38話 サキュバスって
今何時か分からないが、急にお腹の上に何かが置かれた。もしかしてアリアナが寝ぼけたのか? と思い目を覚ます。
「どうも、私サキュバスの―――」
最後まで言わせないように、右手でサキュバスって言った女性の腹。正確にはみぞおちに、攻撃強化をして思いっきり殴る。攻撃強化が出来るようになったのは、大量のゴブリンどもを相手している時に出来た。
「イッタ、いきなりなにっ―――」
サキュバスをそのまま後ろに押し倒し、馬乗りをする。
「魔物風情が、寝てる時に邪魔をするとはいい度胸だなぁ。楽に死ねると思うなよ」
左手でサキュバスの首を絞めながら、右手に氷の斧を作る。首を絞めているはずだが、左手に首を絞めている感覚が無い。
「ま、待って私魔物じゃあ―――」
「問答無用!」
斧を振り下ろそうとしたとき、ドアが勢いよく開く。
「待ってくれ! 彼女を殺さないでくれ!」
急に店主のおっさんが入ってきた。このままこの女性を殺そうとしたが、店主が何か知ってそうなので。一度殺すのを止める。俺は靴を履いてドアを閉めて、サキュバスと店主をドアの前に座らせる。俺はロウソクに火魔法で火をつける。
「で、これはどう言う事だ店主さん」
その場で座っている店主に聞く。何故正座をしているのか分からないが、そんな事はどうでもいい。
「ワシは何故こんな状況なのかは知らんが。隣にいるサキュバスなら知っているぞ。と言うより、この世界中の人なら誰でも知っていぞ」
「俺が聞きたいのは、そうじゃなくって。何でおっさんがすぐに、ここに来た理由が知りたいんだ」
「そ、それは大きな物音がしてな」
「大きな物音? おっかしいなぁ、この部屋には音が漏れない魔法を、使ってもらったのだが。この部屋に入った時にすぐに使って、大きな音も出して時は。おっさんは気付かなかったよな?」
「そ、そんな事はワシは知らんよ」
「まぁそうだよな。それはそれとして、本当に大きな音が聞こえたが? 隣のベッドで寝ている彼女は起きてませんが。・・・本当に起きて無いのか?」
俺はアリアナの方に行って、布団を捲る。アリアナを見ると、普通に起きていた。
「・・・起きてるなら、何で起きようとしなかった」
「ちょっと起きる機会を逃しちゃって・・・」
「まぁいいや。で、隣は起きるかもしれないが。流石に下の方まで、音が聞こえるとは思えないのだが。もし聞こえてるなら、隣の部屋にいる人が壁を叩くと思いますよ。仮にの部屋の中を覗くなら、窓から覗く事が出来そうだが。翼が生えてる人か魔法を使える人じゃないと覗けないよな。ここは2階だからな。後はドアの鍵穴だが―――」
それを聞いた店主は顔を色を変える。
「鍵穴から見ていたのかよ・・・。いい趣味してるなおっさん。人がいる部屋を勝手に覗くとか・・・、これ通報していいか?」
「そ、それだけは勘弁してくれ! ワシが悪かった出来る事なら何でもする! だから、衛兵だけは勘弁してくれ!」
「なら今日支払った金を返金してくれ、3日だけタダで泊まらせろ」
「それだけなら喜んで返金する!」
おっさんはすぐに部屋から出ていった。
「次はサキュバスのお前だが」
「お前じゃなくリゼットよ」
「ならリゼットに聞く。こんな夜中に何しに来た? 少なくとも初対面のはずだが」
「私はサキュバスよ、ならやる事はひと―――」
右側にいたアリアナは。言葉に反応したのか、リゼットの後ろにアリアナが立っていた。
「サキュバス風情が、なにユウヒ君に手を出しいるの?」
「(み、見えなった、彼女の動きが全然見えなかったわ! 彼女は間違いなく私より強い!)」
リゼットは考えた。言葉を間違えれば確実に殺されると。
「サキュバスはそう言う種族なのは知ってよ。でも、ユウヒ君に手を出すのはいけないよ」
口調は多分いつも通りだと思うが、怖い。俺に言ってる訳じゃないけど、まるで俺にも言っているようにも思える。
「か、彼には手を出さないわ」
「本当に?」
「えぇ本当よ(今日はって意味だけど)」
アリアナはその言葉を信じ、俺の所に来る。そのタイミングで店主のおっさんが来た。
「これはどう言う状況だ?」
「あぁ気にしないでくれおっさん。知っても驚くだけだからな」
「そうか、ホレ銅貨30枚」
「確かに銅貨30枚返してもらった。もうこんな事はやらない方がいいぞ」
「善処する。ではワシはこれで」
おっさんは部屋から出ていった。
「なぁアリアナ。サキュバスって魔族なのか?」
「残念ながら魔族だし、男のインキュバスも魔族だよ」
嘘だろ。




