349話 偽善者
リゼットさんが帰って3日後。氷魔法を使いテーブルと椅子を作って椅子に座る。
「ねぇユウヒ君。前にさぁ、偽善者って言ったよね」
「あぁ言ったな。それがどうした?」
「ちょっと気になってね」
「あぁー、私も気になります。どうしてユウヒさんが偽善者なのか」
「そんなに気になるのか。じゃあそもそも偽善者って言うのは分かるか?」
「偽善者とは。簡単に言うと1つ目は、人前では善ををするけど、裏は悪の行いをする人。2つ目は、自分の欲の為に善をする人です」
「俺はどちらかと言うと1つ目の方だな。2つ目の方も当てはまると言えば、当てはまるかも知れないが」
「それで1つ目だけど。裏で何か悪い事でもしてるっけ?」
「・・・もしかして。また写真でも撮ってるんですか?」
「確かにそれも悪い事と言えば悪い事だな。だがそこじゃない暗示として、商人の馬車を襲うのは魔物だけじゃない」
2人は考える。
「――――――あ、盗賊ですね」
「そうだ。聞きたいが、町とか帝国からそんなに離れてない所で、盗賊に遭った場合はどうする?」
「普通の冒険者なら、盗賊を無力化してそのまま門番の人に渡すね」
「じゃあ周りに町とかがなかったらどうする?」
「その場合は殺しますね。わざわざ転移石や転移魔法を使いたくはないですし」
「そう。その殺すのが悪だよ」
「何で? 盗賊の人たちは人を襲っては、奪い、殺し、犯す。その盗賊を殺しても特に罪にはならないよ」
「確かに罪にはならないかもな。でも人を殺すのは悪い事だろ。例え相手が盗賊であろうと殺人者であろうと、殺さずに捕まえて法で裁かれるべきだと思う」
「それでユウヒ君は、自分のことを偽善者って言うの?」
「そうだ。俺は立派な偽善者だ」
「その考えでいくと、大体の人たちは偽善者になりますね」
「俺の考えだとそうなるな」
「でも私はそうは思わないよ。私からしたらユウヒ君のやってることは、普通の人たちと同じことをやってるだけだし」
「そうですよ。ユウヒさんの考えでいくと、偽善者どころか極悪人になりますよ」
「それとまた違うような気がするが。まぁ確かにこれは俺の考えであって、他の人はそうは思わないだろう。1人1人考えが違うからな」
「あんまり悪い事を考えてると、いつか気が狂うよ」
「そうだな。この話はここまでにしておくか」
「そうしてください。流石に見たくないですよ、ユウヒさんが気が狂ってる所なんて」
「俺だって気が狂う何てしたくない。・・・状態異常無効があるから大丈夫か」
「そうだったね」
「さて今日はどうするか・・・。帝国にあるギルドにでも行くか」
俺達は立ち上がってテーブルと椅子を消す。俺は転移魔法を使って、帝国の東門付近に転移する。
帝国の東門付近に着く。俺達は門番にギルドカードを見せて中に入ってギルドに行く。
「あれ? 何かざわついてるな」
「何かあったんじゃない?」
「事件とか魔物攻めてきたとかだった、すぐに逃げだしたいものだな」
俺達はギルドに入る。
「おいあれ。最近冒険者になったエメだ」
「あの若さでもうBランクだぜ」
「Bランクうぅぅぅ~? どうせズルでもしたんだろ。ちょっとこの世界の厳しさを教えてくるぜ」
「バカやめとけ!! アイツはドラゴンを討伐したんだぞ!!」
「あぁ? あんなヒョロヒョロでどうやって、ドラゴンを討伐したんだよ」
「いいからやめとけ! アイツに喧嘩売っても恥をかくだけだ」
「あぁーハイハイ、やめとくやめとくよ」
聞き覚えがある名前が聞こえたな。気のせいか?
「何か聞き覚えがある名前が聞こえたね」
「同じ事を思っていたか」
「何やらBランクになったらしいじゃないですか」
「多分ドラゴンを殺したからじゃない。ドラゴンを殺したって言うなら、ウチのユウヒ君は3体は殺してるけど」
「言わなくていいぞ。それにしても、エメの両隣りにいる女の左肩に印があるけど。あれって何?」
「あの印は奴隷の印ですね。自分たちが奴隷と言う証で、あの印がある限り主人に対しては絶対服従です」
「奴隷まで持っているのか。正直必要性ってあるのか?」
「裏切らない仲間が欲しいなら、奴隷は必要じゃない?」
「まぁ人それぞれだな」
俺達は依頼書が貼ってある掲示板に行く。
「ドラゴン討伐支援がなくなってるな」
「多分エメって人がやったんじゃない? 道端でばったりドラゴンに遭って、それを殺したとか」
「だから他の冒険者はエメって言う人が、ドラゴンを討伐したって言っていたのか」
「少しいいでしょうか?」
右の方からの受付の人がくる。
「何でしょうか?」
「お三方に参加してほしい依頼があるのですが」
「内容だけは聞きますよ」
「ある商人を東港町まで、護衛する依頼です」
「お断りします。どうぞ他の暇そうな方に誘ってください」
「その暇そうな方が、あなた方お三方に聞いたのですが」
「なら他の暇な方を誘ってください。私達は他の依頼を受けますので」
「ここだけの話。報酬が弾みますよ」
「お金に困ってないので。どうぞ他の方に回してください」
「・・・試験無しでBランクに上がったことをバラしますよ」
「―――ちょっと待ってください。何で知ってるんですか・・・?」
「エポロ街のギルドで自分は受付嬢でしたが」
「記憶にないですが、いたんですね・・・。参加します。参加するので誰にも言わないでください」
「分かりました」
俺達は受付の人について行く。
・・・・・・・マジかよ。
カウンターにいたのは。他の冒険者に噂されているエメ達のパーティがいた。
「あの・・・、この人達は?」
「今回依頼に参加する人たちです。顔が青いですが大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないです・・・」
「ちょっと! ぼくたちが何のいけないって言うのよ!」
「そ、そうですよ! ル、ルルたちのないがいけないんですか!」
この2人は獣人で姉妹かな?
「まぁまぁそんなに怒らなくても。わたしはエメ。きみたちは?」
「ユウヒです」
「アリアナ」
「アリサです」
このメンバーで商人の護衛かよ。不安しかないな。特にエメって言う人が。




