376話 死ぬからね
その後他の研究成果を見せてもらった。魔石を使って動く扇風機や掃除機など見せてもらった。正直、ここだけ中世から凄くかけ離れている。扇風機や掃除機がいつできたかは知らないが、少なくても18世紀以降だろう。ライフル銃もそうだが。
「これがあれば、生活に非常に便利ね。魔石が沢山あればの話ね」
「今のところ。魔石の消費を抑えて、それでいて効果を最大まで発揮させるのが。今後の課題だ」
「私は今ので十分だから欲しいわ」
「残念だが。これは試作品だから売る気はない」
「そう・・・」
リゼットさんは残念そうにする。
「さて、これらを見たユウヒたちに聞きたい。何か改善出来そうなところはないか。あるいはそれらしいことを聞きたい」
「そう言っても。俺達は素人だぜ。構造を見ただけで、すぐに改善する場所が分かる訳ないだろ」
「まぁそうだが・・・」
「現状、私とアリサは何も言えないよ」
「私も何も言えないわ」
「俺もだ」
「そ、そうか・・・。少し無理があったか」
言っちゃうと、魔石の消費を抑えて、効果を発揮させたければ。大本の部分を新しく作るしかない。あるいは制御するための装置を作って、それを組み込むしかないな。ライフル銃に関しては、マガジンを増やして、一部半自動状態にすればいいだろう。ゲームとかやってると、ついアサルトライフルとか欲しくなるよな。
「研究成果も見たし、俺達は帰る」
「私は?」
「リゼットさんは今日は泊りだろ。存分に楽しんで来いよ」
「お願い! ユウヒたちも残って!」
「嫌だ。それじゃあ!」
俺は空間から転移石を出して、リゼットさんを置いて家の前に転移する。
「本当に置いていった!?」
「リゼットはそこまでわたしのことが嫌いかい?」
「えっ!? き、嫌いと言うか・・・。ちょっと怖いと言うか・・・」
「何だ怖いだけか! なに、体を何か重ねればその怖さもなくなるだろう。一先ずわたしの部屋に行こうか」
「ちょっ! もうスルき!? まだ早いわよ!?」
「なに、ほんのちょっとだ。すぐに終わる」
「え、えええぇぇ!?」
私はミヤに手を掴まれて、ミヤに部屋に連れていかれる。
ミヤさんの家から帰ってきてから3月。家の前で氷魔法で作った椅子に座り、氷魔法で作ったテーブルの上にポテトチップスが盛った皿を置く。
「これで各属性のレベルがMAXだな。かなり時間がかかったな」
「そうかな? 私は凄く早いと思うよ。実際にユウヒ君みたいに、スキルを上げようとすると、確実に死ぬからね」
「あぁ~、確かに死ぬな。こっちはちょっとズルと言ってもいい事をしてるからな」
「そうですかね? そこまで考えつかなかった人が、悪いと思いますよ」
「あっそう」
そうだ。各属性のレベルがMAXになったから、何とか・極にならないかな? とりあえず、火属性耐性だけ見てみるか。
〈火耐性〉
受ける火属性を30%カットする。
レベルMAXでこれだけか。意外と少ないな。あ、火属性耐性が光ってる。やっぱり極になるんだ。
俺は火属性耐性に触れる。すると、火耐性・極または全属性耐性にするか。選択が出た。
まさか2つの分岐が来るとはな。条件は何となく分かる。極になるには、前のスキルのレベルを最大まで上げればいい。全属性耐性になるには、火耐性から闇耐性をレベルMAXにすれば出てくるだろう。
「なぁアリアナ。火耐性・極と全属性耐性をレベルMAXにしたら、どれだけカット率が上がるんだ?」
「極だったら最大で60%。全属性耐性は50%だね。でも、最終的に全属性耐性・極になるから。取るなら全属性耐性だね。こっちの方が楽だから」
「なるほど。なら俺は全属性耐性を取るか」
俺は全属性耐性を選ぶ。するとスキル所から、火耐性から闇耐性まで全て消える。代わりに全属性耐性が出てくる。
「これで全属性耐性を習得したか。また1からレベル上げか・・・」
「常に違う球体を起動させて、各属性の耐性を上げるよりマシだと思いますよ」
「ずっと火魔法の攻撃を受けていても、レベルは上がるのか?」
「上がりますよ。全属性なので」
「それなら楽だな。よしアリサ手合わせだ。今度は大剣でやろう」
俺とアリサは立ち上がり、テーブルから離れる。俺は氷魔法で大剣を作り、アリサは空間から禍々しい大剣を出す。
「ちょっと待て! 何だその禍々しい大剣は!?」
「普通の大剣ですよ」
「それの何処が普通の大剣だ! 明らかに普通の大剣じゃないだろ!?」
「大丈夫ですよ。斬られなければ、呪われませんから」
「斬られたら呪われるのかよ!?」
「呪われたら、私が解呪するから大丈夫だよ~」
「それじゃあ行きます、よ!」
アリサは大剣を俺の前に振り下ろす。俺は氷の大剣で受け流して、稽古を始める。




