442話 リングエス
「ミヤさんじゃないか。こんな所で何してるんだ?」
「このリングエスの試し撃ちに来たのだよ。ついでにこの辺の魔物を一掃すれば、ここの人たちにとってはいい事だろ?」
「まぁそうだけど。で、リゼットさんが言っていた銃がそれか?」
「そうだとも。わたしがかなり昔作った銃を、改造したのがリングエスだ。弾を使わずに魔力だけを使えるようにしてみたが・・・。これが想像以上に使い方が良い。これが何丁も生産されたどう思う?」
「その銃が野心家の手に渡ったら戦争しそうだな」
「そうじゃなくても殺戮が起きそうだね。その銃って詠唱とかいらないんでしょう?」
「あぁ詠唱は必要無い。必要なのは個人の魔力とこの銃を使う腕前だけだ、しかも消費する魔力の量も変えられるから、威力も変わる。おかげで今のわたしはちょっと倒れそうだ」
「倒れるのは凄く困るが・・・。そう言えばソニアさんはどうした? この辺にいないぞ」
「ソニアなら他の所に行って遊撃をしている。そっちにアリサがいないが、彼女も同じ事をしているのだろ?」
「よく分かったな。それよりミヤさんが銃を使うから、門番が驚いてるぞ」
「キミの氷魔法のせいでもあると、わたしは思うが」
「どっちもどっちだと思うよ」
何かアリアナにだけは言われたくないな。
「まぁいい。とにかくここの死守しなければならないのだろ?」
「あぁそうだな。と言ってもこっちまで魔物が来ればの話だが」
「ならわたしも協力しよう。出来ればあまり前で戦ってほしくないがね」
「あぁそっか。銃だから間違えて俺達にも当たるな。まだ弓を使って戦うか」
「私も久しぶりに弓を使ってみようかな」
「アリアナも使えたのか?」
「使えるよ。と言うより、大体の人は一通り武器は使えると思うよ。その中でどの武器が使いやすいかを見つけるんだよ」
「そうなんだ。普通の人は1つの武器しか使わないと思っていたが、意外とそうでもないんだ」
「まぁこればかりは人それぞれだけど」
「会話をするのはいいが。魔物は来ないのかね?」
「今のところは来ないな。アリサとソニアさんが遊撃してるから、こっちに来ないんだろ」
「ん~、ソニアまで行かせるべきでは無かったか。ならどうやって暇を潰すか・・・」
「暇を潰すって・・・。ここから移動するって発想はないのか?」
「ん? 今のわたしは1人だぞ。そのわたしを違う場所に行かせるのは正気かい?」
「正気だが」
「正気だけど」
「キ、キミたちは・・・。一応言っておくが、今のわたしは走れないんだよ」
「何で?」
「今わたしが着ている服は、この白衣と靴しかないんだ。つまりほぼ裸だ。見たいかい?」
俺はすぐに空間からハリセンを取り出して、ミヤさんを叩く。因みにこのハリセンは、メアリーに大きめの紙を出してもらい、自分で作って少し魔法を付与した物である。
「いきなり何するのかねっ!?」
「馬鹿か! 何でちゃんと服を着てないんだよ!? 露出狂になりたいのか!?」
「しょうがないだろ部屋の中が暑かったんだから! 裸でいたら、何か急に外が騒がしいって聞いて、急いで出来たんだ!」
「そうだとしても服はちゃんと着ろ! ソニアさんは何をやっているんだよ・・・。流石にその状態で他の所に行かせるわけにはいかないな。ヘタしたら冒険者に襲われるんじゃないのか?」
「いや流石にそれはないと思うよ。流石にこんな危険な状態なのに、そんな事はしないと思うけど」
「そうだとも。ただ魔物は違うとわたしは思うがね」
「あぁ・・・うん・・・。とりあえずミヤさんはそこで待機だな」
「ねぇ聞きたいんだけど、森の方で変な魔道具ってあった?」
「あぁあったとも。ただその魔道具はリゼットたちが何とかした後、リゼットはエルフたちを叱っていたな。あの魔道具はどんなものかは分からないが、きっとロクな物じゃないのはわたしでも分かる」
「リゼットさんが何とかしてるなら、この魔物の群れは早く終わりそうだな」
「わたしにとっては残念であるがね。とりあえずここで待っていれば何かしらの情報は来るだろ」
「そうだな」
「ならここで待っているさ」
俺達はここで待機して、魔物の群れがこっちに来たら迎撃をする。




