399話 後学のため
ギルドカードを魔道具にスキャンした後、報酬を受け取って受付から離れる。
「合計金貨6枚と銀貨900枚か。こんなもんか」
「あと1回受けようよ」
「もう夕方だぞ。それに掲示板の方にはエメさん達がいるし。正直行きたくない」
「気配遮断を使えばバレないよ。自前の気配遮断に自信ないなら、私が付与するけど」
まぁアリアナの気配遮断ならまずバレないな。
「それならいいか。でも、もう遅いからすぐに終わる依頼にするぞ。後、一応会話は念話でするぞ。声でバレる可能性があるからな」
「別に喋ってもバレないけど。いないのに声が聞こえるって言われるのは嫌だね。じゃあ付与するよ」
俺はアリアナに気配遮断を付与してもらって、依頼書が貼ってある掲示板の方に行く。
「(何をやるか。すぐに終わるのは採取系の依頼にするか、強い魔物の討伐にするか。悩むな)」
「(前に話した魔力草の採取はどう? ほとんどの人がやらない依頼だよ)」
「(ならそれでいいか)」
俺は魔力草の依頼書を剥がして、受付の所に行く。受付に着いたら、気配遮断を消してもらって。依頼書とギルドカードを見せて依頼を受理してもらう。俺達はギルドから出て北門からでる。
「魔力草は10枚で1束だから、合計50枚採る必要があるな。多くないか?」
「ユウヒ君が受けた依頼のランクはCだけど」
「Cだとこんなに採取しないといけないのか・・・。鑑定をしながら歩くか」
俺達は鑑定をしながら歩き出す。
「あ、1枚見っけ」
俺は魔力草が生えてる所に行く。空間からハサミを出して葉を切って手に取る。
「・・・これも苦いよな」
「苦いよ。もしかして食べるの?」
「いつか薬草とかを栽培出来るようにしたいからな」
一応浄化魔法で綺麗にしてから食べる。
「―――にっがぁぁぁ・・・」
「そりゃ苦いよ。でも魔力は回復するよ」
「回復したとは思えないな。まぁ魔力が多いから分からないのだろう」
「なら先に行こうか。50枚を探すのは大変だからね」
ハサミをしまって、俺は立ち上がり歩き出す。
「どっかに沢山生えてる所はないのか?」
「ない。というか、そんなの分からないね。そんな花とか薬草とかが生えてる場所を特定するスキルはないよ。見つけたかったら、ユウヒ君が望むスキルを創ればいいんだよ」
「創るのはいいが、この先そのスキルを使うかどうかなんだよ。あまり使わないスキルを創っても無駄になるからな」
「それって言い訳?」
「あぁ・・・うん・・・。言い訳っぽいな。実際使うのはかなり躊躇してるしな・・・。あまり使うと、自分の人間性がなくなっていくと言うか、何とか言うか・・・。まぁ使っていくとどんどん俺がクズになっていくんじゃないかって、思っているんだよ」
「そう? 私から見たらクズには思えないけど。多分この先もほぼ変わらないと思うよ」
「そうだといいが・・・。おっ、魔力草見っけ」
俺は魔力草の所に行く。
「(ん~・・・。加護とスキルという名の足枷になってるのかな。もう少し自由に使ってもいいと思うけど、ユウヒ君が決めた事だしこれ以上言うのはやめよ)」
「どうしたアリアナ?」
「何でもないよ」
アリアナこっちに来て魔力草の採取を手伝ってもらう。
「7枚か。まだまだ終わらないな」
「そうだね。ちょっと別れて探そうか。私は東の方に行ってくるね」
アリアナはそう言って、浮遊魔法で飛んで行く。俺は魔力草を空間の中に入れて、再び魔力草を探し出す。
さて、鑑定をしながら探してるが中々見つからない。意外と誰かが魔力草を採取してたりして。ん? 向こうで戦ってる音がするな。後学のために見に行くか。
俺は気配遮断を使って戦ってる場所に行ってみる。
「今だ! 後ろに回り込め!」
「もらったああぁぁぁぁ!」
男の1人が大剣でオーガを真っ二つにする。
大剣が1人剣と盾が1人、魔法使いが1人に弓が1人。テンプレパーティだな。お、向こうに魔力草があるな。俺の事は見えないだろうし、採りに行くか。
俺は魔力草がある所に行く。着いたら魔力草を採取する。
向こうで騒いでいるけど。ちゃんと警戒はしてるのか? 勝った時が1番油断するって、誰かが言っていたぞ。まぁ俺には関係ないけど。よし、ここは5枚もあった。空間にしまって次行こう。
魔力草を空間の中にしまって立ち上がる。俺は後ろを振り向く。
「どっか行ったか。―――って! アイツら死体をそのまま放置しやがった! 何を考えてるんだ!?」
俺は土魔法でオーガの死体を地面奥深く埋める。
「死体をこのまま放置すると、ゾンビとして復活することが分からないのか? オーガを殺すくらいだから、初心者じゃないよな。それともここではそれが普通なのか? 少しこの辺を歩くか」
俺は魔力草を探すついでに魔物の死体も探す。




