425話 ブレイブスケルトン
「今度は何をやるか」
「この依頼書に書いてある、ブレイブスケルトンはどうですか?」
「ブレイブスケルトン? 何だそれ?」
「簡単に言うと、勇者骸骨です」
「ついに骸骨が勇者になってよ・・・。ということは勇者の加護でもついてるのか?」
「いやついてないよ。ただスキルがちょっと特殊で、勇者のオーラを持ってるんだよ。効果は運以外の攻撃力から敏捷までのパラーメタを、50%増やすんだよ」
「勇者の神の加護より強くないか?」
「ただそのスキルを使えばの話ですよ。有効持続時間は2分で、一度使ったらしばらく使えません」
「効果は少ないが常にその状態を選ぶか。持続時間は少ないが効果は加護以上、ただししばらく使えない。どっちがいいか悩むよな」
「(安定を取るなら加護なのでは?)」
「それもいいけどさぁ、すぐに終わらせたい時はスキルの方かな」
「あるいは両方っていうのもアリですよ。合計80%で一気に殺しい行くは、きっと楽しいですよ」
「まぁ俺は特に必要はないかな。この依頼を受けるか」
依頼書を剥がして受付の所に行って、依頼を受ける。ギルドから出て北門から出て移動する。
「場所は・・・。王国より更に北東にある洞窟か」
「とりあえず王国付近に転移してから行きましょうか」
俺達は人目がつかない所に移動して、転移魔法で王国の西門付近に転移する。転移した後はアリアナが前に出て、北東にある洞窟を目指す。
「この辺来るのは初めてだな。何か見た事が魔物でも出来ないかな?」
「どうだろ。人族の領土から変わってないから、魔物は変わってないと思うよ」
「そうか・・・」
「でも魔族の領土から来る場合にありますから、もしかした出てくるかもしれませんよ」
「いやいやここ北東だよ流石に出てくるわけがないよ」
「そうですよ。アリサは何を―――」
歩いていると、左の方から泥っぽい色をした虎が出てくる。
「あれはマッドタイガーですね。普通は魔族の領土で生息してますね」
「ほ、本当に出来てきたよ・・・」
「流石にこれは予想外ですね」
「まぁこんな事もあるよな」
マッドタイガーは特にこっちを見ないで、そのままどこかに行く。
「見て見ぬふりでもしてるのか?」
「ミニドラゴンと同じで、本能で分かったのでしょう」
「またそういう奴か。先に進むか」
俺達は移動を再開して洞窟に向かう。
アリアナが先導してくれたおかげで、すぐに洞窟に着く。中に入ってブレイブスケルトンの所に行く。
「ここはそんなに中が入り組んでないから、すぐに着くね。魔物もそんなにいないし」
「魔物がそんなにいないのが意外だな・・・。まぁ考えても分からないな。案内よろしく」
アリアナは光魔法で周りを照らしてから、前に出て先に進む。俺達はその後を追っていく。
「洞窟も少し広いな・・・。これくらい広ければ、たまには拳で戦って見るか」
「ユウヒ君は体術を持っていたね。あまり素手で戦っているとこを見てないけど」
「お母さんから教わったのは、あくまで護身術だから魔物相手には使えないからな」
「なら盗賊と戦う時にやればいいのでは?」
「盗賊でやるのはいいけど、それは帝国とか王国が近い時にやるか。それ以外はやっぱり殺すしかないな。仮に魔物と戦うなら、護身術は効かないと思うから、護身術を使わずに殺す事になるな」
「その魔物が丁度こっちに来るよ」
こっちに来たのは10体のゴブリンだった。俺は氷魔法で両手に籠手を作り、そのままゴブリンの方に行く。先ずは先頭にいる2体をすぐに殺して、少し団体を乱す。前にいる3体のゴブリンを手刀で殺し、1体の死体の足を持って1体のゴブリンに投げつける。1体の動きを封じたと同時に、4体のゴブリンが一斉にこっちに来る。俺も4体のゴブリンの方に行って、1体づつすれ違いざまに首を強く殴って折る。最後に死体の下敷きになったゴブリンを見たが、既にいなくなっていた。
「1体殺し損ねたな」
「別にいいんじゃない。どうせこっちに来ても死ぬだろうし」
「そうですよ。それより先に進みましょう」
土魔法で死体を地面深く埋めて、俺達はブレイブスケルトンがいる所に行く。




