422話 色んな意味で
裏・修羅のダンジョンから帰ってきて、3日後。家の外に出て氷魔法でテーブルと椅子を作り、俺達は椅子に座る。今日はリゼットさんが来ているが、メアリーさんに睨まれていて顔を青くしてる。リゼットさんは俺に近づいて、耳元に声をかけてくる。
「ちょっと! 私何で睨まれてるのよ!? 私は彼女に何かしたっ!?」
「別にリゼットさんはあの人に対してやった訳じゃなくって、俺に対してやった事に怒ってるんだよ」
「えっ!? 最近は大人しくしてるわよね?」
「最初に俺とリゼットさんが会った時だよ」
「・・・・・・あ」
そうメアリーさんは、俺とリゼットさんが会った時に対して怒ってる。それさえなければ普通だと思う。しかし、リゼットさんがこっちに来ると分かったのか。アリアナとアリサは朝ご飯を食べ終わった途端にどっか行った。多分殺し合いが起きると思ってるからか?
「メアリーさん。そろそろ許したらどうだ? 俺は被害に遭った訳じゃないし、逆にリゼットさんが死ぬような事になっていたし」
俺がそう言うと、リゼットさんは首を縦に振る。
「そうですが・・・。ですが、次はありません」
「ハ、ハイィィ・・・」
次同じ事があったら、リゼットさんは消されるのか?
「――――――んんっ! 私はリゼット。もうユウヒから聞いてると思うけど、私はサキュバスの上位種のリリス。よろしくね」
「私はメアリーです」
リゼットさんは知らないとは言え、メアリーさんに対して敬語を使わないのか。メアリーさんは別に気にしてないようだけど。
「アリアナとアリサは何処? いつもならユウヒの隣にいるのに」
「2人はどっか行ったよ」
「どっか行く私はほど嫌われてるのっ!?」
「あぁいや。今回はちょっと事情があってどっか行ってるよ」
「そ、そう。それならいいわ・・・」
実際は殺し合いが起きそうだから、避難したんだと思うけど。
「そうだ。ユウヒとメアリーは知ってる? 今エフサークルがいままで以上にお祭り騒ぎになっている事を」
「俺は知らないが」
「私もです」
「何か創造神様が降臨なされたー! って言ってお祭り騒ぎよ」
「まぁそれはそれは」
「そうなんだ。そのエルフ達は創造神様の姿は見たのか?」
「見てないらしいわよ。ただ、創造で作った創造神様の像とか絵が急に壊れたり。女王様の部屋に創造神様が直々に書いたと思われる紙が、置いてあったらしいわよ」
「へ~・・・。興味ないな」
「そうですね」
だってその創造神様は今隣にいるし、今まで以上に祭り状態にさせたのは俺達だしな。
「アンタたちは・・・。もう少し興味を持ったら? 凄い事なのよ、長年創造神様の性別が分かったし」
「創造神様の性別が分かったのか? どっちだ?」
「女性よ。今エフサークルでは急いで新しい絵や像を創っているみたいよ。次来た時に変わってなかったら殺しに来るって、書いてあったらしいわ」
「それは怖いですね。一体何を考えてるのでしょうか?」
いや本当だよ。一体メアリーさんは何を考えてるんだよ。
「そうよねー。話変わるけど、冒険者ギルドのランクが見直されて変わったわ。新しくSSSランクが出来たり、ランクアップの条件に依頼の達成数の他にレベルも含まれるようになったの」
「げっ! それはちょっと困るな。今の俺達のレベルの桁が違うからな・・・」
「そうでしょ。私よりもレベルが高いんだから、気を付けなさいよ」
「でもどうやってレベルを調べるんだ? まさか鑑定が使える人を雇うのか?」
「いや。最近できた鑑定魔道具を使って、それでレベルを確認するわ」
「あぁ魔道具を使えばいいのか。だけどレベルを誤魔化していたらどうするんだよ?」
「大丈夫らしいわよ。その魔道具には鑑定と嘘が分かるものも付いているから、すぐに嘘だと分かるわ」
「そうなのか・・・。ってかそれだとなおさら俺達駄目じゃないか! どうやって隠せばいいんだよ!」
「ん? あぁそうね! そうなるわね。まぁ頑張りなさい。バレたら私と同じSSランクかSSSランクよ」
「あれ、リゼットさんはランクが上がったんだ」
「上がったわよ。元々依頼の達成数は超えていたし、レベルも2000を超えたしね」
「2000か・・・。SSSランクは?」
「4000よ。これくらいいけば簡単にドラゴンは殺せるわね」
「4000でSSSランクに上がる条件か。・・・なぁさっきからメアリーさんをチラチラ見てるけど。どうした?」
「えっ! いやちょっと、綺麗だなーって思って・・・」
「なら堂々と見ていればいいだろ。リリスなんだし」
「どう言う意味よ・・・。でも見てると何か恥ずかしくなってくると言うか・・・」
「あのリゼットさんがここまで言うのか? メアリーさん。スキルで魅力でも持ってるんですか?」
「いえ持ってませんが」
「素かよ・・・。そうだ。リゼットさん、ちょっとメアリーさんを見つめてみてよ」
「はぁ!? ムリムリムリムリ! 5秒見ただけで顔が赤くなるわっ! 逆にユウヒは平気なの!?」
「平気だけど」
「アンタちょっと可笑しいわよ!?」
「失礼だな・・・。ただもう見慣れてるだけだろ。あるいは元から耐性があるかだ」
「嘘でしょ。あんな美人な人を見慣れてるって・・・」
「いやリゼットさんも美人だからな」
「――――――っな!?」
リゼットさんは顔を赤くしてする。その状態でメアリーさんを見る。メアリーさんは少し微笑んでリゼットさんを見る。それを見たリゼットさんは耐えられなかったのか、顔を両手で隠して上半身をテーブルの下に隠す。
「何止めを刺してるんだよ・・・」
「いえこっちを見てきたので、少しは微笑んでおこうと思って」
「リゼットさんがもう色んな意味で立ち直れなさそうだが。まぁいいか」




