320話 寝顔
「っと、思ったのだが。今日は飛んで行こう」
「急にどうしたの?」
「ちょっと、この大陸の写真を撮りたくてな」
「まぁいいですけど」
俺は空間からヴェールを取り出して頭に着けて、風魔法で体を風で纏って空を飛ぶ。アリアナとアリサはそのまま空に飛ぶ。
「このまま一気に上まで行くか」
俺達は一気に上まで飛んで行く。
あっ! いくら風で纏っているからと言って、圧が凄い!
「大丈夫、じゃないね」
アリアナは俺に近づき、俺の右腕の脇から入り肩を貸してくれた。
「いくら風魔法で体を纏っていても、圧までは耐えられないと思うよ」
「・・・少し考えれば分かる事なのに、何で気付かなかったんだろう」
「ユウヒさんって、たまに抜けてる所がありますよね」
「否定したいけど。否定が出来ない・・・」
「ゆっくり上に行こうか」
「あっ、私も肩を貸しますよ」
アリサは俺の左腕の脇に入り肩を貸してもらう。
「このまま上に行くと、酸素不足になりそうだな」
「それは大丈夫じゃない? 風魔法で呼吸が出来ると思うけど」
「だといいが」
俺達は上に行く。下を見ながら丁度いい所で止まる。
「この辺がいいな。しかし、デカいな・・・」
考えていた大きさより大分大きい。鷹の目を使って帝国を見るか。
「あぁ、ちょっと見えにくいけど。帝国は見えるな」
「そのまま東を見ると、港町が見えるよ」
「・・・・・・帝国から港町から、かなり距離があるが」
「前も言ったけど。ステイタスのおかげだよ」
「いや、それでも・・・。いいや、考えるのをやめよう」
「そうですよ。それより写真でしたっけ? 撮ったらどうです?」
「そうだな」
俺は空間からスマホを取り出す。起動させてカメラアプリを使って、スマホを横にしてワスプ大陸を撮ろうとする。
「どうしたの?」
「撮らないんですか?」
「いや、後ろからジッと見てるから。なにかなって」
「ただ気になっていただけだよ」
「そうですよ」
「あっそう」
俺は何枚かワスプ大陸を撮る。
「よし、これでいいな。じゃあ、俺達も撮るぞ」
「え、何で撮るの?」
「親に見せるためだが」
「「えっ!?」」
何故か2人の顔が赤くある。
「ユユユユユウヒ君!? まだそう言うのは思うけど!」
「そそそそそうですよ!」
「何を勘違いをしているんだ? 別に、俺達は結婚します。って報告するわけじゃないんだから」
「「あ・・・」」
この2人。普通に勘違いしていたな。
「・・・聞くけどさぁ。仮に結婚して生活が変わるか?」
「結婚して生活が変わる? ん~~・・・」
「――――――変わりませんね」
「だろ。ならこのままでいいじゃん。俺達はどっかの国の住民じゃないから、社会に認めてもらう必要はない」
「言われてみれば、そうだね」
「じゃあこのままでいいですね」
「そうだね。顔を赤くして損したよ」
「分かってくれて何よりだ。よし撮るぞ」
俺はスマホのカメラアプリで自撮りに切り替える。
「もう少し俺に近づいて・・・。よし」
ボタンを押して写真を撮る。撮れた写真を見る。
「綺麗に撮れてるな」
「こう見ると凄いね。ユウヒ君がいた世界では、これが当たり前なんだよね」
「そうだな。でも、スマホよりカメラの方が凄いが」
「他はないんですか?」
「他は2人の寝顔しかないな」
「「え?」」
俺は何枚かある、2人の寝顔の写真を見せる。
「ほらこの写真、綺麗に撮れてるだろ」
「何で撮ってるんですかっ!?」
「そうだよ! 撮るなら寝顔以外にも撮ってよ!」
「アリアナ。ちょっと違いますよね? そこは恥ずかしくなるところですよね」
「? そんなに恥ずかしい事?」
「恥ずかしい事に決まってるじゃないですか!!」
「でも、寝顔が撮れるのって。メアリーさんがいないと撮れないんだよな~」
「何でメアリー様がいないと撮れないの?」
「メアリーさんが手引きしてくれるからな。2人が起きないようにてな」
「え、メアリー様が手引きしてるんですか」
「そうだが」
アリサが難しい顔をする。
「・・・まぁメアリー様なので、許しましょう」
「メアリーさんじゃなかったら、許されないのかよ・・・」
「そろそろ、帝国に行こうよ。宿に泊まる事になるよ」
「最近は宿に泊まってないが、宿泊まりになるのは嫌だな」
スマホをスリープにして空間にしまう。転移魔法で帝国の東門付近に転移する。
帝国の東門付近に転移したら、体に纏ってる風を解除する。ヴェールを外して空間にしまう。ギルドカードを出して、門番に見せて帝国に入ってギルドに行く。
「流石に何も起きないな」
「また喧嘩が起きていたら、今度は無視しないとね」
「そうだな」
俺達はギルトに入る。
「何だ? 男の冒険者達の活気が低い。何かあったのか?」
「さぁ?」
「どうせしょうもない事で、活気がないんですよ」
「まぁ、今来た俺達には関係ないな」
俺達は掲示板に行って、先ずは情報を見る。
「お、俺に関する情報がなくなってる」
「あれだけ時間が経っているんですよ。流石に諦めますよ」
「ありがたいことだな。後は・・・。解呪魔法が使える人を探してる?」
掲示板にそんな感じに書いてある紙が張り付けれていた。
「解呪って呪の事だよな」
「そうだね」
「誰かが呪われてるかもしれませんね。どうでもいいですが」
「俺は解呪魔法何て使えないから。ムリだが」
次は依頼の方の掲示板を見る。
「オーク関係の依頼は・・・。あった」
Cランクの方にある依頼を見る。
何々、ケルベロスオークの討伐。ケルベロスオーク?
「ケルベロスオークって。まさか頭が3つあるのか?」
「あるよ。凄く醜い顔が」
「しかも普通のオークより少し大きいです」
「それを2体で銀貨200枚か」
「それにする?」
「そうだな」
俺は依頼書を持って、受付の所に行く。
「すみません。これを受けたいんですけど」
「はい」
あれ? 違う受付の人だ。まぁどうでもいいけど。
俺達はギルドカードを出して、受付の人に見せる。
「あ、それと。ワイバーンの指名依頼は来てますか?」
「ワイバーンの指名依頼? あ、あなた様がユウヒ様たちでしたか。特に来てませんよ」
「そうですか。と言う事はワイバーンは。あの洞窟にはワイバーンがないっと、判断しても?」
「構いません」
「そうですか。で、これは受けていいですか?」
「どうぞ」
依頼書を渡される。依頼書を受け取って、俺達はギルドから出る。




