316話 驚いた
朝ご飯が食べ終わり、少し休憩したら俺達は立ち上がる。
「アリサ。ちょっと殺し合いしようか」
「何でですか?」
「昨日のこと忘れた? 勿論、忘れてないよね」
「? サッパリ分かりませんが」
「2回も殴っておいて?」
「あぁ、昨日事ですか。いいですよ、殺し合いましょうか」
2人は転移魔法でどっかに行く。
「殺し合いじゃなくって、殺し愛だろ」
「今のは転移魔法かい?」
「あっ・・・」
俺はちょっと身構える。
「あぁそんなに構えないでくれ、わたしがいたときは普通にあった魔法だから。それほど珍しくない」
「・・・そうだった。ミヤさんはかなり長生きしていたんだった」
「それで、転移魔法ぐらいで。何で身構えたんだい?」
「現在の転移魔法って、今じゃあ失われた魔法だから。貴族の前でそれを使うと、面倒になるんだよ。ミヤさんも使えるなら、気を付けた方がいいぞ」
「転移魔法が失われた? アリアナとアリサのどっちかが使っていたじゃないか」
「使っていたが、他の人は使えないよ。現に本もそう書いてあった」
「・・・・・・驚いた。わたしが地下に引きこもって研究をしていたら、いつの間にか魔法レベルが下がっていたのか。なら、イメージで魔法が使えるってことも知らないのか?」
「えっ、ミヤさんが地上にいたときは。魔法はイメージ次第で使えたのか?」
「そうだ。例えば火魔法でラビットを出したいときは、ラビットのイメージをすればいい。それと同時に制御魔法で周辺を燃えないようにする」
ミヤさんはテーブルの上に火の兎が出てくる。
「これだけでいいだ。一々詠唱するなんて、敵からしたら。どうぞ殺してください。と言ってるものだろ。そうは思わないかい?」
「全く持ってその通り。現に詠唱してる人がほとんどだと思う」
「キミは分かっていたか。――――――分かっていなかったら。分かるまで丁寧にじっくりねっとりと教えようとしていたのだが・・・」
「言い方が卑猥に聞こえるのだが」
「よし。ユウヒ、今すぐ記憶を消してくれ」
「無理だ」
俺はそう言って、練習ボックスがある所に行く。
「フム、行ってしまったか」
俺は椅子に座り、昨日とは違う練習用ボックスを両手で掴んで。こっちに引き寄せる。
大体仕組みは分かってきた。1つは壁にぶつかると電気ショックが体中に流れる。これは失敗を意味する。なお例外もある。例えば時間制限付きの迷路とかだ。2つは解除するのに仕掛けが1つ1つ違う。今はこれだけだな。
「さて、見てみるか」
構造理解で鍵穴を見る。
中に玉があって、道中は所々に穴があるな。しかも確実に落ちる道だな。
俺は丸い鉄の細い棒を持って、鍵穴に通す。
さて、どうしたものか。普通に玉を押しながら行くと穴に落ちるな。玉の下に隙間はないし、棒が先に行けるわけでも・・・。いや、左右に少し隙間があるから。左右に分けて途中で合わせて、先に進んで穴を塞ぐ。最後まで行ったら、玉が通れるために坂を作る。これで玉を動かす。
玉は後ろから押され前に進む。坂を上り先に進む。
あれ? 上に隙間があるな。なら、余ってる所から上と左右を全て鉄で覆って。後は鍵穴の出入り口の所で固定する。
鍵穴の出入り口の所で固定が出来たら。俺はボックスを持ってボックスごと動かす。そのままゴールがある所まで玉を動かす。
――――――ガチャ。
「よし開いた。我ながらズルい事をしたな」
構造理解を使うのをやめて、鉄の棒を元に戻して鍵穴から抜く。ボックスの蓋を閉めてボックスを違うところに置いて。違うボックスを持ってくる。
「それにしても、この棒。何処まで伸びるんだ?」
俺は丸い鉄の細い棒に魔力を流す。この部屋を一周でいるか試してみたが、余裕で一周出来た。元に戻して、次は分裂させる。
「分裂もできちゃった」
1本だけ少し太くする。
これはアレだ、相当手に入らない物だ。この魔鉄は銀と金が出る確率だろうか? もしそうなら金とか銀になると、オリハルコンやアダマンタイトぐらいの確立になりそう。
俺は次のボックスの鍵穴を構造理解を使って見る。
「げ、次は時間制限付きの迷路だ・・・」
俺は脳内で迷路を解いてから、鍵穴に丸い鉄の細い棒を通す。




