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350話 懐中時計


 商人の護衛を受けたて依頼内容を再確認したあと、エメさん達と別れてギルドから出て東門に行く。なお、依頼書はエメさんが持っている。


「集合時間はまだ余裕があるから、卵や小麦粉でも買っていくか」

「そろそろなくなるって言ってましたね」

「買わないと、カツ丼とかが食べられないもんね」


「早く買いに行きましょう」


 アリサが先に行く。俺とアリアナはそれについて行く。




 買い物を済ませて東門の方に行く。


「今回は小麦粉が高かったからパンも高かった」

「それでも普通に買えたね」

(かね)は沢山あるからな。今の所店で売ってるものは大体は買えるだろ」


 東門の前に着いたが、まだ馬車や商人やエメさんのパーティは着てなかった。俺は人目のつかない所に行って、空間からスマホを取り出してボタンを押して時間を見る。


「少し早かったか」


 スマホのボタンを押してスリーブ状態にして、空間の中にしまう。俺は2人の所に戻る。 


「何してたの?」

「時間を見ていただけ。流石に腕時計は持ってないからな」

「時計ですか。確か今は新しい時計を作っているらしいですよ。ユウヒさんが知ってそうな時計は、懐中時計ですね。腕時計は知りませんが」


「へぇー、懐中時計を作ろうとしてるのか。そうなると、一般の家庭にも時計はあるのか?」

「あるけど、無理して買おうとはしてないかな。他の人たちは鐘の音で判断できるし」

「あった方が便利だと思うが」


「人は慣れてくるとくると、必要には思わなくなってくるんですよ」

「・・・そっか」

「おやおやお早いですねー」


 商人と思われる人が馬車と一緒に来る。


「今回は貴女方が?」

「私達でだけではなく後3人来ます」

「そうですか。では待ちましょうか」


「すみませーん! 遅れましたー!」


 エメさん達が来る。


「時間はまだ平気―――」

「ほぅーこれはこれはドラゴンを討伐した方が、護衛をしてくれるのですか! 今回は安心して商品を運べますな!」


 ちょっと商人さん? 人が話してる時に遮らないでほしいのだが。


「確認ですが、この2パーティで間違えはないですかな?」

「あってますよ」

「そうですか。ではいましょうか!」


 商人は馬車に乗り馬車を動かす。俺達は馬車の後を追う。


「護衛の俺達の配置の話し合いはしないのか? まぁ丁度左右に分かれてるからいいけど」

「商人の名前も聞いてないよね」

「これは商人としてどうかと思いますよ。聞かなかったこちらもどうかと思われますが」


「ちょっと聞いてくる」


 俺は商人の方に行って名前を聞く。


「すみません、自己紹介がまだでした。私はユウヒです。後ろにいるのがアリアナとアリサです」

「アリアナ」

「アリサです」


「おぉそう言えばしてませんでしたな。ブルド商家のプルクトと申します」

「こっちもまだだったね。わたしはエメ。後ろにいるのがルナとルル」

「ぼくがルナだ!」


「ル、ルルはルルです」

「エメさん。依頼書に書いてる依頼人と同じ名前ですか?」

「ちょっと待って・・・」


 エメさんは空間から依頼書出して確認する。


「合ってる合ってる」

「すみません、わざわざ確認するよな事をしてしまって」

「いえいえ、依頼人を確認するのは普通のことですから」


「話が変わりますが、野営道具はお持ちで?」 

「持ってますとも」

「それは良かったです。因みに確認ですが、エメさん達もありますよね?」


「大丈夫。ちゃんとある」

「そうですか。ないと言ったらどうしようかと思いましたが、私の杞憂でしたね」


 俺は少し歩きペースを落として、アリアナとアリサの方に合わせる。


「間違えってことはなかったな」

「とりあえず安心していいのかな」

「そうですね。たまに護衛対象を間違える、ってことはありますからね」


「前にもあったのか?」

「ありましたよ。私の忠告を無視して冒険者は死にましたが」

「一体のどんな相手だったんだよ・・・。こんな時にエルフがいると分かるだよな」


「でもエルフがいると、ユウヒ君は色々大変な目に遭うけど」

「それは2人も一緒だろ・・・」


 俺達は周りを警戒しながら馬車と商人を護衛する。


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