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360話 精霊使い


 次の日。外に出て氷魔法でデーブルと椅子を作る。俺達は椅子に座る。


「さて、昨日の魔素の話だね。そもそも魔素はその辺の漂ってるって言ったよね」

「空気みたいにそこら中にあるって言ったな」

「確かに言ったね。でもこの森以外は自然の魔素って少ないんだよ」


「自然の魔素って。魔素って自然と出てくるのか?」

「出てくるよ。でもそれだけじゃないんだよ。実は死んだ魔物や人からも魔素は出てくるんだよ」

「死んだ魔物と人から魔素が出てくるのか? どうやって出てくるんだ?」


「それは―――」

「正確には魔力を持った魔物と人が死んだときに、魔力が出てくるんですよ。目には見えませんが、死んだと同時に魔力が放出されて、空気と魔力が結びつきます。それが魔素になります。それ以外にも魔法を使ったときに、少しですが魔力が放出して空気と魔力が結びつきます」


 一旦話が終わると、アリアナはアリサを思いっきり睨みつける。


「何勝手に説明してるの?」

「アリアナの説明が遅いんですよ~。そんな遅く説明してると日が暮れちゃいますからね~」

「ちょっと表に出ろよ」


「望むところですよ」

「―――喧嘩は後にしてくれ。今は魔素説明をしてほしいのだが」


 俺そう言うと2人は黙る。


「前にここは魔素の森って言われてたよな。何でだ?」

「あっ、それはこの辺の木は魔木(まき)って言われていてね。その魔木から魔素が出てるんだよ」

「そうなんだ。で、誰がこの森のことを魔素の森って言ったんだ?」


「私が勝手に名付けた」

「何勝手に名付けてるんだよ・・・」

「だって修羅の森以外にいい名前が思いつかなくって・・・」


「まぁいいや。魔素自体は分かったが、死体が魔素を吸って何でゾンビになるんだ?」

「ゾンビになる条件は、1つ目は本体が死んでること、2つ目は死体に肉が残ってること、3つ目は一定以上の魔素が充満してる場所。これだけです。後は勝手に魔素が死体に少し触れて、やがてゾンビとして蘇ります。個体差に寄りますが早くて半日、遅くて2カ月ですね。因みに地面に埋めても棺桶に入れていてもゾンビになります。頑丈な棺桶だったり地面奥深くに埋まっていた場合、出てこれないので」

「なるほど。しかし、地面奥深くに埋めてもゾンビとして蘇るのか。本当に迷惑だな」


 地面を掘ったら、ゾンビ溢れるほど出てきたりして・・・。


「あ、スケルトンもほぼ同じようなものですよ。違いは肉が付いてないだけですよ」

「骨さえあればスケルトンとして蘇るのか」


 ゾンビもそうだがスケルトンも迷惑だな。


「次は精霊だけど。昨日も言った通り、母体に一定の魔素が溜まると勝手に精霊は生まれるよ。条件としては、1つ目は生きているもの又は建物とか、2つ目は魔装を吸収できる状態、人と魔物ならスキル建物は魔力は籠められてる材料。これだけだね」

「建物にも魔素が吸収できるのは、初耳何だが。何で建物も魔素が吸収できるんだ?」

「前に魔鉄(まてつ)ってあったじゃん。あれみたいに魔力が籠った材料が他にも存在してるんだよ。自然だったり人工的に生み出したものもあるよ」


「素材も色々あるんだな」

「で、精霊にも種類がいて。戦ってくれる精霊と、戦ってくれないけど他の事をしてくれる精霊がいるよ。リンゴの木にいる精霊はリンゴを育ててくれるね」

「妖精より働き者だな」


「その代わりに喋ることは出来ないんですよ」

「口があるのに喋れないのか・・・」

「話すことが出来ないから、意思疎通が大変なんだよね~。それが出来るまでは時間を沢山かける必要があるね。因みにもし人と精霊が一緒にいたら、その人は精霊使いになるからね」


「精霊使いか。人によっては憧れだよなー」

「でも、精霊使いになると面倒だよ。今はほとんど精霊使いっていないから、もし見つかると貴族に囲い込まれるか冒険者に囲い込まれるか、だね」

「俺、絶対に精霊使いにならない。」


「その方がいいですよ。とりあえず、基本的な事を教えましたが。他に聞きたいことは?」

「いや、ないな。今は基本的なことさえ分かればいいな」

「そうですか」


「さて、体を動かすか。アリアナ、ちょっと練習相手になって。武器は剣で」

「いいよ」


 俺とアリアナは立ち上がる。俺は空間から2本のレイピアを出してベルトに通す。テーブルから離れた場所に移動して、稽古を始める。


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