436話 壁を作る
次の日。朝になり朝ご飯作り食べる。食べ終わった後は片付けをして、移動するために身支度を済ませる。それが終われば移動する。
「(ねぇユウヒ君。背中にくっついてるのって、やっぱりメアリー様だよね?)」
「(そうだが)」
「(一体何でそんなことになってるの?)」
「(私も飛んでもよかったのですが。折角なのでユウヒさんの背中にくっついていようと)」
「(前にそんなことあったね・・・)」
「(あったな。今度はアリアナの背中にくっつけば?)」
「(うん。そうなったら私が色んな意味で持たなくなるから、やめてほしいね。ただでさえ一緒に寝ていても色々ヤバい事になってるんだから・・・)」
本当にメアリーさんの事、好きすぎだろ。
「話をするのはいいですけど。前から魔物が来ますよ」
それを聞いた俺は一応鷹の目を使って前を見る。
「あぁ確かに魔物だな。あれはデザートオークでいいのか?」
「そうだね。肉も普通に食べられるから、そのまま殺して後で解体だね」
「リリアンには、少し遅く移動するようにと伝えてます。私が先に行って殺してきます」
「えっ、俺がやろうと思ってたのだが」
「やってもいいですが・・・その・・・」
「・・・あぁ」
アリサが言いたい事は分かった。俺の背中にメアリーさんがいるから、もし激しい動きをすれば落ちる可能性がある。それは避けたいのだろう。
「じゃあ行ってきますね」
アリサは先に進みデザートオークを殺す。
「ユウヒさんは行かなくていいですか?」
「行きたかったんですか。こっちにちょっと事情ありまして・・・」
「事情があるニャら仕方がないニャ。ユウヒがどれくらい強いか見たかったニャ・・・」
「いつか私が戦いますよ」
「・・・・・・思ったんですが。何でユウヒさんは敬語なんですか? アリサの友達ですよね?」
「あぁこれは癖ですよ。赤の他人には絶対に敬語で会話すると決めてるので」
「別に敬語じゃなくてもいいニャ」
「そう言われても、私は敬語を使っていきますよ」
「ニャー、何が何でも人との壁を作る人ニャ・・・」
だってこうしないと、いつ俺が口を滑らせてしまうか分からないからな。
「まぁそれはいいニャ。ところでアリサはいつ戻って来るニャ?」
「そろそろ戻って来ると思うけど・・・。あれ? デザートオークの数が多い」
「あぁ本当だ。これちょっと援護するか」
俺は氷魔法で弓を作って弦を引いて、弦を放してアリサを援護する。
「・・・それどうなってるのニャ?」
「弦を引いた状態でそこから弦を放つと、不思議と矢が出てくるんです」
「アリサも可笑しいと思いましたが、ユウヒさんも可笑しいですね」
「そうですかね? もう自分ではこれが普通になっているので」
「ユウヒがこれニャらアリアナも・・・」
「ユウヒ君以上に強いけど」
「やっぱりニャ・・・」
「あっ、やっと終わった」
前の方でアリサはデザートオークの死体を回収して、こっちに来る。
「今日の晩御飯は肉だな」
「少し分けてもらってもいいですか?」
「良いですよ。今回は沢山あるので」
「ありがとうございます」
「ユウヒさん! すぐに気配遮断を使ってください! デザートカーバンクルの群れがこっちに来ます!」
アリサがこっちに来た途端にそう言う。
「げっ!? それはヤバい。今すぐ気配遮断を使わないと」
俺は気配遮断を使う。
「ニャんで気配遮断を使う必要があるニャ?」
「これは言ってもいいの?」
「別に良いぞ」
「実はユウヒさんは、カーバンクル系に無条件に懐かれるんですよ。前に、家に沢山のカーバンクルが来たらしいですよ」
俺はアリサにそんな話をしたか? あっ、アリアナが喋ったのか。
「それは凄いニャ! それニャらさっさとカーバンクルを捕まえて、第2王女に渡してほしいニャ」
「お断りです。何で私がそんな事をしないといけないんですか?」
「そう言うと思ったニャ。・・・ユウヒのことを第2王女に伝えても?」
「そんな事をしたら、リリアンを殺さないといけないんですか」
「分かったやめるニャ。アリサに殺されるのは勘弁ニャ。でも何処かで情報が流れた場合は、勘弁してほしいニャ」
「まぁそれは仕方がないですね。そうなった場合は第2王女の前でキッチリとお断りをします」
「そ、それはちょっと不敬罪に・・・」
「不敬罪で捕まえようとしようものなら、ラインディガー共同王国を滅ぼすよ」
「エルナ。絶対にユウヒの情報が漏れないようにするニャ。さもなくば王国が滅ぶニャ」
「分かりました」
そんなやりとりをしていたら、デザートカーバンクルの群れがこっちに来る。デザートカーバンクルの群れは、こっちを見てズレて馬とぶつからないように取り過ぎる。その際にデザートカーバンクルの群れを追い掛け回す、共同王国の第2王女達を見る。
「狐だ」
「そうだね。ちゃんと尻尾もある」
「意外と綺麗な人でしたね」
「獣人族では3位に入る美女ニャ」
「あれで3位ですか。つまり後2人はアレを上回ると?」
「上回るニャ。デザートカーバンクルの群れはどっか行ったニャ。そろそろ解いてもいいと思うニャ」
「それもそうですね。思ったんですが、こっちを見て会話をしてますが。私が見えてますか?」
「見えないけど、匂いは残ってるニャ」
「そうですか」
俺は気配遮断を解く。馬車は普通の速さに戻して先に進む。




