46話 屈辱だ
「離してくださいよ、リゼットさん」
「・・・何でさん付けなのよ」
「私より年上だからです。それに親しい訳でもないですよね」
「昨日は呼び捨てだったのに?」
「昨日は怒っていましたから」
「なら、今すぐに呼び捨てにしなさい」
「お断りします。呼び捨てにする気は今のところないですよ」
「何で―――ひっ!」
隣にいるアリアナがリゼットさんを睨みつけている。俺も睨みつけられたら、泣く自信がある。
「ととととところでユウヒとアリアナは、お腹空いてない?」
声が震えてるな。まぁ無理もない。
「えぇ、空いてますよ。これから昼ご飯を食べに行くところです」
するとリゼットさんは笑顔になる。そんなに嬉しいのか?
「だったらここで食べない? 昨日お詫びとして、私が奢るわ」
何? 昨日のお詫びで昼飯を奢ってくれるのか? けどリゼットさんと一緒はのはちょっと―――でも今の金が少ないし・・・。ええいままよ!
「・・・ご、ご馳走になります」
「よし!」
リゼットさんとご飯を一緒に食べるのは、屈辱だが。タダで昼ご飯が食べられるのは、良いよな。
リゼットさん連れられて、左側にあるご飯が食べられる所に行く、
今思ったがギルドの中って広いんだな。外見で見たら広く見えない、魔法で中を拡張してるのか?
丸椅子に座りテーブルの上に置いてあるメニューを見る。
「アリアナは何食べる?」
「ユウヒ君と同じ物で」
同じ物ねぇ。さて何食べるか。って言ってもどんな食べ物か分からないからな。何か分かりやすい食べものは・・・おっ。オークのステーキか、これなら分かりやすいかな。
「決まった?」
「オークのステーキ2つで」
「じゃあ私は・・・これね。すみませ~ん」
「はいただいま」
店員さんを呼び、料理を注文する。注文が終わり、店員さんはカウンタ―の方に行く。
「ねぇユウヒ。昨日言っていたけど。襲われることは慣れてるって、言っていたけど。それって本当?」
「本当ですよ。じゃあなかったら、リゼットさんと会話しませんよ」
「一体今まで何をされたの?」
「あぁそういうの聞くのですか。まぁいいんですけど。今まで体験したのは、痴漢、ナンパ、逆ナンパ、誘拐未遂、性的暴力の未遂。これくらいですかね。基本的には痴漢やナンパはしょっちゅうでしたね」
「アンタそれでよく生きてるね・・・。よく自殺しようとしなかったわね」
「親がいてくれたので、何とか生きてましたよ。おかげでそう並みたいての事じゃなければ、そう簡単には心は折れませんよ。完全に襲われてどうなるか知りませんが」
「それをされる前に、先ず私が止めるけど」
「それはどうも」
「(昨日のあれはまだ大丈夫だったのね・・・)」
「お待たせしました」
店員さんが、丸テーブルに注文した料理を置いていく。
これがオークのステーキか、ボリュームがあるな。全部食べらえるか?
オークのステーキ以外にも人参やジャガイモもある、ご飯の代わりに黒パンがある。先ずはオークのステーキを食べる。
豚肉だ。少し厚い豚肉で味はシンプルに塩コショウだな。これで黒パンじゃなく、ご飯だったら最高だった。
「味付けがもう少し、豊富だったらよかったのに・・・」
「塩コショウ以外にあるの?」
「リゼットさんが知らないだけで、探せばあると思いますよ」
「ふ~ん。いつか見つかるといいわね」
リゼットさんは興味ないようだ。この世界の人達は料理の味とかどうでもいいのか? それにしても、リゼットさんが食べているのは、シチューとサラダか? 意外と食べない方なのか?
何て思い、昼ご飯を食べる。




