418話 祟り
「オラオラオラァ野郎ども! サッサと木を切り倒さんかいィィィィィ!!」
「お親方~。こんなに木を切り倒して大丈夫っすっかね~?」
「あぁ? んなもん大丈夫だろ。何せここにある木は、切り倒しても明日には元に戻ってるんだ。な~んも問題はねぇだろ」
「そうじゃ無いっすよ。こんなに切り倒してた後で、祟られるんじゃないかって。自分ずっと考えてるんっすよ」
「たたりィィィィ? んなもんはある訳ねぇだろボケが! サッサと手を動かして木を切り倒さんかい!」
「ヘイヘイ・・・。ところで、何で自分らが木を切り倒してるんっすか? こう言うのは獣人族の皆様がやる事っすよね? 自分らは物を作る方が向いてるっすよ」
「ボケが。獣人族にやらせたら木が使い物にならんだろ。力は儂らよりあるが、・・・雑過ぎる」
「あぁ~何となく分かるっす」
「無論マシな奴もいるが・・・。どーも力の加減が出来てねぇ」
「だから自分らがやる必要があるって事すか?」
「そうだ。分かったサッサとやれ」
俺達は気配遮断を使いながら移動していたが、ドワーフ達が木を切り倒している所を見ながら通り過ぎる。
「切り倒していたのはドワーフ達だったか。少し話を聞いていたけど。祟りってあるのか?」
「ないんじゃない? ここって特に神秘的な場所でもないし、かと言って地獄のような場所じゃないし」
「いや地獄のような場所だろ。歩いてるだけで複数の魔物が現れるんだから」
「他の場所も同じだと思いますが」
「メアリーさん。他の場所はまだマシだよ」
「まぁ私たちには関係ないので、スルーして先に進みましょうか」
アリサにそう言われて、俺達は先に進む。
「・・・木がねぇ」
先に進むにつれ木がなくなっていく。原因は言わずともドワーフ達のせいだ。
「あのドワーフ達は何処まで伐採をしてるんだ?」
「分からないけど、速い進みでやってるかもね。あるいは何か所か別れて伐採をしてるかも」
「それヤバくないか? 橋とか門はあるが、ここって何処にも属してないんだろ」
「そうですね。この森を手に入れるには、それなりの実力がないとダメですね。それに真ん中にはあのリリスがいますし」
「―――リリス」
リリスって言う言葉にメアリーさんは反応する。
「どうしましたメアリー様? 何か気に障る事を言いましたか?」
「いえ。ただそのリリスにはいつか会って消――元い説教をしようと思いまして」
いま絶対に消滅っと言おうとしてただろ。
「何でメアリー様はリゼットの事を知ってるの?」
「前にユウヒさんが見せてくれた画像の中で、そのリリスが写ってた画像を見ました」
「じゃあユウヒ君が未遂で襲われそうになった事も?」
「勿論知ってます」
「あぁ~バレちゃいましたか。あのリリスとは仲がいい訳じゃないですが、合掌くらいはしておきましょう」
アリサは両手の手のひらを合わせて合掌をする。
「いやいや殺すと決めた訳じゃないだろ」
「えっ、そうなんですか?」
「・・・まぁそうですね。私が直接手を下さすと、色々面倒になるので。特に人族やエルフ族などは」
「そうだよね~。あっもう少しで門が見えるよ」
「私は見たのでこのまま家の帰りましょう」
「メアリーさんはいつ見たんだよ・・・」
俺達はこのまま家の方に行く。
「こっちも木が伐採されているな。このまま行って俺達の家がバレたりするんじゃないのか?」
「それは流石に・・・。なきにしもあらず、だね」
「あの・・・。アリサが急に先に行きました」
「「えっ、何で?」」
「何やら先に行って、ドワーフどもを血祭りに・・・」
「アリサは何を考えてるんだっ!?」
「―――いやいや殺してませんよ」
俺の後ろからアリサの声が聞こえた。俺は後ろを見る。
「急に声を出すな・・・。で、本当に殺してないんだろうな」
「殺してませんよ。ただちょっとドワーフたちの頭の中を弄っただけですよ」
「弄ったって。まさか・・・」
「アリアナは何を想像してますか? ちょっとした洗脳ですよ。そろそろ帰る時間だ、って」
「まぁそれくらいなら大丈夫だね」
「洗脳させてる時点で駄目だろ。あのままドワーフ達が進んでいたら、俺達の家はバレていたか?」
「確定ではないですが、バレる可能性はありました」
「マジか・・・。これはもう早く帰った方がいいな」
「そうですね。周りに人はいませんから、転移魔法で帰りましょうか。あ、今回は私が転移魔法を使いますね」
アリサがそう言う。俺達はアリサに触れて転移魔法で家の前に転移してもらう。




