448話 精神的に
皇帝様が俺達を探しながらこっちに来たので、俺達は気配遮断を解く。その後リゼットさんの所に行って挨拶をする。
「ん? もう帰るの? 早いわね」
「あんまりここで長いしてると、そっちに迷惑をかけるからな」
「別に迷惑って思ってないけど・・・。転移するだけだけど、気を付けてね」
「そっちもな。特に魔王を殴ったりしないように」
「向こうが何かしてこなければ、ね」
絶対に何かするだろうな~・・・。
リゼットさんから離れて、俺は空間から転移石を出す。
「何処の門に転移しますか?」
「そうだな・・・。東門にしてくれ。勿論入国検査を受けるために、門番がいる方に転移してくれ」
「分かりました」
俺は転移石を使って、帝国の東門に転移する。着いたらギルドカードを出して中に入る。皇帝様達は住民票か何か出して中に入る。そのまま城の方に行って城の中に入って、執務室に移動する。
「今回の事は感謝する。またこう言う事があったら、その時はよろしく頼む」
「こちらの都合が合いましたら、その時は手伝わせてもらいます」
「(暇だからやるんだろうけどね)」
「(アリアナ、そう言う事は言ってはいけませんよ)」
するとドアがノックされる。皇帝様は許可をして中に人を入れさせる。
「――――――・・・帰っていたのか」
「おぉマルティナか。随分と表情が沈んでいるが、どうした?」
確かにいつものマルティナ様じゃない。
「余は・・・余は・・・、暇だ・・・」
「暇? いつもの書類はどうした?」
「それは終わった・・・」
「そうか。なら騎士たちと訓練でもしたらどうだ?」
「朝の内に終わった・・・」
「むぅ・・・・・・」
「最初はよかった。城の中にいればやる事は沢山ある、半年何てすぐに終わると。思っていた・・・。だが実際はどうだ? 書類などはすぐに終わるわ、騎士たちと練習もすぐに終わるわ、読んでいる本も読み終わるわ、城内を散歩してもすぐに終わるわ・・・。後これを5ヶ月以上暮らせと? 無理だ、暇すぎて余は死んでしまう・・・」
「「「「・・・・・・・」」」」
「皇帝様? これは大分精神的にヤバいのでは?」
「あ、あぁ・・・。オレが思っている以上に精神的やられてるな・・・」
「凄いね~。人から1つの自由を奪うと、ここまで精神的に追い込まれるんだ。一瞬演技かと思ったけど、そうじゃないんだよね~」
「更に騎士たちとの練習を奪えば、もっと面白ことになりますね」
「お前は悪魔か!? これ以上精神的に追い込んでどうするっ!?」
「発狂させるんですよ」
「止めろ!」
「父親の前でよく言える・・・。オレからも言おう。どうか止めてください」
皇帝様が敬語!?
するとまたドアがノックされる。皇帝様は許可をして中に人を入れる。
「――――――失礼します。あっ、姫殿下。ここに所にいましたか。そしてお久しぶりです」
「久しぶり。何かエフサークルで騒ぎがあったらしいが」
「騒ぎと言うレベルじゃないですよ! 前代未聞ですよ!」
「あぁその話は興味ないから。それよりマルティナ様の方を相手した方がいいぞ」
「・・・ユニスか。何か暇潰しでも見つけたか?」
「いえ全く。ここの人たちは色々優秀なので、ほぼやる事がないですね!」
「そうか・・・、そうか・・・」
「凄い、更に表情が沈んでるよ」
「後はどの言葉を言えば止めが刺せるのでしょうか?」
「だから止めろ」
「・・・・・・ユウヒ。貴様はどうやって暇を潰している?」
「はい? そうですね・・・。魔法を使って遊んでいます。例えばこんな風に」
俺は氷魔法で玉を1つ作り、それをアリアナに投げる。アリアナは氷の玉をキャッチして、それを俺に投げ返す。
「こうすれば、氷耐性と投擲のスキルレベルが上がります。氷の玉が壊れてもう一度作ったりしていれば、氷魔法のレベルが上がります」
「まぁ私とアリサが投げると、高確率で氷の玉が粉砕するけどね」
「慣れてくると、遠い場所から投げても掴むことが出来ますよ。何なら避ける事も出来ます」
更に言うと変化球も投げる事が出来るぜ!
「・・・それは楽しいのか? 余は楽しくないと思うが」
「人によりますよ。私は楽しかったですよ」
「――――――あぁそうだ。中庭の雑草をどうにかしようと思っていたんだが・・・。どうだマルティナ。雑草でも抜いてこないか?」
「少しでも時間が潰せるのであれば・・・」
「あっ、寝間着が汚れるので着替えてくださいね」
「分かっている」
そう言ってマルティナ様は執務室から出る。
「では私はこれで」
ユニスさんも執務室から出る。俺は作った氷の玉を壊す。
「これで少しは暇を潰せるといいが・・・」
「飽きなければ暇は潰せますよ」
「だといいが」
「では私達も失礼します」
「あぁ」
俺達は執務室から出て、城から出て家に帰る。




