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421話 無数の矢


 裏・修羅のダンジョンの22階層から30階層まで、全てメアリーさんが無双する。正直俺やアリアナとアリサはいらないんじゃないか? 帰っていいかな? ・・・多分許されないだろう。


「ユウヒ君。ちょっと止まって」


 俺はあと1歩で次の階層に行こうとしたら、アリアナに止められる。


「何かあるのか?」

「あるよ。あと1歩前に出ていたらユウヒ君はどっかに飛んで行っていたよ」


 ジャンプ台でもあるのか?


「しかもこの先は全部罠しかありませんよ」

「じゃあ飛んで行けばいいじゃないのか?」

「そうしたいんですが、飛んで行けば永遠に無数の矢が飛んで来ますよ」


「それ攻略出来るのか?」

「出来ますよ。私がこの辺一帯を吹き飛ばせば」

「それは却下。1つ1つ解除って出来ないのか?」


「出来るよ。例えばユウヒ君が下りようとした場所に、何か重いものを置けばそれが犠牲になるよ」

「なるほど」


 俺は氷魔法で大きな氷を作り、それを俺の前に置く。すると罠が作動して大きな氷はどっか飛んで行った。


「本当にどっか飛んで行ったな・・・。何処まで行ったんだ?」

「そうですね~・・・。かなり先まで行って何か所か罠が作動したみたいですよ」

「それでも何か所かしか作動してないのか。これで移動しても矢が飛んでくるよな?」


「飛んでくるね。どうしよっか。本当にメアリー様が言っていた通り、この辺を一掃した方がいいかな?」

「だからからそれはやめてくれ。普通の罠壊すのはいいけど、何もここの地形を壊すのは駄目だろ」

「そう言われても他に方法が・・・。あ」


 アリサが何かに気付いたようだ。そのままアリサは浮遊魔法で浮いてその先に進む。そのまま飛んで行けば無数の矢が飛んでくるが、特に矢は飛んで来なかった。


「何で矢が飛んで来ないんだ?」

「さぁ?」

「・・・多分ですが、無数の矢が飛んでくる条件は気配だと思います。人でも魔物でも気配さえ察知すれば作動する罠だと思います。勿論、罠を仕掛けた本人は反応しない罠ですが」


「そうです! 気配さえ消してしまえば、矢の罠は作動しません!」

「そんな罠もあるのか。初めて知った」

「褒めてもいいんですよ」


「・・・それさえなければ褒めていたな。でも俺だと絶対に気付けないな。罠は仕掛けてある所を踏むか押すかをしないと作動しないから、気配を察知して罠が作動する何て普通は考えないな」

「ユウヒ君がいた所では、気配で罠が作動するのってなかったの?」

「ないな。そんな罠聞いた事ない」


「じゃあ先に行きましょう。あ、ユウヒさんが持っている気配遮断では気配が察知されますよ」

「ここの階層は突破させる気はないと見た」


 俺は空間からヴェールを取り出して頭に付ける。俺はアリアナに気配遮断を付与してもらい、風魔法で体に風を纏って、空を飛んでアリサの方に行く。2人も付いてくる。


「ここの階層だけ罠が沢山あるんだよな・・・。これを全部解除しようとしたら、一体どれくらいの時間がかかるんだ?」

「罠にもよりますが、最低でも3ヶ月はかかると思いますよ。運が悪いと半年以上時間を費やす必要もあります」

「そんなに時間がかかるのか。スキルだとどういう扱いになるんだ?」


「スキルは罠察知と罠解除になるね。習得しとくと便利だよ」

「いつか習得したいな。ところでメアリーさんは? さっきから気配察知に反応しないんだが」

「私ならユウヒさんの後ろにいますよ。正確にはユウヒさんの背中に背負ってもらってる、と言った方がいいですね」


「!!??」


 メアリーさんの声が聞こえたのは、俺の真後ろだった。


「いつからっ!? いつからいたんだよ!?」

「皆さんが前に進みだした時です。丁度ユウヒさんの背中が空いていたので」

「背中は特に違和感がなかったぞ・・・。普通の気配遮断じゃないよな」


「気配遮断・極です」

「極になると触られてる感覚もないのかよ。あまり使わないでくれよ。いくら状態異常無効があるからと言っても、常に発動してるわけじゃないんだから。いつか気絶するぞ」

「そうですか。その時はその時です」


 何かもう溜息も出ない・・・。


「階段を見つけたよ」


 アリアナが階段を見つけたようだ。俺達はそこまで行って着地しないで、そのまま階段に入る。入ったら段差の所で着地して気配遮断を解いてから先に進む。今度はアリアナが先に行く。


「うん。ここも罠しかないね」

「・・・今日はもう帰るか。もう一度ここまで来るのは嫌だが、またここまで頑張るか」


 俺は転移魔法を使って家の前に転移する。


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