370話 屈辱的な寝顔
次の日。いつ通り俺は目が覚める。
・・・・・・可笑しいな。俺とアリアの頭の位置は同じぐらいだったのに、いつの間にか俺が下にいる。しかもアリアナの胸のおかげで、窒息死するかしないかのギリギリの位置だ。これがメアリーさんだったら―――いやこれ以上やめておこう。これ以上何か思うと俺が消される・・・。
俺は何とかアリアナから離れる。
「起きろアリアナ」
「――――――んんっ? まだ・・・」
「リゼットさんと一緒に寝てる、アリサの顔を見たくないのか? きっと屈辱的な寝顔になってるぞ」
「――――――起きる」
アリアナはすぐに起きてベッドから下りる。俺も下りて、空間からスマホを取り出しす。スマホに電源の入れて、電波が届いてるかを確かめる。
今回も電波は通じてないか。
カメラアプリを起動させて、設定で音を無音に切り替える。俺達は部屋から出て、隣の部屋のドアを静かに開けて中に入る。そのままアリサとリゼットさんの所に行く。
「(あんまい嫌そうな顔をしてないね)」
アリアナが念話で話しかけてくる。
「(いやよく見ろ、アリサの顔は少し嫌な顔をしてる)」
「(そう? 私には普通の顔をしてるけど)」
「(アリアナ。この画像をよく見てみろ)」
俺はアリアナとアリサが一緒に寝てる画像を見せる。
「(アリアナとアリサが一緒に寝てる時の方が、いい顔をしてるぞ。それどころか少し微笑んでるぞ!)」
「(そんなわけ―――あるっ!? 確かに少し微笑んでる! ちょっと気持ち悪いかも・・・)」
「(そう言ってるが。アリアナも人のことは言えないぞ。お前も少し微笑んでるからな)」
「(・・・・・・それより早く写真を撮ろうよ)」
「(―――えっ。そ、そうだな)」
俺はアリサとリゼットさんが映る位置に移動する。
さっきの沈黙が気になるが、掘り返すと面倒だな。それにしても、何か俺のやってる行動って。腐女子ならぬ腐男子じゃないか? 男同士とかって見てると吐き気がする。逆に女同士の方がまだいい、寧ろもっとやれって思う。あれ? これって腐女子と変わらなくね? まぁいいか。―――よくないけど。
俺はアリサとリゼットさんを撮る。1枚だけではなく角度を変えて、2枚3枚以上撮る。
「(よし、これでいいだろう。撤収!)」
俺達はアリサとリゼットさんがいる部屋から出る。そのまま朝ご飯の準備をする。
朝ご飯が出来た後はテーブルに置いて、2階にいる2人を起こした後朝ご飯食べる。食べ終わったら片付けて、リビングから出て玄関から外に出る。
「ねぇユウヒ。カーバンクルいるけど、アンタがテイムしたの?」
リゼットさんが指を指した所を見る。
「いや、俺はテイム系のスキルはないが」
「私は持ってるけどテイムしてないけど」
「私もした覚えがありません」
「じゃああれはその辺にいる魔物ね。それにしても、流石修羅の森。カーバンクル何て探すのは苦労するのに、ここだとすぐに見つかるわね」
「俺、1回も遭遇してないし修羅の森で一度も見た事もないが」
「そうなの? それで、あのカーバンクルどうするの?」
「どうするも何も、テイムする気はないよ」
俺はカーバンクルに向けて、手で向こう行けとサインを送る。カーバンクルはその意味を分かったのか、トボトボ歩いてどっかに去って行く。
「勿体ない・・・。テイムして仲良くなれれば、額についてる宝石を貰えるのよ」
「だからテイマースキルは持ってないんだよ。それにしても、宝石って貰えるのか。でもその宝石って力の源とかじゃないのか?」
「確かに力の源だけど、すぐに再生するから。カーバンクルにとっては問題はないみたいよ」
「何でそんなこと知ってるんだ?」
「前に見せてもらったのよ。そのついでに説明してくれたわ」
「へぇ~、カーバンクルをテイム出来る人っていたんだ」
「あの警戒心が強く、近づいただけで逃げるカーバンクルが。まさかテイム出来るとは思いませんでしたよ。どうやってテイム出来たんですか?」
「何か根気強く追いかけて行ったらしいわよ。そしたらカーバンクルの心が折れて、大人しくテイムされたらしいわ」
「流石にユウヒ君みたいに、勝手に付いてくるってことはないか」
「えっ? カーバンクルが付いてきたの!? ユウヒは何やったの!?」
「何もやってないよ。気付いたらデザートカーバンクルが、勝手に付いてきたんだ」
「何もしてないのに勝手に付いてきた、ねぇ~・・・。まぁいいわ。それじゃあ私は寒さを我慢して帰るわ」
「だから服を着ろって言ってるだろ。それとハンバークの作り方」
俺は空間からハンバークの作り方を紙に書いたのを出して渡す。
「どうも。服は今度買いに行くわよ。それじゃあね」
リゼットさんは翼で空を飛び、集落の方に帰って行く。俺はスキルのレベルアップに励む。




