420話 凄い顔
時間まだ残ってるので、裏・修羅のダンジョンの地下20階層の休憩所に転移する。
「いつの間にか修羅のダンジョンを突破していたのですね。何故私がいない時に突破したのです?」
「いや、特に待つ必要はないし。早く突破したかったから」
「・・・ここを突破する時は、私がいる時にしてください」
「それちょっと約束が―――」
「いいですね?」
メアリーさんには俺近づいてそう言う。俺は顔を青くしながらうなずく。メアリーさんはそれを見て、後ろに下がる。
「そこは顔を赤らめるところですが」
「いや無理だから。メアリーさんみたいな強い人に、顔を近づけられたら誰だって青ざめるから」
「それはユウヒ君だけだと思うよ。普通は顔を赤らめるから」
「そうですよ。私とアリアナでも顔を赤らめますよ」
「そんなものなのか? 基本的にそんな場面とかはなかったけどなぁ・・・。あるいはそれだと逆効果なんじゃないのか?」
「そうですね。ユウヒさんの場合は男装した―――」
俺はすぐにメアリーさんの口を塞ぐ。
「メアリーさん。それだけは絶対に言わないように。それは心のどっかにしまって置いてください!」
メアリーさんはうなずく。俺はそのまま手を離す。
「で、ユウヒ君。男装した、の続きは?」
「絶対に続きありますよね? 言っちゃった方が色々軽くなりますよ」
「色々って何だよ! 2人とも。これ以上聞くと、二度と喋らないが」
「――――――先に進みましょうか」
「そうだね」
2人は先に行こうとする。
「メアリーさん。一応釘を刺しておきますが、喋ったら二度と・・・」
「分かりました。心の片隅に置いておきます」
俺とメアリーさんは2人を追いかける。2人はあと1歩で次の場所に行く所だった。俺達は一緒に次の場所に行く。
「前も草原だったけど。今回も草原か」
「前から魔物が来るけど。今回は魔物の方は全力で殺しに来てるよ」
「いつも全力で来てると思いますが・・・」
俺は鷹の目で前を見る。確かに魔物達は凄い顔でこっちに来る。
「こっっっわ。何であんなに怖い顔でこっちに来るんだよ・・・」
「今まで殺された仲間の仇なんじゃないですか?」
「まぁ勝てるだろ」
俺は空間からレイピア2本を出そうとすると、メアリーさんが前に出る。
「何でメアリーさんが前に出るんだ? まさか戦うのか?」
「そのまさかですが。私ももう少し戦いたいと思いまして」
「止めた方がいいのでは? 1回の攻撃で地形が変わるような気がするのですが」
今地形が変わるって言ったか? 俺も一度少し地形を変えてるが、メアリーさんの場合は一番ヤバい気がする・・・。
「大丈夫です。ちゃんと加減をします」
「じゃあ安心ですね」
「安心なのか? 絶対に安心できないだろう!?」
「大丈夫だよユウヒ君。いくらメアリー様でも、ダンジョンを破壊するような事はしないよ」
「本当に? 本当に大丈夫なのか? 加減を間違えて地形が消滅とかしないよな?」
「ユウヒさん? いくら何でも心配し過ぎですよ。それにもうメアリー様はもう行きましたよ」
「嘘だろっ!?」
俺は前を見る。すると魔法陣もないのに、空から何かレーザーっぽいものが魔物達に向かって降り注いでいる。
「――――――ナニコレ? ホントウニナニコレ?」
「メアリー様が戦ってるだけだよ。ほら地形は変わってないでしょ」
「いやそうだけど! なにあの攻撃はっ!? 最終決戦でやるような攻撃はっ!!?」
「あれは威力が低い攻撃だよ」
「あれで威力が低い攻撃・・・。なら普通に攻撃したらどうなるんだよ」
「この星が貫通します」
「・・・もう何て言葉にすればいいか分からねぇー。・・・あれ、何で俺と戦う時は武器を持って戦っていたんだ?」
「加減らしいよ。武器は壊れないようになっているけど、武器を持っていれば自然と加減が出来るって。言っていたよ」
「武器を持つと加減が出来るってどう言う事? 普通逆じゃないか?」
「そこはメアリー様ですから」
「そんな理由で片付けないでくれよ。あぁもう、どっちが魔物が分からねぇよ・・・」
「メアリー様は神だよ」
「そうだけど・・・」
「終わりました」
メアリー様がこっちに戻って来る。
「何かもう、何も言いたくない」
「何故でしょうか?」
「メアリー様。流石にあんなのを見せつけられたら、誰だって何も言えなくなるよ」
「そうでしょうか? これくらいは普通かと」
「普通じゃないからな。俺含め、全種族が普通じゃないって言うぞ」
「そう言うもの何でしょうか?」
「そうらしいよ。ここまで出来る種族はほぼいないと思うよ」
「まぁ・・・。意外と弱者しかいないのですね」
「弱い人ですみません」
「! いえ、ユウヒさんの事を言った訳ではないです」
「いや分かってる。俺はまだまだ3人の足元どころか、それ以下だ・・・」
「あ、あの・・・」
「ん~、これはメアリー様の言い方が悪かったかな?」
「そうですね。それより先に進みません?」
「そうだな。先に進もう」
「あ、立ち直ってる」
「別にそこまで落ち込んではないからな。ただちょっと現実逃避してただけだ」
「そ、そうですか」
俺達は次の階に行く階段を探しに行く。




