323話 選べ
魔物の解体が終わり、素材を空間の中にしまう。
「さて、ダンジョンもん・・・。長いから、DMSと呼ぶか。DMSが起きてると事は、リゼットさん達がいる所がヤバい事になってるよな」
「そうだね。どうする?」
「面倒だけど行く。仮にリゼットさん達が全滅して、こっちに来ても困る」
「そうですね。リゼットが何とかしてくるならいいですが。まぁ無理ですね」
「なら早く行くか。転移魔法で行きたいけど、戦ってる最中だと思うし。空から行くか」
俺は風魔法で体を風で纏い空を飛ぶ。2人は浮遊魔法で空を飛ぶ。そのままダンジョンがある方に飛んで行く。
「あっ、煙が出てるな」
「誰かが火を放ったのでは?」
「おいおい・・・。木が燃え移るだろ・・・」
「魔物が放ったかもね」
俺は氷魔法で弓の準備をする。
「着いたな」
下を見ると、リゼットさん達が戦っていた。
「どう見ても劣勢ですね」
「レベルの差と数の差があるからな。それに自分たちの家を壊す訳にはいかないから。ある程度手加減はするだろうな」
「どうやって戦う?」
「俺は空から弓で戦う。2人は好きにどうぞ」
「じゃあ下りて戦うね」
「同じく」
2人は下に下りる。俺は気配遮断を使って、空から矢を放つ。
「それにしてもかなりいるな。これはボスを殺さないといけないかな」
矢を放ちながら、ボスらしい魔物を探す。
「あ、いた。ボスはアイスハイプリンセス、か・・・」
アイスハイプリンセスは、後ろの方で指揮を取っている。その周りには副将みたいのがいる。
「邪魔だな・・・」
弓を副将達の方に向けて、弦を引いて放つ。放たれた矢は副将達に当たり死んでいく。
「!?」
アイスハイプリンセスはこっちを見るが、俺を探している。弓を壊して、鞘から1本のレイピアを抜く。俺はアイスハイプリンセスに向かってに急降下する。
「!!」
「遅いっ!!」
アイスハイプリンセスは俺に気付く、が遅すぎる。俺は途中で急降下をやめて、そのままレイピアでアイスハイプリンセスの首を刎ねる。俺は地面に着地して、体に纏っている風を解く。
「あ、死体は残るのか。ダンジョン出てるからか」
周りに残っている魔物は、俺を見ているが動くとしない。
「・・・動かないなら、俺から行くか」
もう1本、鞘から抜いて魔物のを斬り殺しに行く。
「ユウヒ来てたの!?」
周りにいた魔物を殺して、少し休んでいたら。リゼットさんがこっちに来ていた。
「来てたよ。で、そっちの被害は?」
「精鋭は全員無事だけど。他の人たちがかなり亡くなったわ・・・」
「そうか・・・。動ける人がいるなら、これを使ってくれ」
俺は氷魔法で箱を作り、空間から特級ポーションを出して箱に入れる。
「多分、100本はあるはずだ」
俺はリゼットさんに渡す。
「どうも。アンタがいて助かったわ。ところで、アリアナとアリサは?」
「2人も来てるが・・・」
「戻ったよ~」
「戻りました」
2人がこっちに来る。
「それより、早く他の所にも行こう」
「? 何で?」
「実は他のダンジョンでも、DMSが起きてます」
「マジかよ・・・」
「でぃ、DMS?」
「ダンジョンモンスタースタンピードの略だ。・・・目立ちたくないが、行くか」
「待って! 私も」
「リゼットさんはここで復旧活動した方がいいじゃないか? あるいは家族の所にでも行けば」
「えっ?」
「魔族の領土にあるダンジョンも、DMSが起きてるか?」
「うん、起きてるね。一応、全領土見てきたから」
「だ、そうだ」
「・・・・・・」
リゼットさんは何故か悩んでいる。
「――――――何に悩んでいるんだよ」
「悩むわよ! 今は収まっていあるけど、また同じ事が起こったら・・・!!」
「ん~~、一度収まったDMSが。すぐに動き出すって事はないと思うけど」
「だとよ」
「だけど・・・」
「あぁもう面倒だな・・・。じゃあ選べ。仲間を見捨てて家族を助けるか、家族を見捨てて仲間を助けるか。どっちだ」
「なっ!?」
「うわぁ~、随分と酷いこと言うね~」
「早く選んでくれ。時間の無駄だ」
「アンタ・・・。本気で言ってるの?」
「本気だよ。言っておくが、どっちもって言うのはなしだ」
「・・・・・・」
リゼットさんは更に悩む。
「(ユウヒさん? ここまでやる必要ありますか?)」
念話でアリサが話しかけてくる。
「(あるよ。こうしないと、両方失うからな)」
「(地球にいた時も、こんな事をしていたんですか?)」
「(流石にここまで酷い事を、言ったことはないけど。決断させる事は何回かあったな)」
「(意外と苦労してるんですか?)」
「(まぁな・・・)」
「行ってください。リゼット様」
「アヴァ?」
アヴァさんがリゼットさんに話しかける。
「わたくしたちは、ここで復旧活動します。どうぞ、リゼット様は家族の方に行ってください」
「でも、そうしたら。アヴァたちが!」
リゼットさんは食い下がろうとする。
「はぁ・・・。リゼット様はほんっっっとに情けない人。いえ、情けないリリスですね」
「ちょ・・・!」
リリス? いまリリスって言った? 後で確認しよう。
「こんな時に決断出来ないでどうするんですか。英雄リゼット? 聞いて呆れますね」
それを聞いたリゼットさんは、握り拳を作って怒りに震えてる。
「――――――いいわよっ! アンタたちを見捨てて、家族を助けに行くわよ!!」
お、決まったか?
「それでいいのです。本来わたくしたちは、路頭に迷い死ぬはずだった者たちです。それを貴方様は、わたくしたちに手を差し伸べてくれました。ここで見捨てられて殺される? 上等です。それて貴方様が決断出来るなら、喜んで殺されましょう」
「アンタたち・・・」
「行ってください。家族を助けるために」
アヴァさんと他の人達が、リゼットさんに跪く。
「――――――分かったわ。私はアンタたちを見捨てて、家族を助けるわっ!」
「はい」
「決まったな」
俺は空間から転移石を2個出す。
「はい、転移石」
「どうも」
リゼットさんは、箱を空間の中にしまう。リゼットさんは俺から転移石を受け取る。
「行ってくるわ!」
「いってらっしゃいませ」
リゼットさんは転移石を使って故郷に帰る。
「はぁ・・・」
アヴァさんは立ち上がりながら溜息をつく。
「お疲れさまです」
「そちらこそ。本来はわたくしたちがやる事を、ユウヒ様に押し付けてしまいました」
「いえいえ大丈夫ですよ。これで嫌われることが出来ますよ! 寧ろ感謝します!」
「あ、いつものユウヒ君だ」
「酷く言ったのって。ユウヒさんはこれが目的でしたか」
「あ、特級ポーションは必要ですよね。今出します」
俺は氷魔法で箱を作って、空間から特級ポーションを出して箱に入れる。
「多分、100本あります」
俺は箱をアヴァさんに渡す。
「あ、ありがとうございます」
「使い方は、蓋を右に回せば開きます。では、私達は他のダンジョンに行きます」
アリアナとアリサがこっちに来る。俺は空間から転移石を出して、一先ず帝国の北門付近に転移する。




