406話 サイクロプス
ギルドに着いたら中に入る。
「何だこの活気が溢れた場所は? ギルド内でも祭り騒ぎか?」
「活気が溢れてるって言うより、殺気が溢れてると思うよ。多分メアリー様が来るかもしれないから、きっと今のうちに魔物を殲滅して安全を確保したいと思うよ」
「魔物からしたら迷惑な話だな。この状態のエルフとはあまり話したくないな」
「向こうは無駄な質問はしないと思いますよ。今は目の前の事で精一杯って感じですからね」
「それならいいが。加護の事を聞かれたらすぐにバレるからな・・・」
俺達は依頼書が貼ってある掲示板の方に行く。
「依頼書がほぼないだと? マジかよ」
「残ってるのは、ここから遠くなる依頼だけだね。ウッドドラゴンの依頼があるけど。やる?」
「ウッドドラゴンってどんなドラゴンだ?」
「体全体が木で出来てるドラゴンですよ。見た目からして弱そうなドラゴンに見えますが、口からランダムで状態異常になるブレスを吐きます。運が悪いと石化します」
「その上火が全然効かないんだよね~。逆に氷が効くんだよ」
「火が効かないか。まぁ木が燃えにくいって言うのはあるから、あまり驚かないが」
「えっ、そんなのあるの?」
「ある。何の木だったが忘れたが。他に依頼書はないしこのウッドドラゴンの依頼を受けるか」
俺は依頼書を剥がして受付所に行く。受付所に着いたら、依頼書とギルドカードを見せて依頼を受理してもらい、俺達はギルドから出て北門から出る。
「最後に確認されたのは北西から北北西辺り。木に擬態をしてるか注意しろ、だって。ウッドドラゴンてそんなに小さいのか?」
「ウッドドラゴンは全長約3メートルしかないから、そんなに大きくはないよ」
「それでも大きいだろ。それで木に擬態をしてるのか・・・。これは探すのに時間がかかるか?」
「北北西にいるから行こっか」
そう言ってアリアナは先に行く。
「・・・相手が擬態をしていても関係ないのかよ」
「まぁアリアナには関係がないでしょうけど・・・。アリアナに置いていかれる前に付いて行きますよ」
俺とアリサはアリアナについて行く。
「思ったんだけどさぁ。アリアナって擬人化状態なんだよな」
「そうだよ。私は本から擬人化して人になってるから、人と同じ事がある程度は出来るけど。流石に赤ん坊は出来ないけど。アリサは擬態と言うより変装?」
「私の場合はちょっと特殊な擬態ですね。普通に擬態をしては体の骨格などでバレますが、私が使う擬態は完全にその人そっくりになりますので。普通に見られてもまずバレませんね」
「つまりアリサは1から作り直してるのか?」
「そうなりますね。今ここでユウヒさんにもなれますよ」
「それはやめてほしいな。自分そっくりを見るのはちょっと・・・」
「いいじゃないですかちょっとくらいは。別にいやらしい事はないですよ」
「言い方がいやらしい・・・。とにかくやめてくれ」
「はい・・・」
アリサさん? そこまで落ち込みますか?
「―――何かこっちに来る」
アリアナがそう言うと、少し音が聞こえる。その音はどんどん大きくなり、何かがこっちに近づいて来る。
「グワアアアアアアアアアッ!!」
「あっサイクロプスだ」
こっちに来たのはサイクロプスと言うらしいが、俺の知ってるサイクロプスとは違うようだ。
「巨人だよな。サイクロプスってこんなに小さかったけ?」
「ユウヒさんが知ってるサイクロプスとは違うと思いますが、あれがサイクロプスですよ。それでも力は異常ですよ。私たちを無視て逃げるのも異常ですが」
「追われていたんじゃない?」
「おーいキミたちー! そっちにサイクロプスを見なかったかー?」
こっちにエルフのパーティが走ってくる。そのリーダーらしき人物が少し大きな声で言う。
「向こうに行きましたよー!」
「どうもー!」
俺が指を指した方向に、エルフパーティはそのまま先に進んで行く。
「まさか今のパーティがサイクロプスを? 意外ですね」
「貧弱のエルフがあそこまで強くなるなんてね~。メアリー様が来るかもしれないだけで、ここまでやる気が変わるんだ」
「信仰心が怖すぎる・・・」
俺達は移動してウッドドラゴンを探す。




