352話 雨
次の日。起きて寝袋から出て浄化魔法で体と寝袋を綺麗にする。寝袋を空間の中にしまう。焚火に火をつけて、氷魔法で台を作ったら空間から魔道具のコンロを台の上に置く。
「おや、それは魔道具のコンロですか。結構な出来栄えで素晴らしいですね。これはユウヒさんが?」
商人のプルクトさんがこっちに来て、魔道具を見て褒めてくる。
「いえこれを作ったのは私じゃないです。知り合いが作ってくれました」
「ほぉー知り合いにですか。こんな魔道具を作ってくれる知り合いがいるなんて、羨ましいですなぁー」
「ソウデスネー」
多分、ものを作ることに関しては凄いのだろうが。ミヤさんは女性が好きだからなー。仮にこの人がミヤさんに会っても、門前払いされるのが目に見えてる。
「そろそろ朝ご飯を作るので。その・・・」
「! これはこれは失礼しました」
プルクトさんは自分がいた所に戻る。
今日は目玉焼きと昨日のスープとパンでいいや。
氷魔法と制御魔法でフライパンを2つ作り、コンロの2口にフライパンを置く。コンロに魔力を注いで火をつけて空間から油が入った瓶を出して、蓋を開けてフライパンに入れる。蓋をして瓶を戻して空間から卵を4つ取り出して、2つのフライパンに卵を割って2つづつ入れていく。水魔法で水を入れて氷魔法と制御魔法で蓋を2つ作って蓋をする。その間にテーブルと椅子を作っておく。
数分経ったら蓋を開けて皿を作ってその上に置く。皿をテーブルに置いてから、フライパンと蓋を綺麗にしてから壊す。もう片方のフライパンで自分の分を作る。自分の分が出来たら皿を作ってテーブルのに置く。空間からスープが入った鍋をテーブルの上に置いて、氷魔法で茶碗を作ってスープを入れていく。最後に皿を作ってパンを置く。
よし、出来たな。後は2人を起こすだけだな。
俺は2人の所に行く。
・・・寝袋でも寝ていても手を握って寝てるんだな。こう見ると本当にお互いを嫌ってるのか? 絶対に嫌ってないだろ。―――写真撮ろ。
空間からスマホを取り出してボタンを押して起動させる。カメラアプリを使って2人の寝顔を写真を撮る。
うん。これもメアリーさんに見せないと。
スリープ状態にして空間の中に入れる。
「あっ、ユウヒおはよー」
後ろからエメさんがこっち来て挨拶してくる。
「おはようございます」
「ユウヒは早起き?」
「大体この時間には起きてますよ」
「そっか。で、なにしてるの?」
「朝ご飯が出来たので、2人を起こそうとしてるんですよ。ほら起きろ。朝ご飯出来たぞ」
2人はピクリと動き少しずつ体を動かして起きる
「ふぁわ~。おはよ~」
「・・・ございます」
「はいおはよう」
「おはよー」
「「・・・・・・あぁ?」」
おっと、起きていきなり喧嘩腰ですか?
「普通に挨拶したのに喧嘩売られたっ!?」
「すみません、2人は寝起きは機嫌が悪いので。2人に変わって謝ります」
俺はエメさんに頭を下げる。
「えっ、いいよいいよ。気にしてないから。じゃあ朝ご飯を食べるからまたね」
エメさんは自分のパーティの所に戻る。
「何で謝ったの?」
「謝る必要ないですよね?」
「いや謝るだろ。どう考えても謝るだろ。何で喧嘩を売るようなことをしたんだよ・・・」
「朝から見たくない顔がそこにあったから」
「私とアリアナは一切謝る気はありません」
「俺は2人が俺とメアリーさん以外で、謝ってる所なんて見たことないんだが・・・。それより朝ご飯よう。先に食べてるぞ」
俺は立ち上がり先に席に座って朝ご飯を食べる。数分したら2人も椅子に座って朝ご飯を食べる。
朝ご飯を食べ終わり、カラになった鍋と食器を綺麗にして壊す。身支度を済ませてテーブルと椅子を壊して、俺達は東の港町を目指す。
「今日は曇ってるなー。雨が降りそうだな」
「そうだねー。雨降ってきたら結界でも張ろうか」
「それは嬉しいが。俺含めてアリアナとアリサだけか?」
「そうだけど。何か問題ある?」
「出来れば商人達にもやってほしいが・・・。言ってもやってくれないよな」
「当たり前じゃん。何でユウヒ君とアリサ以外にもやらないといけないの? アリサだけでも嫌なのに」
「アリアナは喧嘩売ってます?」
「勿論売ってるけど」
ここで喧嘩をするのはやめてほしいのだが。――――――後ろから複数の魔物が来るな。
俺はプルクトさんの方に行く。
「すみませんプルクトさん。ちょっといいですか?」
「何でしょう」
「後ろから複数の魔物が来ます」
「何と! ならすぐにとめ―――」
「いえこのまま少し早く進んでください。3人で対処するので」
「・・・あい分かった」
「っと言う事で聞いてましたよね。エメさん」
「聴いたよ。任せるよ」
「そうですか。どうか無事で」
俺は歩くペースを落とす。馬車は少し早くなり先に進み、同時にエメさん達も早く移動する。
「分かってるよな」
「行ってくるね」
「憂さ晴らしして来ます」
2人は魔物がいる方に突っ込んでいく。俺は氷魔法で弓を作って弦引いて構える。
「・・・・・・俺いらないな」
2人が先に行ったから俺が戦う必要ないな。あ、もう数えるほどしかいねぇー。
俺は弓を壊して2人の方に行く。
「ほとんどウルフか」
「解体してもいいもの手に入らないから、全部埋めとくね」
アリアナは土魔法で死体を地面深く埋めて行く。
「じゃあ行こっか」
俺達はプルクトさんの所に行く。
「プルクトさん。終わりましたよ」
「は、早いね。して、何が出ました?」
「ほとんどウルフでしたよ」
「ウルフでしたか。それなら早く終わりますな」
報告が終わり馬車は少し遅くなる。俺は2人の方に行く。
「あ、雨だ」
曇っていたから雨が降りそうと思っていたが、やっぱり雨が降ってきた。
「結界っと」
アリアナは自分と俺とアリサに結界を張る。
「・・・・・・やっぱりあの4人にも」
「言わなくっていいから」
アリアナにそう言われて。俺は黙る。
「大丈夫ですよ。雨はマントで凌ぎますよ」
「・・・そうか。あ、分かれ道だ」
前に来たときにいた看板を見る。
「そろそろ町に着くみたいだね。ここに来るのに1日も、かかるとは思わなかったよ」
「これが普通なんだろ」
俺達は雨を気にせず馬車について行く。




