少し先で戦っているね。今なら・・・」
「おい」
「分かってるよ」
「それにしても遅い動きですね~、よくこんな遅い動きで生きてこれましたね」
「比較対象を間違っていないか? アリアナやアリサを比較しても意味ないだろ」
「いえ、ユウヒさんで比較してましたが」
「俺も意味ないだろ・・・」
「それもそうですね。じゃあ一体誰を比較対象にすればいいでしょうか?」
「ミヤさんでいいじゃないか? あの人ならいい感じに比較対象になると思うが」
「ミヤ? 全然足りてないからダメだね。他の比較対象は・・・」
「リゼットはどうでしょうか?」
「あれはレベルか高いからダメ。後はあのモミジだっけ? あの人ならどうかな?」
「俺にはどう見てもあの6人パーティより強く見えるよ。後はマルティナ様達か?」
「勇者とダンピールがいましたね。後はあの5人の貴族も」
「あぁいたな。比較するならその5人の貴族だな」
「そう考えると、あの6人パーティは強い方だね。ちゃんと連携も取れてるし、無駄な動きもないね・・・。―――チッ、少しくらいは動き乱れろよ・・・」
「アリアナ? 何かちょっと怖いよ」
「ん? そうかな?」
「まぁアリアナが怖いのはいつもの事ですよ」
「アリサに言われたくないんだけど」
「はい? 何か言いました?」
「別に~」
「ここで喧嘩するなよ。丁度あのパーティが先に進んでいるから」
「「はぁ~い」」
俺達は6人パーティについて行く。




