429話 無駄な事
「なぁアリサ。魔石を設置しなくてもいいのか?」
「――――――あっ! すっかり忘れてました!!」
アリサはすぐに空間から魔石を出して、魔石を設置するところに行って、魔石を置く。
「一番忘れちゃいけないだろ・・・」
「つい台所の話で盛り上がちゃって・・・。で、ユウヒ君とメアリー様は何してるの?」
「靴を置くための箱を作ってる。それが今出来た」
俺は箱を持って、テントの出入りの横に置く。
「いやー危なかったですよ~。あと少しでここの空間が壊れる所でしたよ」
「サラッと恐ろしい事を言ってないか?」
「言ってましたね。因みにここの空間が壊れると、私たちは空間の間に囚われます」
「こわっ!? 俺が言ってなかったらとんでもない事になってるじゃないか!!」
「大丈夫ですよ。どうせ転移魔法で帰れるので」
「転移魔法で帰れるものなのか?」
「帰れますよ。転移魔法と転移石は空間移動してるので、空間の間に囚われても普通に転移は出来ますよ」
「空間移動してるって言うけど。空間移動してるっていう実感が湧かないな」
「まぁ使ってる時は瞬間移動してるって感じだからね。実は空間移動してるよって言われても、実感が湧くどころか、空間移動って出来るものなの? ってなるね」
「今現在俺がなっているな。まぁそれはいいとして、次は何を置くか・・・」
「テーブルと椅子ですね。あっ、メアリー様は何もしないでくださいね」
「え・・・」
「メアリー様はすぐに創っちゃうから、ちょっとね・・・」
「手伝いたい気持ちは分かりますよ。ただちょっと加減と言うのを憶えてください」
「・・・・・・」
メアリーさんはまた落ち込む。
「私はどうしたらいいのでしょうか・・・?」
「そうだな・・・。見守っていればいいじゃない?」
「そう・・・ですか・・・」
本当に手伝いたかったのか。でも確かに加減と言うか、限度って言うのを憶えてほしいものだな。
「ねぇアリサ。思ったんだけどさぁ~、わざわざテントの外側に付与とかしなくて、よかったと思うけど」
「何でですか?」
「だって私が雨の雪も嵐も防ぐ結界を張るから、そんな事をしなくてもいいじゃない?」
―――確かに。
「えっ、アリアナはそんな事を言っちゃんですか? こういう事をやる楽しみを分からないんですか?」
「全く持って分からないね。テントの中を拡張する事は分かるけど、無駄な事をするのは分からないよ」
「ちょっと表に出ろ」
アリサとアリアナテントから出る。
「いつもの事だから気にしないが。さてどうしたものか」
「とりあえずテーブルと椅子を買いに行ったらどうですか?」
「買いに行くのはいいが、何処に行くかだよな。帝国は昨日行ったし行くとしたら、魔王城がある街か」
「それでしたら早めに行きましょう」
「・・・そうだな」
俺とメアリーさんはテントから出る。出るとボロボロのアリサがいて、少しスッキリたアリアナがいる。
「今日はアリアナが勝ったのか」
「ちょっと油断しました・・・」
「ちょっとどころじゃないけどね。それより行くんでしょ、魔王城がある街に」
「どうやって聞いたか知らないが、話が早くて助かる」
「テントは持って行きますよ。魔石が勿体ないので」
アリサは傷を治しながらそう言う。傷が治ったらテントを畳んで、アリサがテントを持ってそれを空間の中にしまう。その後は転移魔法を使って、魔王城がある街の西門付近に転移する。転移したら門番にギルドカードを見せて中に入る。
「さて家具屋は何処にあるんだ?」
「こっちだよ」
アリアナに案内されて店に着いたら中に入る。
「いらっしゃいませ~」
中に入ると色んな家具が売っている。
「家具屋は初めて入るな。色んな家具が売っているな」
「長いテーブルはありますかねー」
「椅子も5つくらいは欲しいね」
「予備なら6つくらいはあってもいいだろ」
「タンスはいりますか?」
「タンスは別にいらないな。特に服とかは買わないしな」
「あっ、服と言えば―――」
俺はすぐにアリサの口を塞ぐ。
「アリサは余計な事を言わない。アリアナもだからな」
「ん~。今回は本当に言わない方がいいね」
「(?)」
特にメアリーさんは気にしてなかった。俺はアリサの口から手をどかす。俺達はテーブルと椅子を見る。
「特にこだわりはないから、このテーブルでいいか?」
「いいじゃない? 粗悪品じゃないし長持ちしそうだし」
「セットである椅子も丁度4つですね。後2つの椅子はどうします?」
「そうだな・・・。あ、この2つにしよう。丁度このテーブルと椅子と合う。すみませーん!」
俺は店員さんを呼んで、テーブルと椅子のセットと2つの椅子を購入する。
「合計銀貨5枚と銅貨85枚です」
俺は空間から銀貨と銅貨が入った袋を出して、それぞれ銀貨5枚と銅貨85枚をカウンター上に出す。
「ちょうどですね~。テーブルと椅子の方は配達でいいでしょうか?」
「あ、空間の中に入れるので大丈夫です」
アリサがテーブルと椅子を空間の中にしまう。俺達は店の出入り口に行く。
「ありがとうございました~。またのご来店をお待ちしております~」
店から出て俺達は家に帰る。




