449話 解呪水
次の日。外に出ると結界の外にバルナールがいた。
「(遅いぞ小僧。我をいつまで待たせる気だ?)」
「(知るか。時間指定をしてないお前が悪い)」
「(む、それもそうだな。我が悪かった、許せ小僧)」
「(意外と話せば分かるよな、お前は)」
俺はバルナールの方に行って、バルナールを抱えて結界の中に入る。
「その猫がバルナールですか?」
「そうだな」
「何か偉そうな猫ですね。自分がまだ黒竜だと思い込んでいるんでしょうか?」
「(この小娘、我が元ダークドラゴンだと知っておるのか!?)」
「俺とアリアナが勝手に喋ったからな。アリサ。コイツは念話で会話が出来るぞ。基本的に俺達の会話はそれで成り立っている」
「それなら問題ないですね。猫の言葉なんて分からないので」
「(この小娘の念話が出来るのか)」
するとアリサはバルナールを撫でようとする。バルナールは素直に撫でられる。
「普通に撫でられてる・・・。一体にどうしたの?」
「(なに簡単なことよ。こうやって撫でられていれば隙が生まれるだろ? その隙を狙って殺す)」
「普通の猫と違って、全然可愛くないですね」
「まぁ魔物だからな。で、呪いを解く物を持ってきたのか?」
「(持ってきたぞ。だかその前に、その小娘の手をどかせろ)」
「あぁそうですね」
そう言ってアリサはバルナールの頭から手をどかして、俺はバルナールを下ろす。するとバルナールは空間から瓶を出す。
「空間収納魔法が使えるのか」
「(ドラゴンなら誰しもが使える魔法だが。知らんのか?)」
「初耳だな。ドラゴンが使えるなんて。空間収納魔法ってそんなに貴重な魔法じゃないだろ」
「(戯け。ドラゴンの中での話だ。人族やエルフ族などでは、貴重な魔法には変わらん)」
「あっそう。それで、その瓶が呪いを解く物なのか? 俺にはどう見ても飲み物にしか見えないが」
「いや合ってるよこれで。これを飲むと大体の呪いは解けるよ」
「何で飲むと呪いが解けるんだよ・・・。普通は魔法とか本とかで解くものじゃないのかよ?」
「勿論それでも呪いは解けますよ。ただこっちの解呪水はとても効果が高いので、大体の呪いは解けます。ただ強力な呪いになりますと、この解呪水と高レベルの解呪魔法か、高レベルの解呪本が必要になります」
「流石にそれ1本だけじゃ無理があるか。何処で手に入れた?」
「(とある悪徳商人から盗んできた。かなり悔しそうな顔をしておったわ)」
「うわぁー・・・。ミミックキャットでもそんな顔はしないよ」
「で、これをあの目が死んでいる受付の人に渡せばいいんだな」
「(そうだ。我も同行する)」
「来るんだ。でもそれを渡したからと言って、必ずしも呪いが解呪されないと思うけど」
「(その時はまた手に入れればいい話だ)」
「簡単な事を言ってるけど。これってかなり貴重な物だろ。そう簡単に手に入るのかよ」
「そんな簡単に手に入る訳ないですよ。これを手に入れるのに時間と労力と魔力がどれだけ必要か・・・。考えるだけで嫌になりますね」
「それを盗んだのかよ・・・。盗られた持ち主にとっては、死ぬほど後悔してるんだろうな。悪徳商人だから別にどうでもいいが。因みに売っていたらいくらなんだ?」
「エリクサーよりかは安いですよ。それでも手軽に買えるような品物じゃないですが」
「まぁそうだよな。こんなのが沢山売られていたら、解呪魔法と解呪本の存在意味がなくすよな」
「(いつまで話しておる? さっさと行くぞ)」
「ハイハイ」
バルナールから瓶を受け取って空間の中にしまって、空間から転移石を取り出す。転移石を使って帝国の東門付近に転移する。
「(我はこの辺におる。あの女の呪いが解いたら、ここに連れてこい)」
「すぐに来れるかは分からないけど」
バルナールはどっかに行く。俺達はギルドカードを出して門番に見せて中に入る。そのまま冒険者ギルドに行って中に入り、受付の方に行く。
「これはユウヒ様方ではないですか。依頼ですか? 依頼ですね」
「勝手に話を進めないでくださいよ。依頼を受けに来たわけじゃないですよ。ちょっと渡すものがあるんです」
「?」
俺は空間から瓶を取り出して、それを目が死んでいる受付の人に見せる。
「これは・・・!? 失礼ですが御三方。もし時間がありましたら、応接室に案内します。どうですか?」
「いいですよ。その為に来たようなものなので」
「ありがとうございます。こちらです」
俺は瓶を空間の中にしまう。俺達は応接室に移動する。




